デカローグ1 「ある運命に関する物語」

僕の点数:5.0
見た日:2000.9.26

1988
Country: ポーランド
ホラー サスペンス ドラマ

テレビ/ビデオで見た


キャスト
監督 クシシェトフ・キェシロフスキー
音楽 ズビグニェフ・プレイスネル
備考 デカローグ氈Fあなたは私のほかに何者をも神としてはならない
 大学で翻訳論を講義する教授と、コンピュータに精通した息子パヴェウの物語。ある日、パヴェウは買い物途中に犬の死体を見たことから、死に大変な興味を持つ。そして、幼いながら神や魂について考えを巡らす。伯母は、神を信じないパヴェウの父親と違い、彼に神の存在を諭す。あるクリスマスの日、いつものように池の氷の厚さコンピュータで割り出したパヴェウは、プレゼントのスケート靴を抱えて、池に向かうが・・・。その日から、なぜかコンピュータが突然起動するようになり・・・。
 不慮の事故(?)で、たった一人の息子を亡くした無神論者の男の苦悩。いつもながら鋭い人間観察を行うキェシロフスキーのまなざしは見事である。テーマ上重要な要素にはとことん接写し、記号的でさえある。よって俳優陣は鬼気迫る演技を余儀なくされる。美しい映像の中の極度の緊張感。大友克洋の「童夢」のように威圧感のある団地が印象的。
 テーマ自体に共感しにくいが、1時間ほどの物語にキェシロフスキーのセンスが凝縮された傑作である。

written by Hideto Miyai's "映画スタック"


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