共同声明
第4回「北朝鮮難民と人権に関する国際議員連盟」総会
2007年8月29日
人権は、人に与えられた最も基本的かつ根本的な権利である。市民に与えられる人権の水準が時代と共に高度化してきているが、これは人類の社会がなしとげてきた進歩を示している。私達は個人の国籍や居場所を問わず、人権を保障する必要がある。私達は、私達の個々の社会を代表する者として、お互いに協力し、地球上のあらゆる個人の人権状況を改善する義務を負っている。
2003年4月、かねてより設立準備をすすめていた5カ国(韓国、合衆国、イギリス、日本、モンゴル)の35人の国会議員が、北朝鮮難民の窮状への深い確信と懸念から、北朝鮮難民の人権のための国際議院連盟を設立した。2年後の2005年8月、IPCNKRは2回目の総会を日本で開催した。IPCNKRの3回目の総会は2006年にモンゴルで開催した。
今日現在、IPCNKRは、もとの35人のメンバーから36ケ国の111人のメンバーへと増加している。この増加は、国際議院連盟への広範な国際的評価、支持の高まりを示している。2007年8月28日から30日まで、IPCNKRの4回目の総会を韓国で催した。この会議の目的は、北朝鮮人難民の人権を改善するために、難民に代わってなされてきた今までの努力を検証し、今後とるべきさらに現実的な方法を模索することである。
国際社会は北朝鮮の人権状況に着目し、これを改善するための努力を重ねてきたが、その実質的効果は極めて限られたものとなっている。量的には、少なくとも100,000人(300,000人に達している可能性もある)の人々が、北朝鮮の国境を越えて、中国、タイ、ミャンマー、ベトナム、およびカンボジア等に避難先を求めているものと私たちは推定している。こうした避難先の国々では、これらの難民は法律の保護を受けられず、従って、彼らの人権は著しく侵害されている。難民はしばしば暴力犯罪の犠牲者となっている。女性と子供たちが、誘拐、性的奴隷、および違法な奴隷労働の犠牲者となっているケースが最近急増している。
こうした状況の中、2006年の北朝鮮の核実験以来、北朝鮮の政権と国際社会との間の関係が停止している。今日、私達は特に6者協議の再開ということがあり、北朝鮮の国際社会との関係の分岐点に直面している。さらに、この10月には2回目の南北首脳会談を予想している。オリンピックは伝統的にすべての人類のための一致と調和のシンボルであった。これに対応して、中国政府は、北朝鮮難民の基本的人権を擁護し、彼らの保護を進展させたいという要望を示すべきである。
IPCNKRは、北朝鮮の政府と対話を増やすことを要求する。最近の出来事を考慮して、国際的な国会議員という、ある種有利な立場にいる私達は、難民の状況に変化をと、国際社会に主張することができる。特に、母国から逃れざるをえなかった北朝鮮難民のみでなく、北朝鮮国内の人々の人権の改良も私たちは要求する。
2007年8月29日、北朝鮮難民と人権に関する国際議員連盟は、以下の決議をした
決議:
1. 国際社会は北朝鮮難民の人権を改善するために更なる努力をすべきである。
l 国際法の下、北朝鮮難民に合法的な難民の地位を獲得させる努力を強化すること。
l 中国の北朝鮮難民の強制的な本国送還を止めさせること。国連とタイ、ベトナム、ラオス、およびミャンマー(最も一般的な脱出先あるいは脱出経路)の政府に、北朝鮮難民に市民的自由の法的保護を与える手段を提供するよう要求すること。
l 北朝鮮難民の人権への世界中で一致した様々な懸念を反映する国際的協同決議をつくりあげる国際的支援の輪を広げること。
l 北朝鮮難民が住む地域で、各NGOと協力しながら、調査を始める。難民の実際の生活状況を調べる調査員を派遣し、この結果を世界に知らせて、難民の窮状を知っていただき、彼らの状況を改善するようにすること。
l 北朝鮮難民の避難している国々に、より効果的かつ適切な定住のための方法を確立し、遅延なく、無駄なく定住が行われるようにする。
l UNHCRに、国連事務総長潘基文の下で、北朝鮮難民を保護するためのより積極的な役割を果たすようにさせる。
l 10月に行われる南北首脳会談で、北朝鮮の人権の問題が課題の一部として取り上げられるよう要求する。
2. 国際社会は、難民の女性と子供の権利の侵犯を止めるために、より積極的な対策に取り掛かるべきである。
l 北朝鮮難民女性の人身売買、売春、利用、および拘束をより効果的に防止する国際的協力の強化。
l 国際社会が北朝鮮難民の子供のための教育と医療活動を改善し続けて、移住先の国が北朝鮮の避難民のためのより協力的な方針を実施するよう奨励する。
3. 国際社会は、北朝鮮の生活状態を改善するための人道的経済援助を増やすべきである。
l 市民の集会、宗教、言論、および結社の基本的な自由を保証するよう北朝鮮に強く要求すること。また、北朝鮮に、政治犯収容所を廃止するよう強く求めること。
l 洪水や他の自然災害によりもたらされた莫大なニーズを満たすために北朝鮮への人道援助を増やすべきでこと。但し、同時に、この援助が北朝鮮政府により使い込まれないことを保証する必要がある。
l 北朝鮮の人権と生活状態を改善するための唯一の救済策は北の政権の変化でしかないことを国際社会に、気づかせる多面的な努力が必要であること。
4. 北朝鮮に拉致された人々や朝鮮戦争の時の捕虜の生死を正確に確認し 彼らの生国への迅速で安全な帰還を果たすよう要求すること。
l 国際社会は、北朝鮮による拉致問題を解決するために、人道的な解決策を強く推し進めるべきである。
l 北朝鮮に拉致された人々や朝鮮戦争の時の捕虜の生死を正確に確認し 彼らの生国への迅速で安全な帰還を果たすよう要求すること。
l 一般市民の拉致および戦争の捕虜について、10月の南北首脳会談の課題の一部とするよう要求すること。
l この問題を解決するための私達の人道主義的努力を拡張することと同時に、国連および他の国際的組織と我々との連帯を強め、経済援助を増大させる。
5. 国際社会は北朝鮮難民のための仮設住居の開設を促進するべきこと。
l 北朝鮮難民を保護し、他の国々への定住を助けるための国際的な国家間のネットワークを作ること。
l 北朝鮮難民の移住を果たすために、中国、モンゴル、および他の第3国と協力すること。
l 北朝鮮難民に、現実的かつ合法的な定住と社会復帰を果たさせるために、移住先の国々と協力する。