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どうなるD60の在庫商品?中古商品。D30はなんぼ?

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EOS10D勝手にスペックレビュー

■ついに発表EOS10D  
 EOS10という響きに懐かしさを感じる方も多いのではないだろうか。そして、それに”D”という文字がついた瞬間、ちょうど12年の年月を超える。それが発売されたのは1990年。干支を一回りした奇しくも同じ3月発売。それは性能を高めたコンシューマ向けのフラッグシップ機としてそのバランスのよさにヒット商品となることを約束されていたモデルでもあった。  
このEOS10Dその名を継承するかのようにデジタル一眼レフへ移行する時代のフラッグシップ機として、性能とバランス、そしてコストパフォーマンスに長けた機種として、今、デフレ不況の中で光を与えるようにヒット商品へと登りつめる宿命付けられたカメラのように思えてくる。  

■画素数の是非
  性能の詳細はキャノンEOS10D Specail Siteをご覧頂くとして、筆者の切り口としての注目点を挙げていきたい。
  まず、画素数を630万画素としたこと。実は、フラッグシップ機としての今の画素数の限界ではないか、と考えていた限界点がここで、もしもこれが1000万画素になれば、これを購入する多くのバイヤーが同時にパソコンを買い換えなければならないだろう。すれば、総合的な出費を考えてD60の在庫品や中古商品へと流れる可能性が高い。630万画素なら現在最新型のパソコンでなくとも画像編集に関して大きな負担とはならないはずだ。     


 このEOS10Dが目指すのは、D30やD60からの買い替え組みではなく、高級デジカメユーザーおよびフィルムタイプの一眼レフユーザーで、年齢で言うなら団塊ジュニアの世代あたりと筆者は予想している。コンパクトカメラが、値段は少し高いがファッション性などを重視して30代の女性をターゲットにした機種だけが成功していることを読むと、どの世代、どのターゲットに絞っているか、という点でこのあたりではないだろうか。したがって画素数に関してはそれほど大きなステップアップは必要ないというのがキヤノン側の見解であったのだろう。それよりも、初心者ではないにしても一眼レフにこれから慣れていきたいと思われる団塊ジュニア世代の初心者に近いユーザーを重視したスペックとなっている。マグネシウム合金を利用しながらD60よりも10gしか重くなっていないところのに現れている。これは、カメラに高級感を与えるだけが目的ではなく、安心感を生み出すための配慮もある、最近の安心志向に基づくものと筆者は考察する。      

  ■改良に次ぐ改良
  EOS10D自身は一眼レフ初心者や新規購入者のみを対象に設計されたわけではない。もちろん、EOS10D自身は現在のフィルムユーザーをデジカメに置き換えていく起爆剤になることは間違いないが、これまでD30、D60を使ってきたユーザーが思いつづけてきた不満点なども多く改良されている。
  AFの高速化と7点測距、ホワイトバランス設定を細かく調整できる点。拡大ズームの機能が大幅に改善された点、Adobe RGBに対応した点、そしてISO3200対応。夜景の好きの筆者としてはとても羨ましいところ。どれが一番重要かはそれぞれのユーザーによって、使い方によって違うと思うが、ホワイトバランスに関しては調整が細かく効く分、あきらめもつかず、一枚一枚必至に変えてしまうかもしれない。まわりを見るとみんな液晶モニターとにらめっこ・・・なんて笑えないだろうが。    


 ところで、今回採用された7点測距は機能的に評価したいが、実際に精度はどの程度なのだろうか。現在、筆者はそれが不安なので、D60は中央の測距点を使っている。このあたりは他の使用レビューで確かめたいと思う。また、AFの高速化はどれくらいD60より進歩しているのか。ISOによるノイズの程度。できればISO800程度の画質がかなり向上していると、筆者的に触手が伸びてしまいそうだ。  

  ■買い換える?買い換えない?  
 おそらく多くのユーザーの悩みがこれであろう。筆者もすでにD60ユーザーだけに、この命題にはこれから最低1年は悩まされることになろう。D30ユーザーならすぐに予約を入れてでも買い替えは絶対と言えるが、一方でD60ユーザーにとってはたいへん悩ましいところだろう。それぞれに改良が進んでおり、確実に進歩している部分を考慮すると、値段が少しこなれた時点で購入するのが吉か?
  D60を下取りに出す手法が一般的だが、10Dの値段が安いため下取り価格も叩かれる可能性が高い、と同時にしばらくはD60の新品在庫が市場をにぎわすことになる。いよいよ売りにくいところだ。3ヶ月カメラを我慢できるなら、昨年末あたりに売ってしまっていれば、かなりお得だったのかもしれない。そのあたりは各個人の戦略だが、筆者はあまりうまい方ではない・・・。また、キットなしの価格がこれまでと同じように2万円安いなら、D60を予備機にしてしまうことも考えられる。   


   D60ユーザーとしては減価償却という概念を持っておられる方なら購入に走る可能性が高いだろう。つまり、昨年末から使いつづけ、月にローンで2〜3万円ずつ返したと考えれば、すでに減価償却は終わっており、機能が向上して価格も安くなった10Dならペイすると。リース販売的な「購入サイクルに乗ったユーザー」と言えよう。ハイエンドユーザーならシャッターユニットの交換で2万5000円程度は掛かると考えれば、キットなしの2万円とあわせて4万5000円10Dを買うと節約できる。とすれば、これは大いに買いか。下取りに出しても十分元が取れてしまう。ただし、シャッターユニットの寿命が近いものを売るのは少し気が引けるかもしれない。が、これは下取り店側の判断だから、気にするひつようはないと思う。    
とはいえ、この手の手法を使った場合には、大抵大幅に納期を待たされるので、さらに予備機のある方向けの手かもしれない。    

  ■その他気づいた点  
 いきなり表示言語が12ヶ国語になっている。D60では日本語、英語、ドイツ語、フランス語の4ヶ国語だった。スペイン語や中国語が追加されているのは、市場的に納得できるが、ノルウェー語やデンマーク語、フィンランド語が追加されているのには驚いた。それだけ北欧ヨーロッパ語圏に好評だということなのだろう。そう、イタリア語とオランダ語も追加されている。個人的にはハングル語がないのは残念である。なにせ母国のお隣の国なのだから、配慮してもいいのかなと思ってしまう。  


ちょっと疑問な点もいくつかある。ひとつはダイレクトプリント機能。これはあまり意味がない。なぜなら、コンパクトカメラユーザーならともかく、一眼レフユーザーはまず色やピント、画角などを丹念に調整してそれからプリントを行う方がほとんどであり、パソコンを経由したプリントが一般的だからだ。もっとも、EXIFの協会や業界などからの要望や指針に沿った機能追加であろうから、仕方ない部分もあろうか。
 残念な点もいくつかある。USBのバージョンが1.1のままであること。これによって、外部ハードディスクに直で接続してといったEOS1D系的な使い方はできないということになる。FAT32にきっちり対応しているので、今秋発売予定の4Gマイクロドライブを使うことが可能だ。また、測光ではスポット測光に対応していないこと。ポートレート撮影などでは重宝するので、残念だ。焦点距離も35mmの1.6倍と変わりないが、こちらは広角レンズが次々に発売されているので、こちらで対応ということなのだろう。  

  ■誰もが買い!の秀逸一眼デジカメ
 時代にフィットする、バランスをしっかりとわきまえた機種であり、それでいて値段も20万円以内と現在のパソコンの売れ筋金額と同等にまでなったことは賞賛に値するといっても過言ではない。今後、商品の奪い合いになると思われるが、筆者は比較的に大量生産をすでに行う体制が整っており、半受注生産状態のEOS1Ds的な混乱はないと考えている。とはいえ、早くD60を売って10Dを予約するのがベターであることに変わりはない。何より記号が数字の後に来たということ。これはキヤノンがこのタイプのデジカメに対して本気になった?筆者はD60を使いつづける覚悟ができているので静観するが、買い替えのお金すらないから逆に落ち着いていられる。なんだか嬉しいやら哀しいやら、ふすまからの隙間風が身にしみる。筆者の色温度は下がりっぱなしだったするのである。  

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