トレンディワールド'89

 コンパイルの『ディスクステーション』創刊号に、私の投稿した
アドベンチャーゲーム『トレンディワールド』が採用されました。
 これは1988年にはやったものをシナリオに織り込んだゲームで、
宮沢りえが戦車に乗って出てきたり、オラシオン三兄弟が現れたり、
ヤーレンソーラン北海道の牛と戦ったり、パスワードが「くうねる
あそぶ」だったりと、見どころ満載(笑)でした。
 私はこの『トレンディワールド』の続編を作り、当時出していた
『ダイス新聞』第6号の付録につけました。
 それがこの『トレンディワールド'89』(1990年2月17日制作)です。


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 オパタリアン王国という国がある(もっともこの国の人は自分達
の国を「マドンナ王国」と呼ぶ)。
 この国のお姫様がさらわれたという噂を聞いて、君は早速お城へ
向かった。
 この国の王は、オタカサンという名の女王である。
「こんなことをするのはセクハラ王国のウノ大王以外にいない。た
だちにセクハラ王国へ行って、姫を取り戻してほしい」
 姫は美人だと聞いていたが、女王の顔を見るとあまり期待は持て
ない。
「セクハラ王国は遠い。この車を使うが良い」
 お城に一台の車が入ってきた。あの有名なユーコス・ロードスト
ーだ。
 車はまっすぐ進んでいき……お城の壁に激突した!
「あらら、またやっちゃった」
 使い物にならなくなった車から、きれーな女の人が降りてきた。
「アサユウは運転手に向かぬようだな」
 そうつぶやき、女王は君の方に向き直る。
「というわけで車が使えん。面倒だろうが歩いていってもらおう。
アサユウ、道案内としてついていきなさい」
 君はアサユウとともに、西へのびる街道を歩いていった。1へ進む。

1
 右手に店がある。入るなら
12へ、入らないなら2へ
2
 店が二軒並んでいる。戻るなら
1へ、トマトの店に入るなら17へ
パナナの店に入るなら18へ、進むなら3ヘ
3
 そば屋がある。戻るなら
2へ、入るなら19へ、進むなら4へ
4
 タレントショップが立ち並ぶ通りにやってきた。戻るなら
3へ
店に入るなら20、進むなら5へ
5
 右手に検問所がある。ここで別れ道になるが、君達が行くのは左
の道なので検間所は通らなくていい。君の連れに(アサユウのほか
に)アサアツがいるなら
6へ、いないなら22へ
6
 戻るなら
4へ、進むなら7へ
7
 モアイが現れた! 君達が身構える前にモアイは襲いかかってき
た! アサユウが渋カジルックを着ているなら
24へ、着ていないな
23へ
8
 右手に闘技場がある。戻るなら
5へ、入るなら25へ、進むなら9へ
9
 君達は遂にウノ大王の棲む城の前にやってきた(いつの間に国境
を越えたのだろう)。戻るなら
8へ、城に入るなら32へ、進むなら
10へ
10
 街道の終点、いか天王国である。
「ここでは毎週演奏会があります。そこで最も演奏の上手い人が国
王になるそうです」
 君が今いか天王国の国王なら街道を戻るしかない。
9へ。そうで
なければ11へ進む。
11
 広場ではその演奏会が行われていた。
「今週はチャレンジャーがいないので、フラワーロックがキングの
座を守り抜きました!」
 戻るなら
9へ、キングに挑戦するなら34へ
12
 紫の頭巾をかぶったおばさんが座っている。
「ここは福引所です。福引をなさいますか?」
 するなら
13へ、しないなら1へ
13
「では福引を始めましょう」
 サイコロを1個振る。出た目が1か2なら
14へ、3か4なら15へ、5か
6なら16へ
14
「こんなんでましたけど」
 ハンディカムを手に入れた。
1へ
15
「こんなんでましたけど」
 コードレスホンを手に入れた。
1へ
16
「こんなんでましたけど」
 森口博子のひゅ―ひゅ一人形を手に入れた。
1へ
17
 ここは銀行だ。お金をおろそう。
2へ
18
 ここは本屋。テト○スの攻略本がある(買ってもよい)。
2へ
19
「うちでは二人連れの客はお断わりなんだよ」
3へ(アサアツがい
るなら36へ)。
20
 洋服を買つてほしいとアサユウが言う。
 彼女の欲しがってる服は典型的な渋カジルック。買うなら
21へ
買わないなら4へ
21
 君が銀行からお金をおろしているなら渋カジルックが買える。そ
うでなければ買えない。どちらにしても
4へ
22
 ―人の女性が検問所を通れず困っているようだ。
「いか天王国に行きたいんです通して下さい」
「パスポートのない人を通すわけにはいかん」
 アサユウが君にささやく。
「いか天王国へ行くにはわが国を通るしかありません。彼女を助け
る方法はないでしょうか 」
 もし君がハンディカムを持っていたら
37へ。持っていないなら6へ
23
 君達が身構える前にモアイは襲いかかってきた!
 モアイはリングを吐いた!
 君達は逃げ出した! 
5へ
24
 モアイはアサユウの服装を見て、渋谷駅にいる仲間のことを思い
出した。「あいつ今どうしてるのかなあ。……手紙書こうっと」
 モアイは去っていった。
8へ
25
 去年より明るくなった司会者がいた。
「24時間戦えますかビジネスマーン!」
 戦えると言うなら
27へ、言わないなら26へ
26
 「では出ていってもらおう」
8へ
27
「では戦って頂きましょう。対戦相手はMr.マリック! 準備いい
ですね。よーい、スタート!」
 その途端Mr.マリックは4列を消してしまっていた。ピンチ! 攻
略本を読んだなら
29へ、読んでないなら28へ
28
 君は呆気なく負けてしまった。
8へ
29
 攻略本を読んでてよかった。互角の勝負。なかなか決着がつかな
い。そぱを食べたなら
31へ、食べてないなら30へ
30
 結局先にバテた君が負けた。
8へ
31
 でもさっきそばを食べたので疲れはない。激闘の末、君は遂にマ
リックに勝った! 「いやー凄いですねー、参りました」
 Mr.マリックは頭を下げた。
「いか天王国まで僕もおともしますよ」
8ヘ
32
 君達は衛兵に呼び止められた。
「どこへ行く? この先は、貴族でなければ入ることはできぬ」
 君がどこかの国でキングになっていたら
33へ。なっていないなら
君達は城から追い出される。9へ
33
「えっ、いか天王国の国王? 失礼しました、お通り下さい」
39へ
34
「ちょっとまった!」
「おっとチャレンジャーが現れました。では早速チャレンジャーの
演奏を聞いてみましょう」
 君達は演奏した。なれないことやるとうまくいかない。
「次にキングの演奏を聞きましょう」
 物凄くノリのいい演奏である。
「いよいよ結果発表です。7人の選帝侯の皆さん、準備はよろしい
ですね」
「フラワーロックの勝ちと思ったら王冠のいか心棒を、チャレンジ
ャーの勝ちと思ったら焼き肉ネットのいか心棒を上げて下さい」
「キングは、どっちだ?」
 君の仲間にマリックがいるなら
38へ、いないなら35へ
35
「王冠が7個並びました。フラワーロックが、キングの座を守り抜
きました!」
10へ
36
 君達は3人でかけそぱ1杯を頼んだ。
 うまかった。疲れが取れ、元気が出てきた。
3へ
37
 君はハンディカムをその女性に渡した。
 彼女は検問所の人にそれを見せ、
「ディスイズ パスポートサイズ」
と言い残して検問所を通った。
「私はアサアツ。いか天王国までついていきます」
5ヘ
38
「焼き肉ネットが7個並びました。新しいキングの誕生です!」
 良く見ると選帝侯達は焼き肉ネットを持っていない。7個の焼き
肉ネットが宙に浮いているのだ!
 驚く君にマリックがささやいた。「ハンドパワーです」
10へ
39
 玉座に座るおっさんが一人……。
 その後ろにいるのが姫のようだ。
 君は姫の顔を見て驚いた。ビグエグ迷宮にいた白鳥麗子ではない
か!
 おっさんはウノ大王と名乗った。
「姫を返してほしいか? ならば猛と戦うんだな。猛! こいつら
を片付けてくれ!」
「わかりました、おやっさん!」
 赤いマフラーをした男が現れた!
「ようし、変身だ! シャキーン!……あれ? シャキーン!……
あらら?」
「どうした、猛」
「変身のときの歌を忘れました」
 知っていたら君が教えてあげよう。

40
「貝割れ巻き巻き、ねぎとろ巻き巻き、巻いて巻いて、手巻きずし
ー」
43へ
41
「タカラッタッタッタッタタタ、デューダ、デューダ、タカラッタ
ッタッタッタタタ、オーデューダデー」
43へ
42
「あなたもわたしもコーチャッチャ、コーチャッチャーのテスが好
き」
43へ
43
「とうっ!」
 木梨猛は、ベルトの風車に回転を与えることによって、仮面ノリ
ダーに変身できるのだ! 
44へ
44
君の攻撃! ノリダーに7のダメージ!
(さっきノリダーが変身したときに歌った歌が貝割れなら
45へ、デ
ューダなら46へ、コーチャなら47へ
45
ノリダーの攻撃! 君に39のダメージ!
更に戦うなら
48へ、逃げるなら9へ
46
ノリダーの攻撃! ウノ大王に36のダメージ! 
50へ
47
ノリダーの攻撃! 君に41のダメージ!
更に戦うなら
48へ、逃げるなら9へ
48
ノリダーの攻撃! 君に38のダメージ!
更に戦うなら
51へ、逃げるなら9ヘ
49
ノリダーの攻撃! 君に47のダメージ!
更に戦うなら
48へ、逃げるなら9ヘ
50
「ノリダー、何をする!」
「セクハラ王国からオパタリアン王国にデューダしたんだよー」
「そ、そんなばかな……」
ノリダーの攻撃! 会心の一撃! ウノ大王に97のダメージ! ウ
ノ大王を倒した!
経験値601ポイント獲得 275議席を手に入れた!
「キョーフの脇役、仮面ノリダー!」
 ノリダーは去っていった。
52へ
51
ノリダーの攻撃! 君に41のダメージ!
更に戦うなら
49へ、逃げるなら9へ
52
 君は姫のもとへ駆け寄った。
 さあ、姫の手を取って、オバタリアン王国へ帰ろう。それにして
もきれーな手……
「ざけんなよっ!」
宮沢の攻撃! 君に1641のダメージ! 君を倒した!
 姫は一人で帰っていってしまった。
 翌週にはいか天キングの座も追われてしまった。結局この冒険で
君が得たものは何もなかった。
<終>

 『ダイス新聞』第6号のあとがきによると、当時の私はこのゲー
ムを、「ベーシックマガジンのペーパーアドベンチャーのノリで作
ってみました」そうな。
 なにせ元ネタが10年前のものなので、今見ると隔世の感がありま
すな。マドンナ王国に当時の面影はないですし、ウノ大王も亡くな
ってしまいましたし。
 闘技場の司会者と白鳥麗子は、前年の『トレンディワールド』に
続いての登場。もし今この闘技場があったら、やはり坂本龍一さん
がピアノを弾いているのでしょうか。
 スキャナーを新しくしたことで、文書を読み込んでテキストデー
タに変換できるようになったので、これからも、『ダイス新聞』時
代に作ったアドベンチャーゲームを、ホームページに掲載していき
たいと思っております。
 次回は迷宮探検の『ホーシェ』、その次は学園ものの『鳳海高校
の探検』を予定。どうぞお楽しみに!

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