平成元年11月12日 良 20頭
1着 サンドピアレス 2:28.8 岸 滋彦 

単43,060
複,670  720  6,050

連3-7 8,460

2着 ヤマフリアル    1 村本義之  
3着 シンビクトリー    1/2 角田晃一 

  

  昭和45年に牡馬の菊花賞に匹敵する牝馬限定の競争を秋期に設定しようという意図から、京都競馬場で、距離2,400メートルの「ビクトリアカップ」が設けられた。5年後の50年に「エリザベス女王杯」と名前を変えて施行された。桜花賞、オークスとこのレースとで牝馬3冠と言われていたが、この3冠を成し遂げた馬は昭和61年のメジロラモーヌただ1頭だけであり、その難しさが伺える。
しかし、平成8年にこの「エリザベス女王杯」という名称は牝馬4歳のレースとしてではなく、古馬のレースとして改変された。従来の4歳牝馬のレースは2,000メートルのレースになり、「秋華賞」と改名された。

この年のエリザベス女王杯はまさしくこれが競馬と言われる典型的なレースだった。
強い馬が順当に勝つのも競馬。しかし人気薄の馬が「あっ」といわせるのも競馬。その後者の典型的なレースだったのです。
勝ち馬はサンドピアレス。なんと20頭中20番人気。全く人気がなかった馬が1着。
そして1番人気に指示されたシャダイカグラはレース途中で棄権。
連勝複式だけしかなかった時でしたので、同枠に人気馬がいたので、枠連は万馬券にならなかったが、馬連だったらいくらついていたでしょうか?単勝が43,060円という信じられない配当だったのです。

スタートしたときには波乱などかけらもないレースだった。
1番人気のシャダイカグラ(騎手武豊)はいいスタートをみせ、京都競馬場の2,400メートルのコースを淡々と進む。しかし事故は3コーナーから4コーナーにかかる向こう正面で起きた。
突然シャダイカグラがずるずると後退していったのです。騎手の武豊は下馬。
断然の1番人気馬が棄権。かつてない展開に、この後の結末が予想つかないまま、
直線に入ったのです。

逃げ馬が1ハロン手前でつぶれて、そこへ飛んできたのがサンドピアリス。
実況の杉本清が勝負服が分からず、一瞬絶句したのを覚えています。
実況のアナウンサーはすべての馬の勝負服を記憶し、レースの実況に備えるのですが、そこそこの人気馬と、それほど人気がない馬との認識度は違うのでしょう。
このレースで「あっと驚く サンドピアリス」という言葉ができたくらい印象深いレースでした。
この馬券取ったのかって? こんなレース取っていませんよ。