

里親にどんなことを書いたらいいのかな? 思案する新規支援の教育里子
C O N T E N T S
| 北朝鮮難民救援基金 第11回総会 記念号 | ||
| 第11回総会への招請状 | ||
| 第11回総会 活動報告(議案) | ||
| 第11回総会 活動方針(議案) | ||
| 8月中朝国境報告―更なる緊急支援に50万円の募金を | ||
| 脱北者を装った女スパイ逮捕事件 | ||
| 脱北定住者の今(T) ― 夢は焼き鳥店のオーナーに ……… | 加藤 博 | |
| 映画『クロッシング』を鑑賞して ………………………………… | おじゅんふぁん | |
| おしらせ | ||
| 北朝鮮難民救援基金11回総会への招請状 |
さわやかな季節を迎え、東京で第11回総会を下記の要領にて開催します。会員の皆様には、ふるって御参加くださるようにお願い申し上げます。また、総会後、ささやかながら交流会を行いたいと思います。
同封した葉書に出欠連絡、また総会に欠席される会員の皆様は、委任状にご記入の上10月06日までに必着郵送してくださるよう、お願い申し上げます。
総会日時: 10月12日(日)
14:00−16:30
場所: 文京シビックホール、会議室1
〒112-8555東京都文京区春日1-16-21
電話番号: TEL:03-3812-7111(代表)
交通機関: 地下鉄丸の内線、南北線後楽園駅下車3分、
都営地下鉄大江戸線、
三田線春日駅下車 3分
| 第1号議案 2007−2008年 活動報告(案) |
はじめに
今年8月の北京オリンピックに向けて、中朝当局は国境地域においても、中国国内においても厳しい脱北者の取締りを続けた。それは、7月には中朝間における公的な物流がほぼ止まるほどに徹底されたものであった。
しかし、脱北者の中国への流入は、90年代後半から2000年初めにかけての大量の規模ではなくなっているものの、脱北の流れは止まってはいない。
脱北者が中国で逮捕されれば強制送還され、厳罰を受ける。中国政府はそれを知りながら、逮捕、強制送還をやめない。そして国際世論が、「難民条約」の尊重を訴え、強制送還への抗議を繰り返す、という基本的な構図は変わっていない。
国連人権理事会が任命した北朝鮮人権特別報告官の中国、北朝鮮への調査も実現していない。
しかしながら、北朝鮮国内の人権侵害の実態が、国際的に認知されるにしたがって、北朝鮮に対する圧力は増している。
まず、朝鮮に対する国際的な食糧援助の効果に対して疑問符が打たれ、WFP(世界食糧計画)の必死の呼びかけにも拘らず必要量が確保できない。
NGOのみならず、北朝鮮に対する食糧援助に対して、透明度を高めるために監視体制を強化することを食糧援助の条件とする援助国と、それを回避したい北朝鮮との間で綱引き状態が続いている。
引き続く北朝鮮難民の脱出
中朝国境に展開する○箇所のシェルターと北朝鮮国内の○箇所のアクセス・ポイント(接点)からの情報を総合すると、国境地帯の北朝鮮側で発見される餓死者、死を迎えるばかりの人たちは、地元の人間ではない。内陸地から中国へと生きる道を探し、国境を越すことができなかった人々である。
咸鏡北道茂山市から鉄道で3駅内陸に行った農村地域では年寄りと子どもが餓死している。咸鏡北道の清津(チョンジン)市、咸鏡南道感興(ハムフン)ではさらに深刻な食糧不足から衰弱死、餓死が始まっているとの報告が届いている。
1級事業所と呼ばれる2000人の企業でも原材料がないために操業できず、遊休状態のため、食糧の事業所配給も止まったままという深刻な事態に陥っている。
食糧を得て北朝鮮に戻る人たちには、食糧を渡している。この1年間の国境地帯での食糧の配給、および消費は30トンを超えた。
北朝鮮女性の人身売買と孤児
脱北者の7割、少なく見積もっても6割は女性で、そのほとんどが人身売買の犠牲になっている。そして、彼女たちは中国内陸部の農村へ花嫁として売られる。
中国の改革開放政策によって、農村の結婚適齢期の女性は、稼ぎの良い都市部、華南経済圏、韓国、日本へ出稼ぎに出てしまい、農村に残っていない。
延辺朝鮮族自治州では、朝鮮族が1年に8000人規模で韓国に出稼ぎに出かけ、その空白に、他省から漢族が流入し、朝鮮族自治州の消滅が時間の問題となっている。
農村に売られた北朝鮮女性の相手の男性のほとんどは、生活能力がなかったり、精神障害、あるいは社会的責任能力の乏しい人たちである。そのため、北朝鮮女性が「強制送還」されると、父親は子どもの養育を放棄してしまう。無国籍児は年々増える傾向にある。
基金では、養育を放棄された子どもたちを保護し、教育里親制度によって養育している。教育里親制度の支援によって育った里子たちで韓国に定着した子どもたちは、大学や専門学校、あるいは家庭の主婦になって幸せな生活を営んでいる。
<主な活動の報告>
1.北朝鮮難民と人道支援家救援の活動
一人でも多く北朝鮮難民を助ける活動では極力目立たない方針で、静かに保護するのを基本とした。人道支援家の拘束は、提携するNGO間でこの1年間は皆無であった。
@ '07/9/17
北朝鮮難民と人権に関するタイ国際会議
A '07/9/19
東京弁護士会、北朝鮮人権調査に協力
B '07/10/02
海上保安庁警備課と意見交換
C '07/10/06
グローバル・フェスタに参加
D '07/11/02
脱北者○○礼子から救援要請
E '07/11/08
脱北者○○悦子を保護
F '07/11/11
脱北者の通学する夜間学級荒川九中の50周年記念式典に参加
G '07/12/14
北朝鮮人権侵害啓発週間NGO会議
H '07/12/16
北朝鮮人権侵害啓発週間仙台集会
I '07/12/20
韓国基督教大学で北朝鮮人権問題講演者として招待スピーカー
J '08/01/18
国連北朝鮮人権特別報告官ヴィチット・ムンタボーン氏の聞き取り調査に協力
K '08/01/30
脱北者○○和、一家東京着
L '08/3/20
韓国基督教大学主催の北朝鮮人権問題国際学術会議に報告者として参加
M '08/3/23
「救う会神奈川」市民集会にゲストスピーカーとして出席
N '08/4/26
長野市のオリンピック聖火リレーで北朝鮮人権問題をアピール
O '08/6/6
NGOのNK&Byond Missions Int’lと意見交換
P '08/8/06
Open Radio North Koreaと会議
Q '08/8/07
南方ルート開発・調査
2.北朝鮮難民の安全確保と保護
国境のシェルターは、アクセスポイントと実際の保護施設は別にし、厳しい取締りを避け山中に設けている。
食糧援助は20トン余りの米を700人以上に配給、冬用衣類500人分を調達し、靴下2000足を配給。
中国国内で定住を希望する脱北者に、試験的に難民の自立支援に牛2頭を養育し、成牛にして売り、その利益で生計を立てる計画が進行中。
現在、吉林省内に○箇所のシェルターを確保し、順調に運営している。
当基金が保護し安全圏に到達したのは5家族12人。そのほか日本国内に到着してから定住支援をしたのは1家族3人。
韓国への定住を支援したのは30人余りになる。この中には日本人妻の娘、元在日朝鮮人の子どもがふくまれている。
3.医療援助
中国国内および日本で調達した家庭医薬品のキット、350セットを北朝鮮に配給。キットには鎮痛剤、消化剤、消炎剤、栄養剤などを含んでいる。
4.教育里親制度
現在、教育里子として支援対象となっている児童は20名を超え、新たな2箇所のシェルターも作られた。教育里子には責任者を通じて養育奨学金が支給されている。また教育里親には里子の近況を随時レターやNEWSで報告している。
今では里子の多くは教育里親制度が発足した当時の脱北孤児である「コッチェビ」ではなく、人身売買された脱北女性と中国籍の男性との間に生まれた「無国籍」の子供たちである。この子供たちの父親のほとんどは生活無能力者や養育意思がなく、相変わらず中国当局はこの子供たちの養育の担い手であり、在留資格が与えられるべき母親である脱北女性を逮捕し、強制送還している。
一方、正規の居民証を持たない里子たちには、どんなに能力があろうとも高校以上の高等教育を受ける道が完全に閉ざされている。なぜなら、受験する資格が認められないばかりか、その過程で摘発され、強制送還される恐れが高まるからである。
その結果、子供たちは中国政府からも「放棄された子供たち」となっている。今、学業年齢に達した「放棄された子供たち」はどんどん増加している。
5.移住、定住
北朝鮮を脱出し、北朝鮮に戻ることも、留まることもできない脱北者を、他のNGOと協力して助け、第三国の安全圏に到達させた。
日本国内への定住、定着に関しては関係行政部署、NGO、脱北者民団支援センターとの協力が比較的円滑に進んだ。
高齢及び慢性疾患の脱北者は、生活保護を受けることになるが、若年者は、比較的早く生活保護を卒業し自立した生活を営んでいる。
6.国際分野での活動
6−1国際的なロビー活動
国際的なロビー活動は、タイ国での北朝鮮難民の実態調査、過密収容の不法入国者収容センターの改善、人権についてタイ国家人権委員会、タイ外務省、タイ・ラオス国境のチェンライ入管局、警察との会合が有意義であった。
6−2海外向け広報活動のまとめ
海外向けニュースレター配信
配信対象者は、NGO・メディア・政府・UNHCR関係者およびPayPal寄付者、個人など約600名。英文ニュースレターの内容は、中国政府に対する抗議行動への参加呼びかけ、関係国政府に対する脱北者保護の要請・嘆願参加への呼びかけ、基金への寄付呼びかけなどの他、国内向け基金NEWSからの記事をいくつか抜粋して翻訳したものを加えて構成されている。
今年度は、海外向けニュースレターを計6回配信した(配信開始年度は計7回)。昨年度はタイへ入国した脱北者およびラオスで拘束された脱北孤児3人を含む多数の脱北者の保護を、関係国政府・UNHCRなどに要請する行動参加を海外に呼びかけるニュースレターが多かったため、計14回という記録的な配信になった。これに比して、今年度は、脱北者拘束事件が減少したことを反映した配信数となった。北京オリンピックによる中国政府の一段と厳しい取締りで、脱北者および救援側共に身動きがとれなかったことが主原因と思われる。
海外からの反応
昨年度、ラオスで拘束された脱北孤児3人の救出協力を訴えた際に、驚くほど多くの海外の人たちから反応があった。3人の救援資金や支援も含めた協力希望の旨を表明したメールが多数海外から基金に届いた。これは、せめて子どもたちだけでもなんとか助けたいという人たちの万国共通の願いを再認識させるものだった。
また、基金の活動内容の性格上、どうしても暗く、つらい内容のニュースになりがちであるが、今年度のニュースレターでは、元里子の結婚・出産の明るいニュースを盛り込んだところ、海外から祝福メール、海外メディアから取材希望の問い合わせメールが届くなどの反応があった。
これをふまえ、今後は、基金が実際に救援に関わった脱北者および元里子に関する明るい実話や癒される実話も添えるよう最大限努力することが望まれる。寄付者を含む活動支援者の努力が報われる実例を報告することは、支援持続の動機付けとなるに違いない。
英語版HP訪問者数(アクセス数)他
昨年度、新たに加えた「英文ニュースレター定期購読申し込み欄」を介し、この1年で72名の購読希望者(半数近くが米国在住者)を得た。また、過去1年のHP訪問者数は、月平均9,030人であったが、訪問頻度の上位を米国政府および米軍関係者が占めている事実は驚きであった。
また、8月には10件もの海外からの問い合わせがあり、最近は以前と比べてHPを介する海外からのコンタクトが増えている感がある。これを寄付金増加に連動させることが今後の課題だ。
問合わせとしては、「自分も支援活動に参加したいが、どのような形で参加可能なのか?」という内容が相当数あるので、今後、このような海外支援希望者が効果的に基金の支援活動に参加できるような工夫を考案する必要がある(例えば、希望する支援活動の内容を選択可能なレベル別に提示し、選択を促すなど。選択対象としては一例として「毎月定額をPayPal寄付する」などの項目を入れる)。
7.報告会・懇談会などのイベント
東京日比谷公園で開かれたグローバル・フェスタに参加。脱北者にたいする職場の斡旋の申し出、北朝鮮関係の書籍、T-shirts
等が関心を呼んだ。
8.財政基盤
基金の活動が注目を浴びるにしたがって、活動の範囲も広がり、予算資金が必要となってきている。だが、期待されている活動の規模に必要な収入が追いつかず、厳しい状況である。募金を増やすための独自の対策と取り組みが必要である。
| 第3号議案 2008―2009年 活動方針(案) |
突如、北朝鮮の軍事独裁者・金正日の健康不安が伝えられたところから、独裁政権の終焉、新たな混乱への始まりではないか喧伝されている。
政権の権力争いとそれに伴う混乱は避けられないというのが大方の見方である。
独裁政権崩壊後の空白をどのように埋めるかによっては、難民の大量流出が始まるのか、それとも「六カ国協議」の国際協調によって平和的に秩序よく解決されるのか、予断できない。NGOの力量も問われることになる。
1.北朝鮮難民大量脱出の懸念への対処
食糧事情から、政権内部の混乱、人民軍による略奪、一般民衆の国外脱出などの現象が一挙にあふれ出る可能性がある。NGOができることは限られているが、これまでの経験を生かし効果的な活動をしたい。
中朝国境を越えて中国側に難民が流出する場合、NGOは国際機関と協調して、難民キャンプの開設をよびかける。
混乱に乗じて起こる人権侵害を防ぐために、法律家、ジャーナリスト、NGO、警備専門家などで構成する人権侵害監視団の設置を呼びかける。
海路による日本への流入は少ないが、日本が積極的に難民を受け入れるよう、日本政府、政治家に働きかける。政権を担っていた 上級、中級幹部、また治安要員や幹部たちは、北朝鮮国内にいる拉致者の情報を持っている可能性があるので、千載一遇のチャンスだとして、大胆な難民収容政策を働きかける。
2.北朝鮮難民の安全確保と保護
1、食糧など配給物資の均等配分活動に参加する要員の登録
2、医療NGOとの連携を積極的に図る。
3、移住、定着の生活相談、要員の確保
4、言語習得のボランティア活動
3.医療援助
救急用の医療キットの整備をするために医療NGOと協力する。
4.教育里親制度
現在、中国には最低2000人以上とされる脱北孤児と数万人にのぼる「無国籍」の子供たちが存在していると、元韓国統一院次官の金錫友(キム・ソグ)氏は推定する。
中国国籍男性と脱北女性との間に生まれ、中国国籍が与えられてしかるべき「無国籍」の子供たちは増え続け、すでに学業年齢に達している。北朝鮮当局に抜本的な政策の転換がない限りこの流れはとどまることはないだろう。今後も引き続きこのような子供たちにも保護の手を拡大していかざるを得ない。
しかし、中国当局には母親である脱北女性に在留資格を与えるなどの大きな政策の転換が求められる。昨年、中国の地方政府当局が2人の脱北女性に臨時永住権を発給するというわずかな動きも見られたようだが、この事例を単なる「人治」政策ではなく、「法治」政策として確立し、子供たちの養育の担い手であり、母親である脱北女性たちにも適用を拡大していくことが中国当局に求められる。
また、教育里子や責任者の安全を考慮しながら、引き続き教育里子の近況を教育里親に報告していくべきであろう。
5.移住・定住
北朝鮮に戻ることも、中国にとどまることもできない脱北者は、第三国の安全圏に到達するのを助ける。
難民キャンプの設置ができた場合は、希望する定住先への速やかな移動を助ける。
日本国内への定住に関しては、関係行政部署、NGO,脱北者支援民団センターなどと協力する。
定住支援するボランティアを募る。日本語教育は他の関係団体、夜間中学などでの勉学を薦める。
6.国際分野での活動
海外者によるPayPal寄付金アップ対策案
今年度は、主流寄付者が集中する米国内での不景気も影響してか、寄付金額が減少に転じた。
“Are They Telling Us the Truth?”のE-Bookは現在「原則的に無料ですが、寄付してくれると助かります」という極めて控えめな言い方をHP上でしているが、これを例えば「最低20ドルの寄付をしてください」という言い方に切り換えることを検討すべきかもしれない。
PayPal寄付者の中には何度も寄付を繰り返してくれる人たちがいるので、この人たちに対し、今後も確実に寄付を継続してもらえるように、あるいは寄付金増額に導くような工夫をすると効果が期待できるかもしれない(礼状メールの内容などにひと工夫加えるなど)。
英字Newsletterの定期購読希望者を含め、継続的に北朝鮮難民問題に関心を持つ人たちをもっと「寄付者」にアップグレードするよう誘導するには、やはり他の団体とは異なる基金特有の情報提供をさらに前面に出す努力が必要とされるだろう。写真掲載を増やすことはもとより、脱北者全般ではなく、脱北者各個人に焦点を当てた話を増やせば読者の関心度も高まるのではないか(例えば、ある一脱北者が日本での定着過程で経験した苦労話あるいは嬉しかった、感動したなどの実話を連載するなど)。
また、新しい試みとして、基金コアメンバーなど、活動主体側の個人的苦労話、あるいは脱北者定着支援で経験した喜びとか感動などの話を添えるようにしたらどうだろうか。英語版HPの場合は、実際に基金主催のイベントにも参加できる国内の場合と違って、HPに掲載する情報のみで勝負しなければならない。
英語版HP訪問者に寄付する気になってもらうに十分な信用を得る上で、基金内部にいる生身の人間がどんな想いで活動しているかを知らせることはプラスになるのではないだろうか。
その他、自分が寄付者側に立った場合、寄付対象者に対してどのようなことを希望するかなどを考えてアイディアを出す必要がある。
7.報告・懇談会などのイベント
脱北者の体験、救援活動の参加者の報告会などを通じて実情の理解を深める機会を持つ。グローバル・フェスタやワン・ワールド・フェスティバルなどに、参加の呼びかけをおこない、活動の理解を深めてもらう。
8.財政基盤を整える
活動が活発になり、活動の輪が広がるにつれ出費も増えていくが、財政は独自の努力をしない限り強化することができない。
一人でも多くの理解者を増やしていく努力が必要である。
一番身近な理解者は、基金の援助によって日本への定住を果たした人々であるから、基金の活動を支えてもらう理解者に成長してもらう必要がある。
閑話休題 ― 報道から金正日総書記を診断する
キム・ジョンイル総書記は、昨年、ドイツ医師団から狭心症の治療を受けました。
心臓の役割は、酸素を赤血球にくっつけた血液を、動脈を通じて全身の組織細胞に送るポンプです。
狭心症は、ポンプである心臓の筋肉に酸素を送る冠動脈が狭窄(=動脈硬化)し、その結果、心臓が酸欠状態になり、ポンプがだめになる病気です。
動脈は全身を走っているので、これは全身の血管も重度の動脈硬化に陥っていることを意味します。
今年の5-6月頃から、総書記はたびたび意識消失の発作を起こしています。これは脳動脈硬化のために、脳組織に十分な酸素を運べず、脳が一時的な酸欠状態に瀕したことを示しています。そしてそれは、大きな脳動脈が詰まる脳梗塞の前触れなのです。
左右の運動神経は、頭(=脳)から手足(=脊髄)に向かう途中、脳基幹部で交叉します。脳梗塞で倒れた右利きの総書記は、自分で歯を磨けます。それは、左側の手足が不自由になったことを示唆し、原因は頭の右脳動脈がつまって、右脳が障害されたことを意味します。ところで、脳の言語領域はほとんど左脳にあるので、言語障害は起こしていません。
しかし、今も不規則な痙攣発作を起こし、梗塞後脳出血を伴うことも多いので、当然、抗痙攣薬を投与されていて、正常な意識レベルにはないでしょう。
おそらく脳梗塞を起こした総書記には、今後も肉体的には左半身の麻痺が残り、精神的には悲観的・抑うつ的となり、正確な判断、攻撃的な決断は困難になると思われます。
(医師からの聞き取り)
2008年ソウル平和賞を受賞した
スザンヌ・ショルティ女史(ディフェンス・フォーラム財団)に祝辞を贈りました!
第9回ソウル平和賞の栄冠の栄誉者に選ばれたことに心よりお祝い申し上げます。
北朝鮮難民のために、過去数年間あなたと共に働いてきたことは本当に喜びです。あなたの疲れを知らない努力は、私たちすべてに、真の激励となりました。
私たちは、北朝鮮国民を奴隷状態にしている抑圧から解放する共通の目標を達成するために、どんなに時間がかかろうとも共に働き続けることを願っています。
重ねてお祝い申し上げます。また、お会いしましょう。日本より敬意をこめて。2008年9月4日 北朝鮮難民救援基金
| 2008年8月、中朝国境報告 | |
| コメ3トン、解熱鎮痛薬、栄養剤を配給! | |
| 更なる緊急食糧支援・コメ10トンに募金50万円が必要です! |
咸鏡北道会寧市の市場の動向が伝えられてきている。米、トウモロコシともに高止まり感があるものの、収穫期までの台風、水害などの影響が未知数な上、国際機関による援助も厳しさを増しているため、物価動向は不透明感がつきまとう。(編集部)咸鏡北道会寧市の物価状況 2008.8.15
米 3000 トウモロコシ 1500 小麦粉 2800 じゃがいも 700
豚肉 5000 食用油 8000 *単位は北朝鮮ウォン/ kg
北国境警備隊員に食糧配給がない
住民に対する食糧配給はなく、職場もほとんど門を閉め、操業はされていませんが、出勤はしなければなりません。出勤した後は、食糧を手に入れるために、それぞれの商売に出かけて行きます。住民たちは商売をしないと生きていけません。
清津の海の魚を卸してもらって売るのが比較的良い商売だと言われていますが、一日1500ウォン稼ぐのも難しいというのが、脱北住民の話です。
中国に逃げてきてトウモロコシ、じゃがいもを盗んで生活する人が増えているとの話を頻繁に聞くようになっています。
北朝鮮側の国境警備隊も配給がほとんどなく、中国国境に来て物乞いする状況です。
咸鏡南道で集団餓死、衰弱死が起きている
咸境南道地域では、今人々が集団で死んでいます。原因は、配給がないうえ、職場もなくて働くことができず、又、力がなくて商売ができない人が多いから死ぬ人もそれに応じて多いと言います。
ジャガイモ1kgあれば飢え死にしない
今彼らは、一日じゃがいもが1kgさえあれば飢え死しないと、一日700ウォン(日本円で約30円)稼ぐことを目標にしていると言っています。
食料を求めて国境を越える人が増えてきています。彼らは国を裏切るのではなく、餓えているので生きる道を探しに来るのです。
事業所が独自に食料調達の道を探す
北朝鮮の事業所でも、物価はしきりに上がっているのに、働き口はなく、従業員に給料も払えないので工場長も事業所の党秘書も立場を維持するのに困難になっている。
給料の一部としてかろうじて行ってきた食糧配給も、米の値段が高いために市場からの調達ができず、事業所の指導員、党秘書が事業所内の中国に親族を持つ個人を選抜し、可能性のある人に親族訪問を依頼し、職場での配給用食糧の入手を頼む例が増えてきています。逃亡の恐れのない人を選んで、事業所の党秘書が承認し、任務として中国へ派遣するのだそうです。
中国親戚訪問に来る人を通じて米を調達すれば、ほとんど中国の原価そのままで仕入れることが可能だからです。しかし、仕入れるといっても仕入れに必要な資金も持たずに、中国にやってくる「無謀な試み」が目立ちます。
次回の支援品には栄養剤、解熱剤、出来れば血圧を計る機材も含めてくださるようお願いします。
<注>食糧支援のため皆様のご協力をお願いします。国際機関、海外からの食糧援助は軍、党、政務院に優先配分され、地方には届かないのが現状です。
| 脱北者を装った女スパイ逮捕事件 | ||
| 指令:「重要情報」をもって日本へ行った女を捜せ | ||
| 当基金は接点なし、一切無関係 |
脱北者を装って韓国に亡命し、複数の韓国軍将校と性的関係を結び、得ていた軍情報を北朝鮮に送っていたスパイ事件が明るみに出て話題になっている。
この事件が、黄長Y・元労働党書記や脱北者の動向把握、そして日本での脱北者情報収集も含まれているとされることから、日本が急にクローズアップされてきた。さらに、日本人男性との偽装結婚のための見合いや、川崎、仙台、大阪などの地名まで含まれていることから、脱北者の定住を支援するNGOの関与が取りざたされている。
根拠のないことだが、元正花(ウォン・ジョンファ)容疑者や、彼女が北朝鮮国家安全保衛部の指令で探す「北朝鮮の重要情報を入手し、脱北して日本へ行った50歳代の女」とNGOが関係しているのではないかとの疑念が、当基金に寄せられた。
しかし、当基金には元正花容疑者との接点はない。また、起訴状にある「重要情報を持って、日本へ行ったとされる咸鏡北道の金策市出身の50歳代の女性・金○○」にも心当たりがない。今回の事件に関して当基金は、一切無関係であることを表明する。
2008年6月末で、北朝鮮を脱出し韓国政府の保護下に入った脱北者は1万4000名にもなる。日本にも170名ほどの脱北者が定住している。彼らのほとんどは、逮捕されて送還されれば死刑を含む厳罰が待っていることを承知の上で、食糧を得る自由を求めて中国に脱出、さらに自由の地を求めて第三国へ出国した人々で、工作員とは無縁である。
近年、韓国で急増している脱北者の中に「スパイがいる」との話が囁かれているのは知っているが、スパイ事件としての摘発は初めてである。
脱北者の中に工作員をもぐりこませるのは、2000年3月21日、労働党中央委員会で「金総書記から『脱北者の中に工作員を侵入させろ』という指示があり、国家安全保衛部をはじめとする対南工作の関係部署による脱北者を利用した対南スパイ工作が始められた」と言われている。
韓国の検察、警察、軍情報機関、国家情報院の合同捜査本部は、国家安全保衛部所属の女性工作員・元正花(ウォン・ジョンファ34歳)容疑者を、国家保安法違反で逮捕、起訴したと発表した。愛人関係にあった大尉(26歳)と彼女と接触のあった韓国潜入の北朝鮮工作員(63歳)も逮捕された。
発表によると、元正花容疑者は北朝鮮でのスパイ訓練を受け、中国に派遣され、対韓工作、脱北者の送還に関わったあと、2001年10月に脱北者として韓国に渡ってきた。
彼女の出入国が頻繁であることや不自然な人間関係に捜査機関が不審を抱き、長期にわたって監視、捜査を続けてきた結果の逮捕だと言われている。
元正花容疑者は、工作員養成学校・金正日政治軍事大学(金星政治軍事大学)で教育、訓練を受けてきた人物であることが明らかになっている。
この工作員養成学校では、日本から拉致された横田めぐみさんや、教官として活動している市川修一さんらが目撃されている。
これらの情報は、元工作員で現在韓国に住む安明進氏によってもたらされていた。この経験から、元正花容疑者が拉致された日本人に関する情報を持っている可能性もある。
日本政府が脱北者を受け入れる基準を、1959年から始まった北朝鮮への「帰還運動」で北に戻った在日朝鮮人日本人配偶者とその孫までと決めているため、拉致関係情報はほとんど独自で入手が不可能だ。
| 聞き取り 脱北定住者の今(T) | ||
| 夢は、頑張ってヤキトリ店のオーナーに | ||
| 北に送還されたら銃殺刑、に身震い | 聞き手: 加藤 博 |
金春成は今年26歳で、東京荒川区立第9中学校の夜間学級を2年間通って卒業した。普通は3年間通うのだが、1年でも早く自立したいとけんめいに努力した結果である。
彼が北朝鮮を脱出してから8年目の春だった。彼が早く学校を卒業して自立したかったのには事情があった。彼は独身から、家庭を 持つ身になることが分かったから、いつまでも独身貴族を謳歌していられないと思ったのだろう。
苦難の行軍を生き抜いて
1988年、北朝鮮は食糧難で200万人が餓死したと言われた。そして、その困難に耐えて生き延びるのを、抗日パルチザンを戦ったのになぞらえて「苦難の行軍」と称していた。
どうにかキャンペーンを生き抜いたが、北朝鮮ではどうしても生きられなくて、隣の中国に逃げた。カラオケ店で働き、カラオケ店が倒産して閉鎖されると、洋服店に勤める友達の家に寝泊りして朝鮮料理店の食堂で働いた。
その時に知り合ったのが、中国朝鮮族の朴春花だった。二人は自分たちの名前に「春」があることを、たわいもなく喜び気があった。春成は、父親が日本の兵庫県から「地上の楽園」の宣伝を信じて北朝鮮に渡った在日朝鮮人だと話し、いつか父親の故郷の日本に行くことを繰り返し、やがて自分の妻となる春花に繰り返し語ったそうである。
春成は、恋人に夢を熱く語る情熱はあったが、中国では、非合法的な身分のため収入は乏しく、夢を実現する経済力はなかった。
幸運なことに、春花の母親に気に入られていた春成は、二人が日本で新しい生活ができるようにと資金を出してくれることになった。
戸籍を8000元で買う
春成は、自分で働いてためた金で、一生中国から出ないだろうと思われる同年代の人の戸籍を8000元(約12万円)で買った。
公安局でパスポートを申請し、瀋陽の日本総領事館で日本行きのビザを取得で来た。晴れて、日本語を学ぶ専門学校生となったが、日本での生活は生易しいものではない。日本に着いた翌日から働かなければならない身分だった。昼間は学校で日本語を勉強し、夜は二人で学費を稼ぐために居酒屋で働く毎日が続いた。きつくても夢が一つずつ実現しそうだった。
万事休すー強制送還ー公開処刑?
カネは少しずつ溜まったが、働きすぎて腰を痛め、疲れも溜まって学校も休みがちになった。6ヶ月をすぎて後期の授業の登録時に、出席日数がたりなくてビザの更新に学校の推薦がもらえなくなった。このままでは、中国に送還されてしまう。調べれば不法にパスポートを取得したことも発覚、最悪、北朝鮮に送還されることになる。一北朝鮮に送り返されたら、自分がかつて立ち会わされた、あの公開銃殺刑になるかもしれない。万事休す。
滞在ビザが切れるまで1カ月しか残っていない。中国からタイ経由で韓国に入国していた母親からのアドバイスで、救援NGOの北朝鮮難民救援基金に接触してきた。
(次号に続く)
| 10月・東京国際映画祭参加作品 | ||
| 映画『クロッシング』を鑑賞して | ||
| おじゅんふぁん |
平日の火曜日だというのに、新宿区神楽坂にある単筍区民会館の会場は3分の2以上埋まっているだろうか。聞くところによると、インターネットぐらいでたいした宣伝はしていないらしいとの事。
準備期間もめっぽう短かったというから、よくぞここまで集客できたものだと感心しきりであった。ただ、ざっと会場を見渡すと、どうやら北朝鮮の問題を多少なりともかじっているであろう人(自分もそのうちの一人だが)がたくさんいるような感じもして、もしそうなら、できればあまり実情をよくわかっていない一般の人にこそ見て欲しいとも思った。
肝心の映画は途中映像が止まってしまい、興ざめしてしまうハプニングもあったが、ストーリーそのものは上出来ではなかったかと思う。広く一般の方たちに現状を分かって欲しいという目的なら充分すぎるぐらいだと思う。
主人公の子供があともう少しのところで亡くなってしまうのはちょっと残酷な気もするが、問題を提起するメッセージを含んだ映画としては、これぐらいの方がインパクトもあってちょうどいいのかも知れない。いぜん見た映画『セブン』の不幸な終わり方が今でも心に残っているからだ。
ただ気がかりなことが一つ。主人公の親子はもちろん、北朝鮮の人々が翻弄される原因がなんなのかについて、いまひとつ弱かったように思う。もちろん北朝鮮の問題を知る人であれば充分承知していても、一般の人が見たらどう思うかが気になった。
志半ばで不運に見舞われ、父親としての不甲斐なさに慟哭する主人公は自分を責める。自分さえ助かればと家族を捨てる脱北者、まるで余計なお世話をしたかのような人権団体、暗躍するブローカー、現実逃避を促すかのように映し出される宗教者。母の病気さえなければ貧しくとも幸せだったのにと思わせる回想シーン。原因がそれらにあるかのようで残念なのだ。
すべての悪の根源はどこの誰なのかをハッキリと訴える場面も必要だったのではと思うのである。もちろんパンフレットには詳しいことが綴られていたが、一般の方々がそれをじっくりと読むのかについてはちょっと疑問だ。
ゆえに手前味噌ではあるが『ソウルトレイン』も抱き合わせで上映することができたら、訴求性倍増だったに違いない。
理想を言えば、同床異夢であろうと北朝鮮問題を広く提議する場合は、各団体が連携できたらもっと効果的になると思う。いろいろ文句をいったようだが、あくまで重箱の隅をつつけばの話で、見ごたえのある作品だったことは確かだ。さらに関係者の上映までに至るご苦労は相当なものだったに違いないし、上映にこぎつけただけでも素晴らしいと思う。
こうしている間にも北朝鮮のテロ国家指定解除手続き始まった。だからこそこの映画が今回限りで終わらずに、せめて札幌、仙台、 名古屋など政令指定都市で上映されたらと願わずにはいられない。
編集部からのお知らせ
『クロッシング』が東京国際映画祭で、「アジアの風」部門で最優秀アジア映画賞候補作品として上映されます。
日時: 10月23日(木) 16:40〜18:26
10月24日(金) 17:20〜19:06
映画館:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ screen3〜
| お知らせ |
■10月4〜5日、グローバルフェスタ JAPAN 2008に参加します!
グローバルフェスタは、国際協力に携わるNGO等の各団体・政府機関が一堂に会し、それぞれの活動紹介や各種イベントを通じて、国際協力に対する市民の関心を高めることをねらいとしています。
会場は日比谷公園です。開催時間は10:00−17:00です。
なお、両日、北朝鮮の切手、紙幣などのグッズのオークションをします。(事務局)
■一緒にワン・ワールド・フェスティバルに参加しませんか!
12月20日(土)、21日(日)の2日間、大阪国際交流センター(アイハウス)でワン・ワールド・フェスティバル(上記のグローバルフェスタと同趣旨のイベントです)が開かれます。当基金も参加します。
開催時間は初日が10:00−17:00、2日目は10:00−16:00です。
(実行委員会)
■子ども絵本の寄贈、ありがとうございます。
当基金では、北朝鮮からの脱北者のコッチェビや、北朝鮮人の母親が強制送還されてしまい孤児になった子どもたちを保護しています。子どもたちが将来、社会生活を円滑に送れるよう、最低限でも義務教育程度の能力、そして豊かな感性を身に着けることを目標に図書の充実も図っています。
絵本は日本語であるために、これらに韓国語訳を付けたいと思います。どなたか協力してくださいませんか。訳が終わったら現地のシェルターに届けます。