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アメリカン・ビューティー
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Rating: 5.0 Genre: ホラー ドラマ コメディー I watched : in Theater Country: 米国 |
Cast:
ケビン・スペイシー アネット・ベニング ソーラ・バーチ ウェス・ベントレー ミーナ・スパーリ ピーター・ギャラガー アリソン・ジャーニー クリス・クーパー Directed by: サム・メンデス Music: トーマス・ニューマン |
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Comment: ごく平凡に見える(?)アメリカの家族の崩壊をコメディタッチで描く大傑作。 男を捨てた演技のスペイシーと女を捨てた演技のベニングの演技合戦が見物。若い俳優の演技も演出が良いせいか、とても上手に見えた。特に新人のウェス・ベントレーの奇妙な存在感は印象的だった。監督のシビアでドライな演出がとても良い効果をもたらしているが、それ以上に素晴らしいのがこのストーリー。このスクリプトを書き上げたアラン・ボールの力量に感服した。ウッディ・アレンとも、ベルイマンとも異なる(アルモドバルに近いかな)、そのアイロニカルなタッチはこれまでのアメリカ映画になかったものだ。下手をすると、ベルイマンの「ある結婚の風景」のようなシリアスタッチになりかねないギリギリのところで、パッと笑いを挟む。このテンポのここち良さ。監督の絶妙の演出と相まって非常に楽しい映画となっている。オチについても、さらっと流すあたり、にくい演出である。このへん、シェークスピアなんかはお手の物のイギリス人監督らしい、余韻の残し方である。どことなく、キューブリック映画の雰囲気があった。パンフレットによれば、この監督もキューブリックの「博士の異常な愛情・・・」が好きなようで、なるほど、と思った。撮影もベテランの人であるらしく、また題材が「美(ビューティー)」だけに現代的ながらもきちっと撮っていて、映像がとてもきれいだった。 プロットの持っていき方自体はとてもオーソドックスだが、その分、名優達の演技を堪能できて良かった。音楽の入れ方も素晴らしい。 過去のアカデミー賞受賞作の中でも特に好きな作品である。これのバイタリティの前では「普通の人々」もかすんで見える。アメリカ映画を改めて見直させてくれるありがたい映画だった。 |
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