シャンドライの恋
Besieged

僕の点数:5.0
見た日:2000.9.24

1999
Country: イタリア
サスペンス ドラマ


キャスト タンディ・ニュートン
デビッド・シューリス
監督 ベルナルド・ベルトルッチ
音楽
備考 ベルトルッチが久々にメガホンをとった意欲作。
 アフリカの正常不安定な国で、夫を捕らえられたシャンドライは、ピアニストのキンスキーのもとで住み込みで女中として働く。孤独なキンスキーはシャンドライに愛を告白するが・・・。
 ピアニストと女中、白人と黒人、独身男性と既婚女性、西洋とアフリカ、クラシックとアフリカンポップス、螺旋階段の上の階と下の階、この対立構造が面白い。特に、ピアノとアフリカのメロディが交錯するシーンは興味深い。また、シャンドライの少女のようなまなざしが忘れられない。
 監督自身が言うように、作風はウォン・カーウァイの影響を大きく受けている。しかし、この試みが見事である。一時、作風が低迷していた監督が、この100分程度の短い作品の中で、水を得た魚のように遊びに遊んでいるのだ。
 ウォン・カーウェイ映画には無いエレガントさやエロチシズムが、ベルトルッチのセンスによって、見事に表現されており、クォリティも坂本龍一&ヴィットリオ・ストラーロに助けられていた頃から、大きく脱皮している。
 大ざっぱに言うと、シェルタリングスカイとブエノスアイレスを足して2で割ったような作品。この作品によって、ベルトルッチは再び映画の最前線にたったといっても過言ではないだろう。一見の価値アリ。

written by "映画スタック"


リストへ