ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ

僕の点数:4.9
見た日:2000.10.15


Country: 英国
ホラー ドラマ コメディー
テレビ/ビデオで見た


キャスト ゲーリー・オールドマン
ティム・ロス
リチャード・ドレイファス
監督 トム・ストッパード
音楽 スタンリー・マイヤーズ
備考  ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞作。
 ローゼンクランツ(オールドマン)とギルデンスターン(ロス)はデンマーク王に親友ハムレットの乱心の原因を突き止めてほしいと、召される。その旅の途中、妙な劇団に遭遇するが、二人は無視。城に到着すると、ハムレットは彼らが王に呼ばれたことを知り、狂人ぶりを継続する。城で二人は例の劇団と再会する。彼らの劇は題はないが、「ハムレット」そのものであった。やがて、二人は王にハムレットを英国に送るのに同行することを命じられるが・・・。
 トム・ストッパードの演劇の自身による映画化。ハムレットの物語と同時進行するメタ演劇というべきコミカルな劇中劇。「ロミオとジュリエット」が出来るまでを描いた「恋に落ちたシェークスピア」の、「ハムレット」版と言える。だが内容はこちらの方が数段レベルが高く、皮肉たっぷり。ハムレットファンにはたまらない演出が随所に施されて、心地よい笑いを提供する。経験主義者のローゼンクランツが、ニュートン力学やガリレイの理論、振り子理論などなど、さまざまな理論を実際の発見より前に見つけているというユーモア。そしてそれを気にも留めない合理論者ギルデンスターンのお堅いクールさ。道化のような劇団の団長が実は全てを握っているというアイロニー。ローゼンクランツとギルデンスターンがお互いどちらがどちらか分からないというのも、ナンセンスなギャグ。彼らの展開するquestion&answer tennisも笑える。
 三人の豪華キャストがいずれも舞台で鳴らしたことが如実に分かる名演技を魅せてくれる。シェークスピアを突き放したような軽いノリの音楽も良い。

written by Hideto Miyai's "映画スタック"


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