デカローグ9 「ある孤独に関する物語」

僕の点数:4.8
見た日:2000.10.1

1988
Country: ポーランド
ドラマ
テレビ/ビデオで見た


キャスト
監督 クシシュトフ・キェシロフスキ
音楽 ズビグニェフ・プレイスネル
備考 デカローグ9:あなたは他人の妻をとってはならない
 医者であるロメクは不治の性的不能になっていた。彼は若い妻ハンカが浮気していないか心配で、盗聴などを繰り返す。しかし、彼自身、かつてはかなりの女と暮らしてきた男。けっして、現場に踏み出さず、じっと見ている。ついにハンカが、それに気づき・・・。
 「トリコロール 白の愛」とも共通する性的不能というテーマ。ロメクの苦悩が存分に映像で表現されていて、ガソリンチューブや自転車のシーンなど、やり過ぎではないかと思うほど。しかし、ハンカは決してロメクを捨てたわけではない。むしろ捨てられることを恐れている。最後に悲劇に持っていくのか?と思い気や意外にもハッピーエンド。キェシロフスキの意地悪な演出だ。男と女の悲しいサガを、コミカルとさえ言えるプロットで見つめる監督の視線は、実に温かい。
 ヴァン・デン・ブーデンマイヤー(この謎の作曲家は「トリコロール 青の愛」にも登場)の曲を歌いたいという、難病を抱えた少女のエピソードも挿入されており、彼女によってロメクは、幾分か癒される。

written by Hideto Miyai's "映画スタック"


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