チェンマイでのIPCNKR総会及び国境ツアー

 11月28日、タイの古都チェンマイで行われた北朝鮮難民と人権に関する国際議員連盟(IPCNKR)の第6回総会に、オブザーバーの資格で、加藤と基金会員一名が基金から参加しました。
 すでに新聞やTVのニュース報道で、ご承知のように今回は、中井洽・拉致問題担当大臣が出席され、かなりインパクトの強い会議になりました。
 会議の中身もさることながら、在バンコク日本のメディア、AFP、VOA、IRRAWAY、Asien Curierなどが取材にきて盛況でした。

 29日は、中川正春文部科学副大臣はタイビルマ国境のメラの難民キャンプへ視察にでかけました。ビルマ難民の「第3国定住枠」の調整に関する案件もあるようでした。ニュースメディアとわたしたちは、タイ・ラオス国境の北朝鮮難民の流入地点にあるゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)にあるチェンセン警察署とメーサイ入国管理局へ訪問。背景説明などを求めるためでした。

 チェンセン警察署は、最初タイ王国王女様が来られるのでNGOや取材陣は受け入れないとの態度でしたが、The Association for the Rescue of North Korean Abductees, Chiangmai(ARNKA)「北朝鮮に拉致された人々を救援する会チェンマイ」代表の海老原智治さんが、熱心に、かつ丁寧にねじ込んでくれたおかげで、パワーポイントを使ってのたいへんわかりやすい警察署長からの説明を受けました。
 ちょうど、警察署には14名が収監されており、聞き取り調査が行われていたところでした。
 基金は最初、北の難民に対して石鹸、トイレットペーパー、薬などを準備しようと思っていたのですが、韓国大使館が毛布、医薬品などを提供してくれているので必要はないとの話になりました。
 それで、韓国語=タイ語の通訳費が警察署長のポケットマネーから出ていると以前聞いていたので、それを負担しようとの申し入れをしましたが、それも捜査費用から捻出しているとのことでした。

 警察署長の説明では、北朝鮮からの難民は、不法就労の目的ではなく、政治難民であるとの理解をしていると繰り返し強調、それにふさわしい待遇をしているとのことでした。留置場は新たに床が新しいビニールシートに代わっており、清潔そうでした。

 韓国大使館は、チェンセンの警察署所長、メーサイの入管局長など関係者を韓国に招待し、脱北者難民をどのように定住させているか一部始終を紹介したようです。難民たちのあいあだに情報部員が紛れ込んでこないかを調べる大成公社(国情院)のスクリーニング、ハナオンの視察をしていることも分かりました。ハナオンでの定住支援でコンピューター教育、職業教育などをしていることに大変関心した様子で、テレビも自由にみているし、活動も自由な雰囲気であったということです。

 その訪問の経験がタイ政府にきちんと報告され、脱北者が不法入国であっても、不法就労でタイに来るわけではないので、強制退去で北に送り返すことはしないとの説明をしていました。

 警察には最長で2日間拘置、すぐに裁判所に送られて不法入国の判決を受け、入管局に身柄を送られることになります。入管局でおよそ30日間の拘留ののち、ほとんどが、韓国に行くことになるとの説明でした。裁判所では不法入国で罰金刑になります。罰金は管轄の、チェンライの裁判所で2000バーツ(4000円-6000円:為替レートによる)の支払いを命じられます。
金がなくて払えない場合は、勾留1日を200バーツの換算で計算するので10日間の拘留が行われることになります。

 同警察署で2008年に留置した北朝鮮からの難民は156人(男23人、女133人)、今年2009年は10月末までにすでに425人に達しているとのこと。

 加藤は12時30分までチェンセン警察にいましたが、一行と別れ私たちの救援ネットワークの一人と面会するためにチェンコンに行きました。
 彼とはともに関心のある話をしました。
 現在の中国の状況、安全問題、瀋陽の日本の総領事館に保護されている脱北者が1年3カ月にも滞在が及んで、出国できる見通しが立たないことや、今後タイ国での保護の可能性、警察との協力関係などについても話合いました。

 チェンマイからチェンセン警察署まで3時間半。チェンセン警察からチェンコンまでは1時間30分、チェンコンからチェンライの飛行場まで2時間の旅程ののち、この日は合計7時間も車に乗り通しでした。チェンライからBKK経由で東京に朝7時30分到着です。

 他のもう一人の会員は、IPCNKR総会には出席しましたが、風邪をこじらせたため、国境ツアーにへの参加は取りやめました。この会員は、10月に一度海老原さんと一緒にチェンセンの警察署に行っているので、周辺の事情には明るいと思います。

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