| キャスト | |
| 監督 | アッバス・キアロスタミ |
| 音楽 | |
| 備考 | 名監督マフマルバフの名を語って、アーハンハー一家に出入りするようになった男サブジアン。彼がなぜ、尊敬する監督になりすまし、返すあての無い金を借り、逮捕を自覚しながらも、一家をだまし続けたのか？ 実録ドキュメンタリー。出演者は皆、事件の当事者。サブジアンと一家の出会いから、裁判の一部始終、そして逮捕の瞬間まで、刻一刻と変化する状況を「クローズアップ」で捕える。 「マルコヴィッチの穴」でも見られた人間の悲しい変身願望。そこにイランに限らずいたるところで目にする混迷した社会環境。裁判の中で明らかにされる真相を丁寧にキャメラが追いかける。 サブジアンは大の映画好きで尊敬するマフマルバフの「サイクリスト」を何度も見ていた。しかし失業して子供に菓子も買ってやれないほど貧しい。 自他共に認めるイランを代表する映画監督キアロスタミが、映画監督になりたくてもなれない男へ温かいまなざしを向けながら、同時に社会に対する怒りを投げ掛けているのが興味深い。 全体として会話中心の地味な作品だが、キアロスタミ映画の真骨頂がここにある。 |
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