10年。

忘れてなんかない
忘れたくない
けれど同時に忘れてしまいたくもあったのだろう。

いくつもの事を忘れていた。
思い出した。
気づいた。

忘れ得ぬ女性。
当時の自分にはまだ、言葉に出来なかった想い
伝えたかった
伝えたい。

聞いてくれる誰かは
まだ居るだろうか。

あの時、私は気持ちを摩り替えていた。
解っていた。
ベストは選べなかったから、
ベターでも同じゴールに辿り着く自信があったから、

けれど私もまた、盲目になっていたのだろうか
だからあなたは私を許さなかったのだろうか。



あの時、あなたがまだ私に求めてくれたものを
私は感じ取れなかった
理解出来なかった。
原点を見失っていたという事だろうか。

待つ、という言葉にも私は逃げたのだろうか…
想いは何も変わっていない
変わらず想っている
あの時のまま止まっているだけだろうか…

12年…愛らしい生き物はまだ健在だろうか?…

あの男は実在せず、
…そして実在していた。
今に…この歳まで生きて…やっと気づけた事がある。

伝えたい。

3.3.2010