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■超グラビア・アイドル来たる
撮影会へ行くのはもちろん写真を撮るためだ。しかし、同時にそのモデルさんと時間を過ごし、コミュニケーションを取り、なにかその空間を共有することに意味がある。それは、例えば、野球をTV観戦より球場へ行ったときの方が楽しいのと同じことだ。撮影という行為に臨場感を求め、感じること。それがいらないなら、人が撮った上手な写真を眺めるだけで十分満足だし、そのほうが圧倒的に安上がりなのだ。
インフォーカスという撮影会が大阪で立ち上がった。関西ではほとんどないアイドルモデルを主体とした撮影会だ。スポットで行われたり、個人的に行われたりすることはあったものの、組織だって定期的に行うのは初めてといっても過言ではないだろう。 今回はその第1回目ということで、夏目理緒さんが出演された。小生もファンなので伺うことにした。 彼女は2003年グラビアアイドル写真集売上2位を誇る、堂々たるグラビアアイドルの準女王。2004年はトップに踊り出るのではないかというほど。こんなビッグなモデルさんが大阪に来られるという事で気合いも入った。
■新しい撮影会形式
と思われがちだが、そこが有名アイドル撮影会の特徴だ。その12分も、4部出ればおよそ50分。え、3万円も金が要るだろうって?有名アイドル撮影会で1万円程度で満足する撮影ができると思う方がアマちゃん、というのが実際のようだ。それがアイドル撮影の常識、東京の常識だと。 確かにもしも40人が一斉にモデルにカメラを向けるよりは分けたほうがカメラマンひとりひとりに気を配りやすくて理論的だ。さらに、アイドルファンとポートレートカメラマンは基本的に撮影コンセプトが違うことをよく認識する必要がある。 小生のようなポートレート系のカメラマンは、基本的に作品の質が伴っていなければ満足できないタイプだ。しかし、アイドル系カメラマンはそこに極上のアイドルがいるだけで十分に満足できる人格を持ち合わせている。逆にポートレートカメラマンはそれほど質が高くなくとも、作品を作ろうとファインダーを覗き込むが、彼らはそれが極上でなければ満足できない。ある意味、まったく別次元の価値観を持ち合わせた人種と言えよう。そして、インフォーカスはそれに準じた形でアイドルカメラマン向けに企画されたものなのである。実際に、初めての撮影会にも関わらず、かなりの数のカメラマンが関東、名古屋から遠征してきていると思われたのである。
■大阪は質も求められる
アイドル系撮影会を例えるなら、美術館に来て超高級な絵画を見るに等しい。つまり、極めて高価な美術品を目の前で見ること自体に価値があると。一方で、キャンギャル系撮影会は公園でキャンバスを前に書かれた絵をさらに描いて仕上げする。そんなものなのである。高くても、一瞬でも価値ありと見る前者、自分で考え、手を加え、アレンジしながら価値を見出していく後者。どちらがよいかはその人の価値観なのである。
アイドル撮影は極めて裕福層カメラマン向けのイベントなのだ、という印象を強く持った今回の参加であった。大阪で成功させるなら、今回の彼女レベルのビッグネームをしばらくは我慢して連れて来ないと、あっという間に大阪の普通のカメラマンはひいていくだろう。なにせ割高感が強い。その理由がいかに納得のいく理論的なものであれ、やはり割高なのだ。それに代わる価値観を与え、そんな金額の払えるカメラマンを常連客として掴むことができれば、大阪で行う意味はある。もっとお金のある大阪のアイドル系カメラマンはとっくの昔に毎週のように東京へ遠征しているとのことだし、そのあたりは事業として微妙な線であろう。
夏目さんはさすがトップグラビアアイドル。超かわいかった。小生のような小銭稼ぎには到底4部通しなど無理だが、いずれまた撮れる日が来ることを切に願いたいものである。インフォーカスという撮影会も、関西では貴重な存在ということで、是非頑張ってサービスの徹底をし、生き残っていただきたい。 スタッフは、慣れていない性もあるのか、接客態度にはかなり違和感があった。商売精神が根底にある関西は、お客様に対する態度が悪いとあっという間に人気を失う。モデルの質と撮影会自体の質は別と考えるのだ。東京の甘いサービス精神では到底太刀打ちできないのことを念頭に活動していただきたい。 それにしても、東京という土地はそんなに給料がよいのだろうか・・・。小生も探そうかなぁ。 ※これらはあくまでも筆者の価値観でのレビューであることをご理解ください。是非一度参加されて体験されてご自身で評価ください。 |