小惑星のよる恒星食の予報

 ヨーロッパで見られる食についての情報はこのリンク EAON (ヨーロッパ小惑星食ネットワーク)で得られます。

他の EAON のページ。ポルトガル。(しかし生データの多くは、ポルトガル語を知らなくても分かります)

R.A.S.N.Z.(ニュージーランド王立天文協会)掩蔽セクションのウェブサイトは、オーストラリアとニュージーランドでのイベントの良いデータを持っています。

以下は日本で見られる小惑星による恒星食の個々の予報と結果です。
注意:この予報はチコとヒッパルコス星表で作ったものです。(ProjectPlutoのWebにはさらにACT(天体写真カタログ/チコ) last-minute astrometry (LMA)を組み合わせた、より精度の高いものが掲載されています。新しいカタログと LMA で精度はかなり高いものになり、外れた場合でも経路の幅の半分以下でしょう。それ以上の時は、予報できる範囲以外のものでしょう。例えば来年のものとか。)

予報

  • テチスがニューギニアや、アフリカ南方を通る(10月29日)
  • 3200 パエトンがアラスカのケベックを通る(11月17日)
  • 1172 アエネアスが合衆国中部を通る(7月23日)
  • 226 ベーリンギアが南アフリカの海岸を通る(6月28日)
  • 結果:

  • 705 エリニミア、ニュージーランドとタスマニアでの結果(5月31日)
  • 276 アデルヘイド、ヨーロッパでの結果(5月14日)
  • 578 ハッペリア、東ヨーロッパでの結果(3月26日)
  • 39 ラエティティア、南ヨーロッパでの結果(3月21日)
  • 275 サピエンティア、カナダ南西部、合衆国北東部での結果(3月19日)
  • テチスがニューギニアや、たぶん南アフリカを通る(10月29日)

     Gordon Garradd 氏がこの、6.6等星、SAO 110214 = PPM 145101 = HD 11640 が土星の衛星テチス(10.0等)により食されると知らせてくれました。 テチスはこの時、土星から 45" の位置にあります。予報は、この図の通りで、 経路は、18:31 UT にニューギニア、そして18:38 UT にアフリカの南海岸沖を通ると予報されています。 最大の経過時間は40秒です。

     この経路は、ほとんど合っていることでしょう。テチスの視直径は17秒で、予測される誤差(ほとんどがテチスの推算エラー)は 0.1秒ほどです。 ですので、南アフリカや北オーストラリアの人々は、この幸運にもこのイベントを見ることができるでしょう。

    3200 Phaeton across Quebec, Alaska (17 November)

    The question came up on the Minor Planet Mailing List as to whether it might be possible to observe an occultation by 3200 Phaeton. I did a search and found a series of occultations of mag 11.9 stars (in other words, nothing worthwhile) and then found that, at roughly 9:53 UT on 17 November, Phaeton (then at mag 17.7) will occult the magnitude 7.15 star HIP 14234 = SAO 56114 = PPM 68047. The path can be seen on this chart .

    I consider this to be an exercise in theory only. Notice how small the path (really, the asteroid) is. Even with last-minute astrometry , the error margin will be a few path widths. The duration will be a fraction of a second. It's too bad, since Phaeton is an interesting object... but I'm not betting the ranch on this event being seen by anyone.

    1172 Äneas across central United States(23 July)

    David Dunham of IOTA has pointed out this event. At roughly 8:18 UT on 23 July, the (Trojan) asteroid 1172 Äneas (magnitude 14.8) will occult the star GSC 5153 500 (magnitude 11.2). The maximum duration should be about 10 seconds. As is shown on this chart of the occultation path , the event should be visible from a large chunk of the United States. It will start at about 8:17 on the East Coast, reaching California about three minutes later.

    The above path is quite uncertain, since there is no last-minute astrometry for the event. But a chart should be available at the above IOTA Web site, in the "Upcoming Events" section, in the next few days.

    Dunham also mentions: "Observations will be valuable, since only one other occultation by a Trojan asteroid has ever been observed."

    226 Weringia off coast of S Africa, 28 June

    Danie Overbeek of Cape Town in South Africa pointed out this possible occultation. At roughly 19:58 UT on 28 June, the asteroid 226 Weringia (magnitude 12.5) would occult the star HIP 96483, better known as Kappa Aquilae. The maximum duration should be about 5 seconds.

    Gordon Garradd got twelve CCD images of this asteroid on 26 June, resulting in this chart showing the occultation path . Unfortunately, the shift puts the occultation path out into the water.

    The hope that this shift is erroneous is not very strong; Gordon's astrometry was quite good, and the residuals were extremely consistent. Observers in South Africa might attempt this "long shot" anyway, though. It's true that the chances for success are small. But one could observe this event with the naked eye (or, preferably, binoculars); no elaborate setup is needed, and one need not venture out in the small hours to look for it. Such opportunities are rare indeed.

    (705)エルミニアによる食、5月31日

     小惑星705番エルミニア(13.2等)が、5月31日に PPM 291481(8.79等)を隠すと予報されました。 Gordon Garradd 氏は5月24日に8個の小惑星の位置を得ました。残差は全く無い様に見え、この図にあるように経路はニュージーランドの中央を通ると結論されました。

     Gordon 氏はまた、5月30日にもいくつかの測定データを得ました。しかしこれから私がチャートを作るのに時間がありませんでした。一度は間に合いました。このチャートは5月30日の1個の観測に依ったものです。

     そうこうしているうちに、RASNZ 掩蔽セクションの Graham Blow 氏がこのイベントのニュージーランドでの観測を届けてくれました。3人の観測者が成功しました。Hasting の Keith Vincent 氏は12秒、Palmerston North の Noel Munford 氏は7.4秒の食を観測しました。3人目の Palmerston North の観測者も食を見ましたが、時間は分かりませんでした。どちらの場所も、5月30日の天文測位によるチャートに示されていました。

     Graham 氏は、このデータから小惑星の直径が求められることを指摘しました。予報された経路の幅は、IRAS(赤外天文衛星)で測定された直径139kmによっていました。Guideのチャートをじろじろ見て、私はこの食から得られる大きさはすこし小さいものであろうと見積もりました。しかし二つの観測は経路の北の縁にあり、測定には不足でした。しかし観測から、小惑星はやや「ジャガイモのような形」をしていると考えられます。

    (276)アデルヘイドによる食、5月14日

     Frank Leiter 氏は小惑星276番アデルフェイド(13.3等)が5月14日20:54 UT に9.34等星 SAO 139575 = PPM 196915 を隠すと指摘しました。このチャートが示すように、経路はイタリアの一部、オランダ、ドイツ、そしてオーストリアを通っています。最大継続時間は10秒でした。

     Christophe Demeautis 氏は(276)アデルヘイドの天文測位データを送ってくれました。修正された予報はオリジナルと同じ経路になりました。しかし -55秒ずれていました(このことは、イベントはオリジナルの予報より55秒早く起こるということです)。

     数名がこのイベントの観測を試みました。しかし成功はありませんでした(好天にもかかわらず)。これは経路が予報よりやや西にずれていたのではないかと考えられます。

    (578)ハッペリアによる食、3月26日

     Frank Leiter 氏は、小惑星578番ハッペリア(15.1等)が3月26日21:30 UT に 9.08等星 SAO 78830 = PPM 96685 を隠すと指摘しました。オリジナルの予報はこのイベントがイギリスと西ヨーロッパの一列で見られるであろうと示しました。

     Gordon Garradd 氏の last-minute astrometry により、私は last-minute astrometry (LMA) ができました。(訳注:意味不明)これにより食の経路はこのチャートのようになり、経路はノルウェーと東ヨーロッパ、そして黒海を通り抜けるように「シフト」しました。

     このイベントはノルウェーで21:27:40 UT に見え、黒海に21:31:10 UT に到達すると予報されました。

     間もなく私は、このイベントの観測に成功したと Cracow と Tarnow の南から、そして見えなかったとワルシャワから報告を受けました。これからこのイベントは Guide の予報から経路幅の1/3西だったことが示されました。

    (39)ラエティティアによる食、3月21日

     98年3月21日の夕方早くに、6.76等星 V1386 Ori = SAO 95235 = PPM 121913 = HIP 28954 が11.5等の小惑星(39)ラエティティアに隠されます。Guideで作ったこのチャートが示すように、この食は19:01 UT頃にヨーロッパ南部で見られると予報されます。

    (あなたも Guide を使ってこれに似たチャートを作ることができます。"Go To" → "Asteroid" をし、39 Laetitia を指定し、これを右クリックします。次に"Go To" → "Star" → "SAO" で SAO 95235 を指定し、これを右クリックします。最後に "Extras" → "Show Eclipse" で経路を表示できます。)

     これはヒッパルコスの恒星で、完全な精密位置を利用しています。(ほとんどの食にはヒッパルコスのデータは使われておらず、私たちは新しいACT(天体測位/チコデータの利用を訴えています。このためこのページのように Guide は ACT をインポ−トするソフトウェアになりました。

     この食は Gordon Garradd 氏による天文測位を使って二度修正されました。一度目は経路を幅一分南に下げました。そして最後はその分北へ戻しました。

     実際のイベントはうまく観測されませんでした。イタリアに少なくとも5人観測者がいましたが、かれらの結果から実際の経路はチャートにあるより幅の半分北にあったようです。

    (275)サピエンティアによる食

     1998年3月19日に、小惑星275番サピエンティア(13.9等)が9.34等星 PPM 94539 = HD 245211 = GSC 1309 855 を、北アメリカと南カナダで隠しました。このイベントのチャートを見るにはここをクリックしてください

     この経路は始めはこれより南に予報されていました。しかし Gordon Garradd 氏による last-minute astrometric データから、大きくシフトされました。Gordon氏は3月17日に同じ結果の天文測位をしました。私は、このシフトの度合いをやや疑っていたのですが、認めざるを得ませんでした。しかしイベントはカルガリーの外、ここに示された経路の北の縁で観測されました。つまりこの経路の精度は確認されたのです。