IWA格闘志塾

第19回IWA定期戦スペシャル・モンスターチャンピョンカーニバル
三冠王座決定戦

7・20 茅ヶ崎青果市場 (2:00)


★第1試合
トーカイブシドーRS VS ザ・ブラック・ブラスター

 名古屋SGPに出場しているらしい謎のマスクマン東海武士道RS対、もっと謎のマス
クマン、ブラック・ブラスターの試合。大会パンフレットには載っていなかったが、急遽
決まった試合なのか?

○ブラスター9分59秒
体固め
ブシドーRS●
※垂直落下式ブレーンバスター

★第2試合 第3代IWA世界ヘビー級シングル王座決定トーナメント1回戦
アイアン・ハーキュリー1号 VS アイアン・ハーキュリー2号

 お互いに相手を今一つ攻めきれず。「普段タッグパートナーだからか、戦いにくそうだ
なあ」とか思っていると、やがてリング上で二人は抱き合い、レフリーに何か耳打ちする
と、二人揃ってリングを下りた。
 だったら前の日にカード変更申し込んどけよ、とか思ったが、考えてみれば両選手とも
ポスターやパンフレットに名前のあった選手。欠場するのもしのびないと考えて、顔見せ
の意味で出てきたのだろう。
 もっとも、デモニオやゾンビアのように、パンフに名前があってもこの日出てこなかっ
た選手はけっこういたが・・・。

ハーキュリー1号3分50秒
両者試合放棄
ハーキュリー2号

★第3試合 第3代IWA世界ヘビー級シングル王座決定トーナメント1回戦
鶴見五郎 VS 松崎駿馬

 リングに向かう松崎を、二瓶組長と鴨居長太郎が襲撃!
 「何が湘南プロレスだ!」と二瓶組長。そう、松崎が組長に相談なく湘南プロレス入り
したことに腹を立てているのだ。「筋を通してほしい」と組長は、6.19冴夢来プロジェク
ト後楽園大会で、木村浩一郎が秋山文生に言ったのと同じ言葉を残して去っていった。そ
ういえば組長と松崎の関係は、あのときの木村、秋山の関係とまったく一緒。
 さらに組長は、「川崎出身のレスラーは、全員二瓶組に入れてやる!」と意気盛ん。タ
ーゲットとして木戸修、ヒロ斉藤の名を挙げていたが、それはちょっと、ねぇ・・・。
 とにかく、組長のイス攻撃で松崎は首を負傷。本人はやる気があったようだが、鶴見に
チョップを打ってもまったく効かず。すぐに自分から崩れてしまう。冴夢来で畠中浩旭と
いい勝負をした実力者だけに、本来の力が発揮できなかったのが惜しまれる。

○鶴見五郎6分33秒
レフリーストップ
松崎駿馬●
※二瓶組の乱入による負傷

★第4試合 旧屋台村プロレス・迷勝負数え歌
大角比呂詩 VS 鴨居長太郎
渡辺宏志毒ガスマスクVX
エル・テロリスタ二瓶組長

 入場時から客をパニックに陥れたのが毒ガスマスク。火のついたガスバーナー持って客
席を右往左往する。
 松崎戦の経緯からいって二瓶組がヒールになるのかと思いきや、客席の反応も本人たち
の戦いぶりも、むしろベビーフェイス的。長時間大角サイドにつかまってしまっていた鴨
居が、一瞬の隙をついて逆転勝ちすると、大きな拍手が起こった。
 ボクサー同士ということで注目された、大角と鴨居の絡みはほとんどなし。今後の対戦
に期待か。
 試合後は再び場外乱闘。ガスバーナーを振り回す毒ガスマスク。火のついたイスを振り
回す二瓶組長。イッちゃった目でにらむ鴨居。客席最前列にぶっ飛ばされるテロリスタ。
よけ損なう私(苦笑)。
 二瓶組のメンバーは、客席をぐちゃぐちゃにして去っていった。逃げ回る観客も、キャ
ーキャー言って楽しんでいた。

○鴨居長太郎
 毒ガスマスク
 二瓶組長
8分58秒
首固め
大角比呂詩
渡辺宏志
テロリスタ●

★第5試合 初代IWA世界ミッドヘビー級王座決定戦
ウルトラマン・ロビン VS ブラック・マミー

 休憩が終わって、後半は興行タイトルにもあった、「三冠王座決定戦」。
 まずは新設されたミッドヘビー級。ブラックが挑戦しているところを見ると、ヘビー級
とどう違うのかよくわからんが、・・・まあいいか。
 試合前、「ウルトラセブン」でアンヌ隊員を演じた女優さんが、ロビンに花束を贈呈す
る。タイトル奪取に向けて、ロビンの意気が上がる。
 遺恨タラタラのこの2人。典型的なベビーVSヒールの戦いとなった。
 一度はブラックが3カウントを入れたが、ロビンの足はロープにかかっていた。明らか
にレフリーの見落としである。試合の流れがぶったぎれる。ロビン(と観客)が抗議をし、
これが受け入れられて今のは無効。
 試合再開してすぐに、今度はロビンが押え込んで3カウント。2カウントでブラックの
肩が離れたように見えたため、またもや観客から抗議の声が飛ぶが、今度は判定覆らず。
ロビンが王者と認定された。

○ロビン10分10秒
逆さ押さえ込み
B・マミー●
※ロビンが初代王者となる

★第6試合 第6代IWAタッグ王座決定戦
スーパー宇宙魔神 VS 宇宙魔神シルバーX
ホーデス・ミン宇宙魔神X

 とにかく人気があったシルバー&X組。入場時、ファンが花道の両側で「手かざし」を
してアーチを作った。もっともこの人気に本人たちが慣れていないようで、私が「シルバ
ー!」と声援を送ったら、当のシルバーは戸惑っていた。
 一方ミン組の入場時には、例のベトナム国旗がなくてちょっと残念。ミンは、西日本プ
ロレスではヒールだったが、今日は相手が悪役、パートナーが正義の味方ということで、
ベビーフェイスにならざるをえない。
 だが、結末はヒール的だった。ミンは場外でシルバーの喉元に、持参してきたナイフを
押し当てて押さえ込む。刃は落としてあるようで、シルバーが怪我することはなかったが、
この間に、試合権利のあったスーパーがXから3カウント。ベビーフェイス組が王者とな
った。

○スーパー宇宙魔神
 ホーデス・ミン
11分4秒
片エビ固め
シルバーX
宇宙魔神X●
※パワースラム。ミン組が第6代王者となる

★第7試合 第3代IWA世界ヘビー級シングル王座決定戦・決勝
鶴見五郎 VS ザ・マミー

 1回戦が松崎の負傷、準決勝がハーキュリーズの試合放棄で不戦勝となり、難なく決勝
に進むことができた鶴見。
 一方のマミーは第1シードということで、これが今日最初の試合となるが、6.30横浜ア
リーナでの力道山メモリアル大会(失神し、病院送りとなった)の後遺症がどれだけ残っ
ているのか、心配された。
 マミーの入場。なんと、リアカーに引っ張られての入場となった。6.30の失神状態から、
まだ回復していなかったのだ!
 客席から、「マミー、起きてくれ!」の声。
 リアカーはリング下につけられた。
「青コーナー、ザ・マミー!」
 リングアナのコールを受けて、ついにマミーが甦った!
 マミーは鶴見を場外にスロー。そこへブラック・マミー、宇宙魔神X、シルバーXがや
ってきて、寄ってたかって鶴見を殴る、蹴る。
 鶴見も反撃するが、1人蹴散らしてもあと3人に集中攻撃される。いつのまにか鶴見は
額から流血。ローンバトル状態が続いた。
 そこへ駆けつけたのが、ロビン、ミン、スーパーのベビーフェイス勢。宇宙魔神らを引
き受けた。
 1対1なら鶴見に分がある。鶴見は6.19冴夢来後楽園大会で使用したヘッドセットを装
着して、マミーにヘッドバット。DDTでとどめをさした。マミーは再び大の字になって
ぴくりとも動かない。また失神したかと思われたが、やがてむくりと起き上がり、場外乱
闘。これがベビーフェイス勢VSヒール勢の大乱闘に発展した。
 そのどさくさに紛れて、全身真っ赤の男が現れた。まさに“赤鬼”(notオブライト)
と形容するにふさわしいその容姿。よく見ると体に包帯が巻きついていた。彼こそがマミ
ー軍団第3の男、「レッド・マミー」だったのだ!
 しばしレッド・マミーとにらみ合っていた鶴見だったが、憤怒の形相で、「(次回)横
浜で挑戦させてやるよ!」 レッド・マミーのIWAヘビー級挑戦が決定した。
 結局三冠王座はすべてベビーフェイス勢が手中に収めた。リング上では4人がそれぞれ
ベルトを持って、報道陣(週刊プロレスのカメラマン1人・・・)の撮影に応じていた。

○鶴見五郎4分46秒
体固め
ザ・マミー●
※DDT。鶴見が第3代王者となる

★その他雑記
 私が格闘志塾を見るのは今回が初。もちろん茅ヶ崎青果市場へ行くのも初めて。
 青果市場を見た私の第一印象。
「いい会場を見つけたものだ」
 リングと客席を置くのに、十分過ぎるくらいスペースがある。トタン製だが屋根もつい
ている。使用料も高くないだろう。スピーカーとカセットデッキだけ持ってくれば、興行
がうてるのだ。
 欠点は、壁がないために、入場料を払わなくても試合が見られてしまうこと。今回の興
行では、ロープを張って立ち入り禁止区画を定めていた。
 あとは、トイレが貧弱なこと。それと、どこにあるのかわかりづらいこと。北茅ヶ崎駅
から近いのだが、なにせどこにも案内板がないため、迷ってしまうのだ。私は行きも帰り
も迷ってしまった。帰りは雨が降ってきたので、ちょっと辛かった。
 あ、今チケットよく見たら、茅ヶ崎駅からのバスがあった。
 面白い試みだと思ったのが、試合中の場内実況放送。なにせ今回はいろんなことがあっ
た。実況がなければ、ずいぶんわかりにくい興行だったと思う。この実況は今後も続けて
ほしい。
 今回からIWAヘビー級のチャンピオンベルトとして、旧国際プロレスで使われていたベ
ルトが復活した。スタッフのかたの会話を立ち聞きしたところによると、「ビル・ロビン
ソンが巻いたベルト」らしい。
 私の席は本部席の真後ろにあったため、間近でこのベルトを見ることができた。だが、
プロレスファン歴が浅い私には、このベルトの価値がわからない。それがすごくもどかし
かった。
 休憩時間中、本部席を通りかかった鴨居長太郎選手が、一瞬このベルトに目を留めた。
このとき彼の心の中には、どんな思いが去来したのだろうか? 懐かしのベルトをすぐ近
くで見て感動したのか? それとも、現在のIWAヘビー級のベルトとして、欲しいという
思いがめぐったのか? じつは何も思わなかったのか? ひとごとながらそれが少し気に
なった。

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