西洋鏡
SHADOW MACHINE

僕の点数:4.2
見た日:00.10.30

2000
Country: 中国 米国
ドラマ コメディー
映画館で見た


キャスト シア・ユイ
ジャレッド・ハリス
監督 アン・フー
音楽 チャン・リダ
備考 東京国際映画祭で見てきた。
 1902年、清朝。中国に初めて映画を持ち込んだイギリス人レイモンド。当初はだれも興味を示さないが、写真屋のリウだけはちがった。彼は本業の写真そっちのけで、映画に没頭し、おかげで映画小屋は大繁盛。その一方で、映画に客足を奪われた京劇の連中は面白くない。そんな中でリウは京劇のトップスターのタンの娘リンに恋をする。そしてレイモンドとリウは、ついに紫禁城で映画を上映することになるが・・・。
 中国の「ニューシネマパラダイス」。初めて映画を見た人々の目の輝き、嬉しそうな表情。ノスタルジーを掻き立てられる瞬間である。そして、映画と京劇との対立、東洋と西洋の隔絶、そして位の違いすぎる恋と、激動の時代をドラマは次々と展開し、監督曰く「悲しくもハッピー」な物語に仕上がっている。
 俳優陣も素晴らしく、「太陽の少年」の悪ガキが、またも良い表情を見せる。
 残念なのは、この映画があまりにオーソドックスなハリウッドスタイルで撮られていること。中国映画ならではの、アクの強さや色彩感覚が欠けている。映像感覚も、これといって個性的なものもない。このへんが、監督が長くアメリカで映画を学びすぎたことの弊害かもしれない。才能ある監督だけにおしい。監督の言う通り、全行程の5パーセントだけではなく、もっと長い時間を撮影にかけたほうが良かったのだろう。

written by Hideto Miyai's "映画スタック"


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