Cure

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　それぞれ別の犯人から起きるまったく同じ手口（胸に×の文字が入る）の犯罪。タクシーの運転手から小学校の先生、そして警官まで。精神病の妻を持つ刑事は息詰まりを感じていた。そんなとき、女の医者が起こした事件を機に不審な男を見つける。その男はそれぞれの加害者の関りを持っているはずなのだが、加害者はその記憶を失っている。真面目な刑事は妻に対するストレスの上この男に振り回される。刑事は何としてもこの男を逮捕しようとする。実はこの男は催眠術に詳しい元医学生であった。友達の精神科医には危ないと言われていたが、どこかで刑事もこの精神科医も洗脳されてしまう。だが、刑事は洗脳のされ方が少し違った・・・・
　脚本は一見して何も起きていないようにして、実は進行しているというテクニックが使われたり、サブリミナルを使い、心理描写をするなど、結構映像で遊んでいる。でも、それが鼻につくわけではなく、むしろ押さえ気味。暴力描写も生々しさを瞬間的に登場させることで成功している。長回しが多いが、その時によく登場する意味はないが緊張感を高めるシーンが、ありそうでない。ほとんどない、と言ったほうがいいのかもしれない。それが観客を引っ張っていこうとする力を弱めているような気がする。これが少し惜しいところ。
　ただし、近年の映画の中では「HANA-BI」と似て、日本映画じゃないような日本映画で、嬉しい。