たくさんの言葉がただ唱えられる夢・・・
知らない単語なんて無い。
ただ耳に響くだけだ。
誰の声かも解らない・・・
自分の声かもしれないし、誰か知った人の声かもしれないし、聞いたこともない声かもしれない・・・
ただ頭に虚しく響く・・・
そんな夢・・・




「うん・・・」
寝返りをうちながら時計を見る。
1:50・・・
「何でこんな時間に起きちまうんだよ・・・」
オレは布団からでる。
「よっこらせ・・・」
Tシャツの上からトレーナーを着て夜の街へと出る・・・


「いらっしゃいませ」
コンビニに入って、雑誌には目もくれずペットボトルのジュースを手に取る。
そしてそのままレジに直行する。
ピッ
「128円になります」
オレはポケットから130円を取り出して渡す。
「シールでよろしいでしょうか?」
オレは頷く。
2円のお釣りをもらってオレはさっさと外へ出る。


「さむ・・・」
この時間は寒くなってくる・・・
オレはふと帰り道で足を止める。
公園があった。
「・・・行くか?」
この公園は家へと帰る近道だが、夜は何が居るやら解らないので、怖くて通ったことがない。


「・・・寒いしぱっぱと通り過ぎてくか」
オレは早足で公園の中へと入っていった。


公園内は結構な林になっていて人がいくらでも隠れることが出来そうな茂みがある。
電灯はほとんど無い。
オレはその中をぶらぶらよたよた歩く。


公園の中程に来た頃だった・・・
ざっ!
「うわ!」
茂みの中から影が躍り出てきてオレは短く声を上げた。
「な、なんだ?」
影は俺の前にゆらりと立ち上がった。
どうやら人らしい。
・・・やばい
こんな時間に出てくるのは普通の人ではあるまい・・・
オレは・・・
そこに立ちすくんだ。
「・・・何か用か?」
その人に声をかけた。
暗くてどんな人物なのかは全く解らなかったが、
オレより背が小さいのは解る。

「ワタシハコレカラアナタオナグル・・・」

「何!?」
殴ると言ってきた・・・
こりゃ逃げた方がいいか?
そんなことを考えているとその人物はこんなことを言ってきた・・・
「アナタガワタシニカテタラアナタノイウコトヲナンデモキキマス・・・」
「!?」
オレは何が何やら解らなくて混乱した。
オレの目の前の人物は拳を顔まで上げて構えを取ったそのとき・・・
今まで雲に隠れていた月が顔を出し、辺りを照らした・・・


「な!?」
オレと対峙していた人物は少女だった・・・




ごぎ!
「ぐ!!」
オレの右肘に拳が当たった。
鈍い痛みが走る。
ついでにあの電流みたいな感覚も。
「や、止めろ!」
ぶん!
「うわ!」
目の前をつま先がかすめていった。
どうしてこんな目にあわにゃやならんのだ・・・
「よせ!」
こんなことならここを通るんじゃなかった・・・
ばん!!
「ぐぅ!!」
太股に足が当たった。
少女は容赦なくオレを襲う。
そして痛めつける。
このままじゃ危ない・・・どうする?
抵抗するか?
でも・・・
しかたない・・・


しゅ!
ぱしぃ!
オレは少女の拳を受け流す。
「・・・」
少女は続けて蹴りをオレに見舞うが・・・
オレは後ろに飛び退いて紙一重でかわす。
「・・・」
少女はさっきから無表情でオレに攻撃してくる・・・
しゅ!
ぱしぃ!
「くそ・・・」
これじゃらちがあかない・・・かといって・・・
そんなことを考えているときだった・・・
ずるっ!
「うわ!?」
オレは小石をふんずけてバランスを崩した。
少女はその隙を見逃さずにオレに攻撃をくわえる。

後のことは良く憶えてなかった・・・
気付いたら彼女の盆のくぼに手を当てていた。
「・・・あ」
彼女は気絶してそこに倒れ込んだ。
「・・・」




オレは程良い所にベンチを見つけて、そこに少女を横たわらせた。
「・・・」
しばらくして、気絶していた少女がゆっくりと目を開けた。
「大丈夫か?」
「・・・」
少女は不思議そうな顔をしながらゆっくりと頷く。
「なら良いんだ・・・ほんとに大丈夫か?ちょっと起きあがってくれ」
少女はまた頷き、ゆっくりと起きあがる。
「身体で変な感じがするとことかはないか?」
また声もなく頷く。
「・・・それでも少し休んでいな」
オレは少女の隣に座り先ほど買ったジュースを飲む。
「何でオレを襲ってきたんだ?」
とりあえず怒気をはらませつつきく。
「・・・誰でも」
「誰にでもこうしてるってことか?」
少女が頷いた。
「はぁ・・・何でまたこんなことを・・・」
「・・・殴りたいだけ」
「はぁ・・・」
何だかいままで興味本位で聞いていたのだが、ただのイッちゃってる人か・・・

くいくい・・・

オレの袖が引っ張られる。
少女がオレの袖を引っ張っていた。
「何だ?」
「・・・負けたから・・・何でも・・・」
「・・・ああ、そう言えばさっき言っていたな」
ずいぶん律儀だなと思って、少女の顔をのぞくと何だか怖がっているように見えた。
さっきの声も震えていたように思えた。
「・・・じゃあ」
ぴくんと少女がふるえる。
やっぱり怖がってる・・・

「もうこんなことは止めなよ」
俺は優しく少女に言った。

その後、オレは黙って地面を眺めていた。
ふいに少女が声を上げた。
「・・・明るい」
「ん?」
少女の方を見ると、少女は空を見ていた。
月が出ていた・・・
ちょっとだけ欠けている明るい月・・・
「満月では・・・ないのにな」
「・・・うん」
解らない程度に欠けている・・・
一目見ると完璧なお月様なのに・・・
ようく見ると何かがもう少しだけ足りなかった・・・

だがオレはこう言ってみる。
「綺麗だな・・・」
「うん」
嬉しそうに少女は言った。
オレも何だか嬉しかった。




オレはベンチから立ち上がった。
「じゃあな」
そのまま少女に背を向けて歩き出す。
「さっきは・・・ごめんな?」
ちょっとだけ立ち止まって言ってみる。
「うん・・・気にしてない」
「そうか」
オレは再び歩き出した。




明くる日・・・
オレはいつもの外へ出る準備をして、てくてくと歩いていく。
バイト先へ出かける。
店に着くと店主がすでに店内の掃除をしていた。
「お、いつも通り早いね」
「はは、店長殿には負けますよ」
この店はこの近辺では結構有名な喫茶店だ。
店内はこざっぱりと整理されていて、明るい感じだ。
学校帰りには学生たちがこぞって寄ってくる。
オレはここでバイトをしている。
「すぐ着替えて手伝います」
「ああ、頼むよ」
オレが奥で着替えようとしたとき
「ああ、そうそう、今日は貴行が入るからね」
「へぇ・・・」
貴行とはこの店長の17才の甥のことだ。
「今日から学生は休みにでも入るんですか?」
「ああ、北国はもう今日から冬休みだってさ」
「そうなんですか」
「駅についてすぐにここに来るらしいからそんときはまた面倒見てやってよ」
「はぁ、頑張ります」


その後、俺は着替えをすまし、店内の掃除をして、店長とたまに話しながら料理の作り方などを習った。
そして、午後になると客足が多くなったので、オレは仕事に励んだ。


「ふぅ・・・忙しい」
「お、先輩へたってますねぇ」
「おお、貴行じゃないか、久しぶりだな」
「ええ、すぐ着替えて入りますんでもうちょっと一人でやってて下さい」
「ああ、出来れば急いでくれ、一人じゃお客様を待たせてしまう」
「はい!」
貴行は元気いっぱいに答えて店の奥に行く。
貴行はすぐに着替えてきて手伝いだした。
仕事はてきぱきとこなすし、実に好青年だ。
ただ・・・
「先輩先輩」
「なんだ?」
「あの右奥の席に座ってる娘見て下さいよ」
「はぁ・・・それが?」
「かわいいッスよねぇ」
「はぁ・・・」
これさえなければなぁっと思うのだ。
「先輩〜、俺にあのこのオーダー任せて下さいよ〜」
「ああ・・・いいよ」
「じゃ、いってきまっす!」
まぁいいだろう、お客様もほとんどいない時間だし・・・

ちりん、ちりん・・・
店のドアに付けてある鈴が鳴った。
「いらっしゃいませ」
お客はすたすたと店の一番奥の方に歩いていった。
店内はがらがらなのにわざわざ窓もない一番奥へと・・・
貴行の方を見ると、何やら二人組の女の子たちと話し込んでいる始末だ。
オレは今来たお客の方へオーダーを聞きに行った。
「いらっしゃいませ・・・ごちゅうも・・・」
オレはとんでもないことに気付いてしまった。
このお客は、昨日公園でオレを襲ってきた少女だった・・・
「ご、ご注文は?」
少女はオレの顔を見ないでメニューに指を当てる。
「アイスコーヒーですね」
少女はこくんと頷く。
まだオレだと言うことに気付いていないようだ。
それよりこの時期にアイスコーヒーって・・・
まぁいい。
オレは居心地が悪かったのでさっさとオーダーのアイスコーヒーを入れてくることにした。
アイスコーヒーは程なく完成し、オレは貴行に持って行かせようと思ったが・・・まだ話し込んでる。
「・・・しかたない」
オレは早足でアイスコーヒーを持っていく。
テーブルにアイスコーヒーとミルクとシロップを置く。
「ごゆっくりしてください」
とりあえずそう言って去ろうと振り向いた瞬間・・・
くいくい・・・
袖が引っ張られる。
「は、はい?」
何だかまぬけな声で返事してしまった。
「あ・・・」
オレの顔を見て少女は昨日の人だと気付いたようだ。
「あ・・・あの・・・あ・・う」
「ど、どうかなされましたか?」
「オレは違う人だ」と言わんばかりにそう聞き返した。
「・・・シロップ・・・もう一個」
「あ、はい、かしこまりました」
オレはシロップを一つ持ってまた少女の所へ戻った。
「はい、シロップです」
「・・・どうも」
オレは今度こそ逃げ出した。
「ふぅ・・・」
オレは難からひとまず逃れてほっとする。


午後7:00・・・
そろそろ閉店だ。
「先輩、そろそろ閉店ですね」
「ああ」
「掃除終わったらあがりッスけど」
「・・・何かあるのか?」
「実は今回オレだけじゃなくてオレの姉も来る予定なんですよ・・・でも姉貴は浪人生で下宿場所に引っ越すことになったんす」
「・・・それで?」
「いやぁ・・・なんて言うか・・・」
「なんだ?」
「オレ、今日は姉貴に餌作って欲しいって頼まれてるんで・・・早く上がってもいいスか?」
「まぁそれならしょうがないな・・・今日はオレ一人で掃除するよ」
「ありがてぇッス」
「いいてことよ、待たせるのもなんだろ、早く帰りな」
「はい!」
こうしてオレは今日は一人で店の掃除をすることにした。
マスターはすでに明日の仕込みの準備をしていた。
とりあえず明日の朝にも掃除するので、モップがけだけだ。
「ぱっぱと終わらせるか・・・」
すいすいとモップを走らせ、テーブルと椅子の位置を整理していく。
しかしとんでもない大荷物を発見してしまった・・・
「すー・・・すー・・・」
「・・・」
一番奥の席で少女が寝息を立てていた。
まだ帰っていないことに気付かなかった・・・
「お客様・・・」
オレはゆさゆさと少女を揺らす。
「むにゅ・・・ちゅ・・・」
目を閉じたまま顔を上げる。
今まで気付かなかったが、片目がずっと髪で隠れていた。
こんな風に起きたときでも片目は髪で隠されて見えない。
でもそんなこと気にしている場合じゃない。
「もう閉店なのですが・・・」
「あ・・・」
ハッと目を開けて立ち上がる。
「ご、ごめんなさい・・・」
「いえ・・・」
「・・・すぐ、出る」
「あ、はい」
オレと少女はてくてくとレジまで歩く。
「210円になります」
ちゃりん、と財布から250円出してオレに渡す。
オレは40円を少女に渡す。
その40円を財布にしまって帰ろうとしたときオレはあることに気付く。
「あ・・・ちょっと待って」
「・・・うん?」
ぴくりと跳ね上がってオレの方を見る。
オレは少女に近づいてじっと顔を見てから、胸からハンカチを取り出す。
「・・・あ」
オレはちょいちょいっとハンカチで、少女の口元に付いたミルクを拭ってあげた。
多分アイスコーヒーを飲んでた時とかについたんだろう。
「はい、いいですよ」
「・・・」
何だか少女は照れているみたいだ。
「・・・ありがと」
照れながらもお礼を言ってくれた。
ちりんちりん・・・
少女は外へ出ていく。
「ありがとうございました」


そしてオレは掃除を終わらせてから、店長に一言挨拶をしてから家に戻ることにした・・・








あとがき
少女:・・・
青海:・・・何か言って下さいな(汗
主人公:ところで俺の名前は?
青海:さぁ・・・何が良い?
主人公:おい・・・何だそりゃ・・・
青海:まぁ次回にでも出すよ。
主人公:それで良いのか?
少女:・・・
主人公:ところでこの話って何なの?
青海:勢いで書いちゃった話し。とあるチャットで公言しちゃったのが運の尽き・・・いろいろあって書くことになりました。(涙
主人公:で、このあと(次回)はどうすんの?
青海:・・・さぁ?
主人公:・・・あえて何もいわんよ。ところでこの話のテーマみたいのはあるのか?
青海:とりあえずねぇっす。
主人公:やる気あんのか?
青海:YES!頑張って書くの〜!
主人公:おう、なら頑張ってくれ!
少女:また次回・・・
主人公:おう、あればな!
青海:・・・(さっきの激励は!?)


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