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ちょっと待って、バッテリー駆動時に500Mの転送もままならない?それでは使い物にならない?最低、外部バッテリーを付けられるようにしないと外部メディアとして無意味でしょう。
■祝MD復活?  
Hitachi Global Storage Technologiesから一眼レフデジタルカメラユーザー待望の4Gのマイクロドライブ(以後MD)が今年秋に発売されるとの発表があった。  
発表のニュースリリース  
MDといえば、昨年の秋に2Gタイプが出ると言われていたが、残念ながら実現には至らなかった。それだけに、今回の4G発表は衝撃的。これにより、  前項(1/4分)に書いた不安が払拭されるのかもしれない。  
 小生が持っているD60でファインJPEGで撮るとISO100で450枚くらい撮れるが、スタジオ撮影などを行うと、あっという間になくなってしまう。そのため2枚買って(実は予備でもある)、  交互に使ってる。本来は1Gとはいえ、2,3年もすれば、同じ価格で数倍のメディアが登場し、それは使わなくなってしまうことがわかっているため、たくさんは買いたくないというのが本音。そして、  ここに4GのMDが登場。実は、「もしかしてMDというメディアはなくなってしまうのでは?」なんて不安に思っていた。


  以前、ニュースで日立がIBMのハードディスク部門を買ったという報道があったことはおぼろげに覚えていたが、こういう形で表舞台に立ってくるというのは予想できなかった。まずは祝MD復活といったところだろうか。

■一石二鳥の戦略

 さて、日立はこのIBMのHDD部門買取りをどのような視点で行ったのか。同社にも多くの部門と派閥が存在するため、ひとつの部門、部署のメリットのためにこのような大型の買収を行えるとは思い難い。 さらに、できた同社を完全な子会社にする念の入れようだから、その意味では多くの部分で各部門、部署の利害が一致したということなのだろう。まるで政治の永田町での水面下のできごとのような顛末が会社の内部で行われているのかもしれない。


 では、どんなメリットがあるのか。ひとつは単純に次世代ハードディスクの技術を手にすることができるということ。同社もかなり力をもっているとはいえ、開発費は膨大だ。低価格のハードディスクはすでに中国を始め、東南アジアなどコストの低い国での生産が軌道に乗っており、利益はあがらない。日本国内で生産しても利益の出るハードディスクを生産する必要性があったのだ。IBMとすれば、技術を手放したとしても、HDD自身の生産の拠点はすでに海外であり、利益の出る部分ではないわけだから、特に自社に抱える必要性は小さいと考えてもよかった。
 もうひとつのメリットは、完全に取り残されたデジタルカメラの分野において、MDというメディアを独占し、そのメディアに同社のマークと名前を付け加えることにより、その存在をアピールし、多方面に影響力を及ぼすことができるかもしれないという可能性を模索したもの。すでに、同社がデジカメを開発して販売することは考えにくいが、OEMの形でなんらかの市場参入がMDと同時進行で行われる可能性が高いと小生は考えている。


 それは、デジタルカメラという分野での日立復活を演出するもので、今のところ表立って手を打てていない東芝やNECと比べれば、より意欲的な行動である。とにもかくにも、デジタルカメラのIT分野での重要性はますます拡大しており、携帯電話のカメラ機能に対抗するという部分でも、より一層の技術進歩へ向けて舵を取っていかなければならない現状を考えれば、早く手を打たなければ、デジカメという分野において脱落したメーカーはIT分野で脱落してしまったという印象を多くのユーザーに植え付けられてしまうことになる。そして、記憶ストレージはその中核を担うパーツであり、日立の選択は極めて賢明であると言えよう。
ただ、DVテープの代わりに1GのMDを使用するような、安易な製品を自社開発で出すようながっかりなミスは犯して欲しくないものだ。容量が大きくなったからといって、それが自社の技術だからといって、なんにも捻らずに製品作りを行えば、笑いも取れず落ちもない面白くない漫才のようになってしまう。出すならば、「容量が大きくなるということは、こういうことなのか」と唸らせてくれるような製品開発をしなければならないだろう。でなければ、秋にかけて徐々に上がるであろう株価も一気に奈落の底へ落ちていくことになる。あとはちゃんとマーケティングは他社に任せること。つまり、作った製品はOEM販売させることがもっともベターな選択だ。

■どう使うか、このMD
 さて、前回(1/4)分にも書いたとおり、たとえどんなに価格がこなれてこようとも、メディアをたくさん持つことはベターでない、と論じた。それは、少し前述したが、メディアは、より大きなものが出てしまうと使いようのないものになってしまうという宿命を持つことになるからだ。たとえば、現在D60のJPEG保存なら1Gで十分に対応できるが、EOS1Dsでその倍、その次はその倍と考えると約1年半後にはお蔵入り確実。1600万画素あたりが有望なのだろうが、そうなると最低今回出る4Gは必要になってこよう。
 で、あるから、これまで1Gのメディアを3枚、4枚と買い足すのは、将来展望を考えるとベターではないのである。とはいえ、現在の環境で撮影して、一拍を置く暇もなく2G、3Gと使ってしまうのなら、それは買わざるを得ないので、どれだけ持つ必要があるかはユーザーによる。今回の4Gとなれば、そんなヘビーユーザーも残り容量を気にせず撮れるということになるだろう。  


  それは今秋発売される4Gにおいても同じこと。1Dsだと2,3枚欲しくなるところだが、我慢して、外部メディア活用を考えること。例えば、同時発表された1.8インチで40Gサイズのハードディスクを使った外部記憶装置の登場を待つ。1DsならIEEE1394が装備されているので、実装して使用することも可能だろう。転送スピードに問題があるなら、とりあえず内部メディアに記憶させ、ボタンひとつ、もしくは自動的に外部に転送するような機構を持たせた製品の開発も進められると思われる。


  視点を変えれば、なにも最新の1.8インチでなくとも、2.5インチで安い外部メディアでもよい。極端に小型化する必要もない。使うのはほとんど男だし、レンズの方がよほど大きい。ただ、同様の製品はかなり存在するが、満足するものがひとつもないのはどういうことなのか。周辺機器メーカーの視点は狂っているのか?相談ならいつでもお受けしよう(笑)。
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