ジュゼッペ・ディ・ステッファノ
Giuseppe di Stefano 1921-
●1953.1-2 ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」全曲
セラフィン/フィレンツェ五月音楽祭O
カラス、ステッファノ、ゴッビ [EMI]
●1953.3.24-30 ドニゼッティ「清教徒」全曲
セラフィン/ミラノ・スカラ座O
カラス、ステッファノ、パネライ、ロッシ=レメーニ [EMI]
●1953.6,8 マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」全曲
セラフィン/ミラノスカラ座O
カラス、ティコッツィ、カナリ、ステッファノ、パネライ [EMI]
●1954.6.12-17
セラフィン/ミラノスカラ座O レオンカヴァッロ「道化師」全曲
カラス、ステッファノ、モンティ、ゴッビ、パネライ [EMI]
●1954.8.10-21 プッチーニ「トスカ」全曲
サバータ/ミラノ・スカラ座O
カラス、ステッファノ、ゴッビ [EMI]
●1955.3.27 ヴェルディ「椿姫」全曲(スカラ座ライブ)
ジュリーニ/ミラノ・スカラ座O
カラス、ステッファノ、バスティアニーニ [EMI]
●1955.9.3-16 ヴェルディ「リゴレット」全曲
セラフィン/ミラノ・スカラ座O
カラス、ステッファノ、ゴッビ、ザッカリア [EMI]
●1955.9 ドニゼッティ「愛の妙薬」全曲
プラデッリ/フィレンツェ五月音楽祭O
ギューデン、ステッファノ、カペッキ、コレナ [LONDON]
●1958 ボーイト「メフィストーフェレ」抜粋
セラフィン/ローマ聖チェチーリア音学院O
テバルディ、ステッファノ、シェピ [LONDON]
録音途中ステッファノ急病のため急遽デルモナコで全曲再録音。
発売されなかったステッファノ録音部分。
●1962 プッチーニ「トスカ」全曲
カラヤン/VPO
プライス、ステッファノ、タデイ [DECCA]
●1967? レハール「微笑みの国」全曲
ランブレヒト/ヴィーン国立歌劇場O
グッダール、コッラー、ステッファノ、ホレチェク [PREISER 93144]
台詞は全てカット。歌のみ。
●ザ・ベスト・オブ・ナポリタン・ソング 20曲
1950年代 [EMI]
ステッファノと言えばナポリターナ。ナポリターナと言えばステッファノ。
何も言う事はありません。永遠のスタンダード。
●オペラ・アリア集 15曲
1955, 1958録音 [LONDON]
20年ほど以前の事になりますが、東京の上野にある某国立芸術大学で、ジュゼッペ・ディ・ステッファノの公開レッスンがありました。たまたま、声楽科の学生に知人がいましたので、頼み込んで見学させてもらいました。
ステッファノは1921年生まれのはずですから、当時55才位だったと思います。High-Cは出しませんでしたが、G位までは完全に出ます。まずその声量に驚きます。我々の普通の感覚とはちょっと違う、桁違いな響き方なのです。それが喉からではなく、もっと深いところから出ているのが非常に良くわかります。そしてレコードで良く知っていた、あのステッファノ特有の声の輝き。まったく衰えていません。
また、お手本として歌うアリアのほんの短いフレーズの、何と歌の情感に満ちていることか。彼のナポリターナは好きで良く聴いていましたので、あの情熱的な節回しのコーレングラートが頭の中で彷彿としてきます。本人がどこまで計算して歌っているかはわかりませんが、身体から自然にあふれ出て聴衆を納得させる音楽が、そこには確かに存在していました。
しかし、なによりも驚異的だったのは、そのブレスです。上着を脱ぐと吊りズボンでした。そしてブレスをした瞬間に会場からどよめきが上がりました。ズボンとの間にかなり隙間があると見えたそのウエストが、一瞬のうちに周囲全方向に膨れ上がり、まさにビヤ樽そのものの形になるのです。