昭和62年12月27日 良 16頭
1着 メジロデュレン 2:33.9 村本義之

単2.410
複800 400 780

連4-4 16.300

2着  ユーワジェームス

1/2 
安田富男 
3着 ハシケンエルド  ハナ 飯田明弘 

  この頃の私の競馬への打ち込み方は尋常のものではなく、月曜日から週末に行われる
競馬の予想に掛かりきりであった。
週刊ケイバブックを買い、通勤の時間は競馬に費やす時間がほとんどでした。
そのような状況の中で、すべてのファクターが有馬記念は4枠と結論を出していた。
その時の私の馬券の買い方は、「前走の成績」、「持ちタイム」、「実績」などのファクターは全く無視し、
競馬界から出されるコマーシャル、乗り代わりの騎手、騎手の名前、調教師の名前、世の中の出来事、など
いろいろな要素を加味し、出馬表の中から穴馬を探し出す推理に没頭していました。
いわゆる「高本理論」と言う買い方です。
その買い方で、この有馬記念は4枠と結論づけてもいいと思いました。
競馬の話になると必ず有馬は4枠と豪語することができるくらいでした。
4枠を確信したのは前日の「中山大障害」で4枠の馬が落馬したことでした。
4枠には菊花賞馬で5歳馬のメジロデュレン。そして4歳馬のユーワジェームスが同居していました。
メジロデュレンはダービー馬のダイナガリバーを破って菊花賞を勝った馬ですが、その後勝ち星に恵まれず
10番人気の低い評価でした。鞍上は村本義之
ユーワジェームスはメリーナイスが勝ったダービーで4着となっているのが、目立つ程度で
やはり低い7番人気でした。鞍上は安田富男

人気していたのはダービー馬のメリーナイス、菊花賞馬のサクラスターオーなどでした。
暮れの中山の最大のレースというより日本競馬会最大のレース。実力馬が一同に揃って、
手に汗握るレースを毎年繰り広げていました。

しかしゲートが開いてまもなく2番人気のメリーナイスが落馬をする、波乱を告げるかのような
幕開けでした。その波乱はレース途中にも訪れます。
なんとサクラスターオーが3コーナー回ったところで、競争中止です。
一体何が勝つのか?2着は何なのか?
直線に向いても何が来るのか皆目分かりません。抜け出したのは飯田明弘が乗るハシケンエルド
そして内をついて狙い通りのユーワジェームス。これで連複は1-4 8,000円程度の馬券でした。
もちろん持っていました。「そのまま、そのまま」と絶叫です。
ハシケンエルドを交わしてユーワジェームスが抜け出します。もう何が来ても馬券は貰ったも同然でした。
それもほとんどが万馬券に近い数字をオッズは示していました。
坂を上りきり1-4で決まりかけたときに、また青い帽子がぐいぐいと出て来るではありませんか。
一瞬ユーワジェームスと間違えていました。メジロデュレンが外から飛んできていたのです。
4枠が来ると豪語していましたので、ほとんど4枠からの流し馬券を持っていました。
しかし、しかし4-4のぞろ目馬券だけは持っていませんでした。
ゴールした瞬間はきっちりメジロデュレンがユーワジェームスを差しきり、見事なぞろ目でした。

連複16.300円

気力が萎えてしばらくふぬけのようにボーとしていたことを未だに覚えています。