僕の点数:4.9
見た日:2000.10.1
1991
Country: ポーランド
フランス
ドラマ
テレビ/ビデオで見た
キャスト | イレーヌ・ジャコブ |
監督 | クシシュトフ・キェシロフスキ |
音楽 | ズビグニェフ・プレイスネル |
備考 | ポーランドとフランス。二つの場所で生まれた二人のベロニカ。ポーランドのベロニカはピアノから歌手に転身。だが、志し半ばで劇場で命を落とす。フランスのベロニカは、音楽学校で子供たちを教えていた。奇しくも教える曲はポーランドのベロニカが最後に歌ったヴァン・デン・ブーデンマイヤーの曲。ある日人形劇を見て、感動したベロニカの元に、人形遣いとおぼしき人物からいくつか変わったプレゼントが届く・・・。 人形遣いがポーランドから来たのか?彼はポーランドのベロニカのことを知っているのか?二人のベロニカの関係?両者とも母親が死んでいることなど、謎はここでは何も明らかにされず、ぐいぐい観客の想像力をかき立てる。二人のベロニカはただ一度、クラクフで顔を合わせるのみ。フランスのベロニカが偶然写真に収めていたものが、後になって効いてくる。 ベロニカを自然体で演じるイレーヌ・ジャコブがみずみずしく、キェシロフスキの期待に見事応えていて、この作品でカンヌ主演女優賞を受賞。映像は「トリコロール 青の愛」のスワヴォミル・イジャックが担当。彼の特色はガラス越しのキャメラを多用すること。ガラスの微妙な屈折や反射からくる光の質感が、ベロニカの複雑な思い・「霊感」を美しく表現する。キェシロフスキ音楽の常連・プレイスネルも透明感のあるコーラス曲を披露。申し分ない内容なのだが、ただ一点、いつものキェシロフスキの鋭い人間観察がくもっている感があったのが、残念。初のフランス合作だけに少し、意気込んでしまったのかもしれない。 |
![]() |