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建築家の腹
The belly of an architect
    

 

 

Rating: 4.3

Genre: ドラマ

I watched : on TV or Video

Country: 英国 イタリア

Cast:
ブライアン・デネヒー

Directed by: ピーター・グリーナウェイ

Music:

Comment:
グリーナウェイの長編第三作目。
 アメリカの建築家・クラクライトは、妻のルイザを連れて、尊敬する18世紀の建築家ブーレの展覧会を催しに、ローマにやって来る。ローマに来たその日から、クラクライトは腹に異常を感じ、病気がちになる。展覧会奪回を狙うイタリア人建築家の一家や、それに誘惑され、体を許してしまう若い妻ルイザ、そして苦しい資金繰り。様々な困難から、クラクライトは展覧会を開けなくなるが・・・。
 グリーナウェイの作品にしては、エロ・グロがほとんど無い。芸術に賭ける男の生き様を、真面目に描いており、グリーナウェイの別の一面が見られる。クラクライトを演じるブライアン・デネヒーの演技が秀逸である。体を張った演技と、そのギリシャ彫刻のような硬い表情が、現代建築家の苦悩を良く表現している。
 ローマの美しい建築、絵画が目まぐるしく登場し、格調高い芸術映画に仕上がっている。が、少し映画的面白みやグリーナウェイ特有のウィットに欠けるように思われる。プロットもメリハリが無く、ゆったりとしており、眠気を誘う。
 この作品にすでに、その後の彼の作品には必ず登場する「少年(少女)」というシンボルが出てくるが、それ以外は、彫刻の鼻をもぎ取る気の狂った男や、皇帝の死についてやたら詳しい奇妙な医者など、奇怪な人物が登場するものの、この後のグリーナウェイ作品と比べると、やはりおとなしい。

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