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キャラクター 孤独な人の肖像     1998

 

 

Rating: 5.0

Genre: サスペンス ドラマ

I watched : in Theater

Country: オランダ

Cast:

Directed by:

Music:

Comment:
 久しぶりに見た重い映画だった。オランダ映画というと、あまり綺麗な女優が出ていない(オランダには美女がいない)とか、いう話しかきいたことがある。今回の映画は「男」を濃く描いた映画だが、ちゃんと女優も出てくる。やはり、顔だけを見ると、あまり綺麗とは言えない。しかし、監督の華麗なカメラワークの中では「Shall we ダンス?」の草刈民代の時のように綺麗に見える。そこで、カメラワークの話。とてつもなく、速いカメラワーク。オープニングから、すさまじい速さ。何か自分が映画の中にいる、と錯覚するほどである。そして、今にも割れそうな緊張感と強い引力を感じる現実感とが目に見えてくる。
 そして、ストーリーは単純なようで細かい。まず、短いシーンがあって、フラッシュバック。ただし、その短いシーンの意味がほとんど分からない。それでいて、速く、五感をふるわすようなすさまじい迫力が数分の中にたたき込まれている。一言で言えば、劇的なシーン。観客は「何事なのだ?」と思ってしまう。そこで、その謎を解こう解こうと、数時間後の状況を目を皿のようにして見る。しかし、読めてこない現実。このときに、既に観客は映画の中にとけ込んでしまっている。監督の罠にはまってしまっている。
 ポスターにもある、あの濃い男。何者なのだ?それは普通なら最後に持ってきそうなこと。が、始まってすぐに分かる。その意外性。そして、あの男のシーン。彼が映るシーンは何か彼を中心にして、画面がへこんでいくように錯覚する。すさまじい存在感。その存在感を効果的に伝える映画効果。シルエット。影。光。
 ラストのシーンでは主人公がただの語り部で、中心があの男にあることがわかる。
 久しぶりに完璧に映画的な映画を見た。こんな映画を見たのは「記憶の扉」以来だ!!五つ星!!

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