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「The Eternal which you desire.」 第一章 茜の決意

  〜 プロローグ 〜

 俺はなぜここにいる・・・。
 今なら、ここを出ることもできるのに・・・。

 いいえ、私は行かない・・。だって心が染まってしまったから。

 俺は、まだ俺のはずだ・・・。決して染まってなど・・・。

 いいえ、私はもう染まってしまった。だから出て行けない。出て行くなど考えられない。
 
 出て行くならば急がなければ。そうでなければ、帰ってきてしまう、あれが・・・・

 急がなければならない、心が完全染まってしまう前に・・心が壊れてしまわない内に。

 もう遅いわ・・。私は・・・私は・・・もう・・あれなしでは生きていけない。
 もう上をつけた時点であきらめたはず・・何を考えることがあるの?

 いや、まだ下がある。まだ下までとってはいない。だからまだ戻れるはずだ・・。

 いまさら、何の未練があるというの・・。ほら、階段の音が聞こえてきたわ・・。

 嫌だ・・、早く、逃げなければ、早く!!

 もう駄目よ・・。あのドアが開けば今日も沢山可愛がってもらえるわ。いつもどおりに・・。そして、心は染まっていく・・・。

 もう俺は駄目なのか・・。遥・・水月・・茜ちゃん・・。ごめん・・・。

 さあ、ドアが開いたわ。そして私・・俺は・・私は・・・・マナマナの虜になる・・。

 〜 第一章 茜の決意 〜

 やっと・・みつけた・・。
 茜は、決意を込めた瞳でかすかにつぶやいた。
 ここを見つけるのにあの日から一年かかった・・・。
 姉さんでもなく、水月先輩でもなく、私を選んでくれた日、私を抱いてくれた日・・・・の翌日。
 孝之さんがいなくなったあの日から!
 
 茜はドアの前に立った。やっとここまで・・。その想いが、一年間積もり積もった想いが溢れそうだった。
 あの日、孝之さんは突然いなくなった。
 部屋にも戻らず、バイトにも行かず、誰も消息がわからない日々が続いた。
 無論警察にも届けた。
 しかし、私たちの複雑な事情を知ると、これは逃げ出したくもなるよなと言ってまともに取り合ってくれなかった。
 足を棒にして毎日探した・・。新聞に捜索記事を出してみたりもした。
 そして・・・やっと見つけた・・・。
 あの性悪看護婦がここで孝之さんと同棲・・いえ、孝之さんを監禁していることを。

 ぎいーっ。かすかな音と共に茜はドアを開いた。古そうなドアは壊れており鍵はかかっていなかった。
 いた!茜は部屋の隅で座っている孝之を見つけた。
 孝之と茜の視線がかすかに絡み合う。
 そして、茜は失望した・・・・。
 驚きと・・かすかに失望の混ざった瞳・・・。 
 濁っている・・・あの、孝之さんの真っ直ぐな瞳の輝きは今はない・・・。
 茜は、それが無性に悲しかった。
「孝之さん・・・。」
 茜は、優しく声をかけた。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
 しかし、孝之は驚いた顔のまま黙っていた。
「孝之さん・・・。」
 もう一度、茜はちょっと強く問いかけた。
 しかし、それでも孝之は反応せず、なぜか茜で残念そうに思っている感じがした。
 そこではじめて茜は気づいた。
 孝之が女物の服を着ていて、その胸に大きな2つのふくらみがあることに。
「孝之さん・・・、その格好は何・・・!?」
 孝之は、申し訳なさうにはうつむいて視線をそらした。
「なんでそんな格好しているのです?あっ、あの性悪女に無理やり着せられているので
すよね?」
 孝之は、どう返事をすべきが逡巡していたようだが、結局首を軽く振って答えとした

 茜の瞳が驚愕に大きく開かれ、瞳を絶望が支配していった。
「孝之さん・・・あなた・・・最低です・・!」

 結局、茜は孝之を連れて帰れなかった。
 孝之自身が帰る意思を見せなかったからだ・・・。
 何かを決意した茜は、遙にゆっくりと告げた。
「姉さん・・私、決めたわ・・。孝之さんを取り返す・・。そして、元の孝之さんに戻してみせるわ・・。そのために私は・・・・・・を手に入れる・・」
 遙は、その茜の台詞にあわてて茜にすがりついた。
「何を言ってるの!私たちは・・・・には参加とないって決めたはずでしょ・・。」
 茜は、きつく拳を握り締め血を吐くように叫んだ。
「だって!孝之さんが!私はあんな孝之さんは見たくない!自分のものにならなくてもいい!だけどあんな孝之さんは許せない!絶対に!」
 茜の叫びは、遙の心に鋭く突き刺さるのであった。
                                          続く・・・・・・かも
予告
茜は・・・を手に入れるため・・・を・・・・した。
そして、とりあえず孝之の身柄を確保しようとした茜が見たものとは・・。
                 第二章 最悪の敵、その名はマナマナ

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