キリング・フィールド

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　真実の物語。舞台は1975年のカンボジア。ジャーナリストのシドニー・シャンバーグはカンボジア人の記者ディス・プランとキャメラマンのロックオフと一緒に、アメリカがカンボジアに大量に武器を供給している事実を確かめようとしていた。しかしロン・ノルの軍隊が赤いクメールによって壊滅。75年4月プノンペンはついに解放されてしまう。病院に取材しにいった彼らは、戦争の残虐性を目の当たりにする。三人は脱出を試みるが、もう一息のところで、カンボジア人のプランは取り残されてしまう。
　ニューヨークに帰ってからも、シャンバーグはカンボジアに残したプランのことを後悔し、入国の出来ないカンボジアにいろいろ手を回して探すが、連絡がない。そのころプランはポルポト派の共産勢力のもと、飢えんばかりの悲惨な暮らしを余儀なくされていたのだ。さまざまな屈辱を受けながらも、ついにプランは川をつたって脱出を試みる。下流に出ると、そこには殺された人々の無残な死骸が山のように堆積していた。そこである村にたどり着き、その村長の家人として働くようになる。村長は虐殺に反対しており、プランに息子を国外へ脱出させて欲しいと頼んだ。プランは村長に教わったルートで、様々な苦労を経て、脱出に成功する。その朗報を聴いたシャンバーグは急いで駆け付けて、ついにプランと再会するのだった。
　感動の実話を、ドキュメンタリータッチでリアルに描く大作。ハイン・S・ニョールはもともと俳優でなく、カンボジアの医者で、プラン以上の辛酸をなめた人物だという。その迫真の演技は、どんなプロの俳優よりも素晴らしい。アカデミー助演男優賞を受賞した。しかし、彼は今年にはいって、何者かに殺されたという。まったくポルポトの残虐さには怒りを覚えずにはいられない。