Kumiko Report 3/Mar/2017
海を渡ったお雛さま

今日はひな祭り。私の娘が生まれた時母が買ってくれたお雛さまは、ガラスケースに入ったお雛様だった。娘が小さい頃はよく飾ったが、ここしばらくは、屋根裏部屋にしまい込んであった。

屋根裏部屋でも場所を取るし、どこかに寄付したいと思っていたが、昨年8月ワシントンにいる娘に女の子が生まれ、娘がお雛さまが欲しいというので、ガラスケースから出し、解体して 主要人物だけにして船便で送った。

娘からそのお雛さまを居間に飾った写真が届いた。



ひな人形のひな(ひいな)とは、小さくてかわいいものという意味。

平安時代の日本には五つの節句があり、貴族の間では季節の節目の身の汚れを祓った。

人日(じんじつ) → 1月7日「七草がゆ」
上巳(じょうし) → 3月3日「桃の節句」
端午(たんご)  → 5月5日「端午の節句」
七夕(たなばた) → 7月7日「七夕祭り」
重陽(ちょうよう) → 9月9日「菊の節句」

当時は、出産の際の死亡率が高かったので、命を持っていかれないよう、枕元に身代わりの人形を置く風習があったという。人形(ひとがた)とは、身代わりという意味で、これは、自分の災厄を引き受けてくれた人形を流す「流し雛」へと発展していった。

室町時代になると、豪華なお雛さまを飾るようになり、宮中で盛大にお祝いし、、武家社会・裕福な家庭や名主の家庭へと広がっていき、今のひな祭りの原型が完成した。段飾りが飾られるようになったのは、江戸中期のことで、昭和に入ってから、今のようなひな人形の形になったという。

なんで3月3日が女の子のお祭りかは分からないが、お雛さまは、生まれる前の子どもや生まれた後の子どもの守り神なんだね。

母が買ってくれたお雛さまは、私の娘の守り神になり、海を渡って今度は娘の娘(孫)の守り神になった。こうして次の世代に、また、次の世代に受け継がれ、平安無事に命が守られ続いていくことの幸せを感じる。

世界中で今も多くの子ども達の命が失われ、国内でも心を痛め、怒りがこみ上げることがいっぱいの毎日だけれど、ひと時、娘の送ってくれたお雛さまの写真に「命が守られつながってゆくシアワセ」を身体いっぱに感じた。

2017年3月3日

横井久美子