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デジカメの耐久性と補償問題
■シャッターユニットの寿命と・・・  
 D60を購入したのが昨年の8月半ば。それから1年も経たないうちに故障。持ち込むとシャッターユニットの寿命が来ていると。で、耐久が3万回とのことで、実費による交換を強いられてしまった。シャッターユニットは消耗品で、補償は効かないのである。ということは説明書には書かれているのだろうか?また、販売の時にはその主旨の説明がなされているのだろうか。  
 実は小生とほぼ同時に購入した知り合いも全く同様のトラブル。さらに同じ撮影会に参加していた知り合いもほぼ同様のトラブルが発生していた。さらに、以前買ったD30もまったく同じ症状。カメラのシャッター耐久性に疑問をもたざるを得ないのが実態だ。  
 ちなみにD30は2万2千回との噂が流れていたが、最新の10Dはおそらく3万2000回前後であろう。性能を向上させつつ普及品として作っている(ガンダムで言えばザクの性能を向上させて量産型にしたドムみたいなもの)から、そんなところが精一杯だと言うのか?数年後、回数を重ねてそこまで使ったら、シャッターユニットを変えようと思うか?デジタルカメラは今や高価な使い捨てカメラとなってしまったのだろうか。  


 使い方やグレードによって購入する機種を選択するのは当然なのだが、たとえグレードの高い使い方をするユーザーでも、高いグレードの製品を買えるかといえば、それは否である。カメラを仕事として使えるのであれば、それを利益獲得のための道具として投資することはできるが、趣味として使う部分においてはそれも難しい。となるとグレードの低いものをヘビーに使わざるを得ないというジレンマが生まれる。また、グレードの高い商品と低い商品の間の製品がない。例えば10Dはエンドユーザー向けのグレードであるが、その上のグレードとなるとEOS1Dsとなる。値段にして60万円以上の違い(本体のみでの比較)。これはあまりに酷いだろう。無論、部品の耐久度も大幅に違うであろうが、この価格差ではよほどなヘビーユーザーで金銭面で余裕がない限り購入しようがないだろう。
 性能という部分ではEOS1Dsほど欲しなくても、耐久性などではそれくらいのものが欲しいというユーザーもいるはずだから、今後、その間を埋めるような製品が登場するかどうかを注目する必要がある。とはいえ、日進月歩、いや秒進分歩とまで言われるデジカメ市場において、製品ラインナップを増やすということは、余計な在庫を抱える原因にもなるので、慎重に考える必要もあるだろう。昨日までは好調に売れていても、今日からは他の機種に圧倒されてさっぱり売れなくなるという厳しい現実も存在するから難しいところである。  

■コンパクトデジカメはどうなるのか  
 近年、フィルム型のカメラと比べても圧倒的に販売数を増やしているコンパクトデジカメ。用途も広がり、携帯電話のカメラ機能との競争もあり、難しいところだが、コンパクトデジカメの場合にはシャッターユニット(シャッターを押す部品かな)の耐久性はせいぜい1万回程度と思われる。コンパクトデジカメをヘビーに使うというのもあまり聞かないが、1年もすればまた違う機種が欲しくなるから耐久性の低いものでも全然問題ないということになるかもしれない。  
 それよりも落としたときのショックに対する耐久性や、いろいろな外部装飾部分での剥離を防止するなど、また違ったケアが必要になるのだろう。コンパクトデジカメはその点で売りやすく、アフターケアも比較的楽な商品であり、各メーカーもドル箱製品として力を入れたくなるのもうなづけるというものである。が、なんだかんだと理由をつけて買い替えを促し、まるで使い捨てカメラのような扱い。メモリの規格も落ち着いたかと思えば新しいモノが登場するなど、壊れる前に買い換えるというなんとも環境の時代に逆行する製品となっている。耐久性というよりも商品寿命の短さを問題視する方が先なのかもしれない。これは一眼レフデジカメにも同様のことが言えるだろう。

■来るべきEOSデジタルの新製品では・・・  
 近く発表があるであろうEOSデジタルの新製品では、シャッターユニットの強化も行って欲しいものである。一眼レフデジカメの場合、普通のフィルムのカメラに比べてシャッターを押す枚数がどうしても増えてしまいがち。それは、フィルムは押せば押しただけコストがかさんで行くのに比べて、デジカメの場合にはコンパクトフラッシュの容量があればあるだけ無料で押せるからである。  
 写真の好きな人であれば、その”たが”がはずれてしまえば必然的に大量の写真を撮ってしまうわけで、それは好きである限り仕方のないことである。その日に撮影した枚数をわざわざ記録して、計算しながら3万回というリミットにびくびくしながら撮影をしなければならないなんて、怖くて仕方ない。もちろん、カメラの調子を日々チェックするのは大切なことではあるし、その手間を掛ける価値はあるとは思う。筆者もエクセルなどを使ってチェックしていきたいと考えてはいるが、それのできるユーザーはごく一部に過ぎない。カメラメーカーとして製品の性格と使う人の気持ちを配慮できなければ、どんなに素晴らしい製品とて自然に人の心は離れていくというもの。そんなケアまでしっかり製品に組み込むことこそ、これから長期間支持を受けていくことのできるメーカーとなれるのではないだろうか。  
 小生としても今すらフィルムにもどるわけにはいかない。フィルムのよさはある程度理解しているつもりだから、併用はするが、やはりデジタルカメラが利用の中心となる。携帯と同様、産業廃棄物の象徴とならないよう、メーカーは配慮をしてほしいものである。

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