北朝鮮の子供たちが使っている教科書の粗悪な紙質や印刷に驚く女生徒たち

        @大阪ワン・ワールド・フェスティバルの当基金紹介ブース

 C O N T E N T S

  北朝鮮の咸鏡北道で冬季配給作戦  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   救援グループ JYO
  脱北者証言―中国の主食はお米!  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   吉次 力
  北朝鮮人権侵害問題で連日シンポ(写真)  
  北朝鮮人権問題啓発週間を終えて  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   加藤 博
  12・2世界同時行動と胡錦濤主席あて要請書  ・・・・・・・・・・・・・・    
  釈放された崔永勲氏夫人の手紙と解説  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・   金 鳳順
  1998年版北朝鮮―中国国境協定   
  脱北女性と中国籍男性の間に生まれた子供たちの問題  ・・・・   久間 学
  日本人妻からの手紙―今は3人だけ   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   咸鏡北道の静子
  ワン・ワールド・フェスティバルに参加  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   百瀬六華
  タイ語版「 Are They Telling Us the Truth ? 」発刊協力のお願い  
  *  
咸鏡北道で支援活動  支援募金の30万円  
米 1 トン、抗生物質、冬服を支給     救援グループJYO

 皆さんからいただいた募金30万円を使って、北朝鮮咸鏡北道に配給作戦を行い、無事終了しましたので報告します。
11月末からおよそ10日間にわたって救援チームが咸鏡北道会寧市に入った。中国から冬服、医薬品、抗生物質のマイシン、ペニシリンなどを数個のダンボールにいれ、5人が運びいれた。
 北朝鮮側の税関に賄賂を渡し、通関手続きを早めてもらうと、外には荷物運びで賃稼ぎをしようと待ち構える苦力(人夫)が待ち構えている。荷物を奪われないように出迎えに出てきたパートナーを探して、混雑から抜け出すのが一苦労だった。自分の荷物をしっかり握っていないと、たちどころに自分の所有物でなくなってしまう。
 北朝鮮国内のパートナーは「外部の援助が途絶えてしまい孤立状態です」「物価はものすごく値上がりし、市民の不満は毎日毎日高まっています」と早口に中国側の救援リーダーに伝える。
 会寧市には自由市場があるが、中国との国境に位置しているので売買時間が朝8時から夕方5時までと決められ、時間外取引が厳しく統制されている。
 市場で僅か1mx2mの店を出している商売人は、「これでは商売にならない」、「生きていけない」など不満が渦巻いていた。
9月の初めに、商人たちが営業時間の統制に不満を持ち、市場の管理責任者に抗議する事件が何度も起きた。そのうち1回は会寧市人民国家安全保衛部にまで押しかけたと言う。デモ行為の中で参加者一人が圧死し、数人が怪我をしたと聞かされた。
市場の管理、営業時間の統制は厳しく、抗議やデモでは解決せず、11月にも9月に起きたような抗議デモが行われ、20-30人が逮捕されたと当時の様子を語った。
問題の根本は、大多数の人が食糧難で、商売をしながら何とか生計を立てているのに、当局が市場に持ち込む商品やそれらの自由売買を厳しく統制していることであり、商人たちの不満は収まらない。
北朝鮮側のパートナーの責任者の話によれば、住民の出入国も厳しく制限している。
100名が申請して2-3名しか許可が下りない。賄賂をだしてもこの有様だ。
 最近は、中国住民の北朝鮮への親族訪問も「親族登録」をしていないと認めないし、中国への出国も認めない。中国から招く親族の人定事項を外事事務所、国家安全保衛部、税関等の機関に事前登録しなければ許可が下りない。
親族登録のためには、北朝鮮住民が6,000ウオン(1中国元=400北朝鮮ウオン=17日本円)の費用を支払わなければならない。
会寧市場の物価は北朝鮮ウォンで次のようだった。米1kg:1,300、トウモロコシ1kg:550、砂糖1kg:1,800、小麦粉1kg:750、豚肉1kg:3,300。
 中国からの支援物資は、貧しく冬服を持たない家庭に優先的に配給した。
薬は市場でも品薄で、中国では1単位15人民元(6,000ウオン)で買える抗生物質が、安くても12,000ウオン〜16,000ウオンの値がついている。
今回マイシン、ペニシリンを20単位ずつ持っていったが、現地の責任者を通じて実際に必要なところに配給し、残りはこれから必要とする人のためにストックすることになった。
救援チームが中国に戻った後、北朝鮮のカウンターパートから、市場の営業時間が、2回の商人との衝突事件以降、夜7時までに延長されたと伝えてきた。灯油ランプを使って暗い中でも営業しなければ食べていけないとの理由から決まった。

脱北者の証言から  
   中国の主食はお米なんですね!  
     軍人による食糧倉庫の略奪も頻発  
            吉次 力

 北朝鮮が核実験に踏み切った昨年10月以降、国際社会の北朝鮮制裁が北朝鮮経済、北朝鮮住民に及ぼす影響は一体どれぐらいなのか、その反応を気にしながら私は今年の1月に中国の中朝国境の町を歩いてきた。
去年の末から天井知らずに値上がりしている北朝鮮物価は今年に入ってもその勢いは止まらず、そもそも貧しかった北朝鮮住民の生活に大きい打撃を与えているようだ。(編集部)

今年の1月18日に脱北して来た、咸鏡北道吉州郡出身の金順玉(仮名、女、56歳)との会話をまとめてみると次のようになる。
彼女は、主人が8年前に栄養失調で亡くなり、一人で子供3人を育ててきた。しかし、長男も2004年に盲腸の手術中に亡くなってしまう。
 彼女は病気を理由に職場をずっと休んで扶養者の身分になった。そのため自分で商売をしながら生計を維持するしかなかった。主に加工食品の販売をやってきたと言う。
 しかし、去年の11月からの物価の高騰により、品物を仕入れる能力を失い、商売がまったく出来なくなった。
 このままでは自分は勿論、残った二人の子供たちも生きられないと思い、知人と一緒に中国に脱出することを決心したと言う。
 生まれて初めて中国に来てみてびっくりしたのは、中国では貧しい田舎の人たちでも白いご飯を食べていることだ。
「中国に来てみて一番印象的だったのは何ですか?」と聞いたら、「中国は(主食が)お米のレベルですね」と迷わずにすぐ答えた。
やはり、お米という物が北朝鮮ではどんなに貴重な存在であるものなのか想像がついた。
金さんが住んでいる周辺ではお母さんたちが皆商売をするそうだ。なぜかと言うと配給も完全に無くなり商売をしないと生きていられないのだ。する仕事は主に食べ物の商売が多い。
しかし、市場での食糧の物価の高騰は静まらず、工業品なり生活必需品の価格も後をついて値上がりしているので、住民たちの泣き声は止まらないのだという。
また、金さんの話によると、会社(中国と貿易関係を持っている会社のこと)でも今まで週1回行われていた配給が去年の11月に入ってからは月1回になってしまったそうだ。
その原因を尋ねてみると、中国側は輸入代金として今まで米で決済してきたが、11月からは米ではなく現金での決済が行われるようになり、米が中国から入らなくなったのだと言う。
もう一人の清津から来た脱北者・朴さんの話によると、清津市内の1月の市場でのお米の値段は1kg当たり1200ウォン、(1元=300〜400北朝鮮ウォン、1元=17円)トウモロコシは1kg当たり300ウォン、豚肉は1kg2500ウォンで、一般労働者の月2500ウォンの給料では生計を維持するのは不可能だと訴えてきた。
9年前に中国に脱北して来て、現在中国朝鮮族の夫と生活している李さんの家に、1月15日咸鏡北道会寧市にいる娘から一本の電話が来たという。
 その内容とは、自分が住んでいる××郡では、お母さんが食料を求めて初めて中国へ脱北した1998年頃の食料不足事態に再び戻っていると訴えている。
 娘は癌という診断を受けて手術治療が必要なのだが、余りにも体が衰弱しすぎて手術も受けられない状況だと言う。それでお母さんに電話して、自分はこれ以上北朝鮮にいるとそのまま死んでしまうので、お母さん助けてという内容だった。
脱北者の朴さんの話によると、北朝鮮当局の厳しい統制が強まる中、北朝鮮から中国へ脱出する際に国境警備隊に支払う賄賂の渡航費は北朝鮮ウォンで、30万ウォン(約17,000円=1,000人民元)で行われているようだ。
 10年にわたって続いている北朝鮮の慢性的な食料不足によって、多くの住民たちはまともな栄養摂取が出来ておらず、伝染病に対する免疫力が低下し、幼い子供と60歳以上の年寄りの中で栄養失調による死亡率が高まっている。
 私は、特に北朝鮮が核実験に踏み切った昨年10月以降から国際社会による北朝鮮制裁が続いている中、北朝鮮内部の食料不足により、1997年ごろに起きた大量餓死者が出てきたように推測をしていた。
しかし、金さんの話によると、食料はかなり不足しているのは確かだが、長年の経済制裁に慣れてきた住民たちから見れば、北朝鮮は過去より市場が活性化しているので、食糧難を勝ちぬいていく忍耐力が強くなり、多量な餓死者が出ないとの説明であった。すなわち、今は強者だけが残っているからだと言うのだ。
割り引いて考えても、私には北朝鮮人特有の強がりに聞こえて仕方がなかった。
「90年代の中期のように労働党の支持に無条件に従って、そのまま食べられずに衰弱して死んでいく事件はもう起こらない。」今年脱北してきた金さん、朴さんたちは証言する。その通りになってほしいと思う。
言葉の端々から、食料不足はかなり厳しいと言うことはひしひしと伝わってきた。
「軍人による農場の食糧倉庫略奪」「一般住民による生計のための犯罪は頻発している」と諦めと絶望の言葉も語られた。

北朝鮮人権侵害問題啓発週間を終えて  
難民、拉致、強制収容所、立ちはだかる中国  
「独裁者の排除が必要」で認識が一致  
  加藤 博

 
 ’06年は、北朝鮮人権問題解決への一歩に大きな里程標となった。完璧とはいえないまでも日本版「北朝鮮人権法」が成立したからである。同法案は12月10日から16日までを北朝鮮人権侵害問題啓発週間を定め、「国及び地方公共団体が趣旨にふさわしい事業をする」と定めている。
北朝鮮人権侵害問題啓発週間は、9日のRENKのプレイベントから始まり、“北朝鮮難民救援基金”と“北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会”の共同イベント・「映像とシンポジウムで語る北朝鮮」、「北朝鮮人権侵害問題国際シンポジウム」そして家族会、救う会、調査会の「拉致被害者写真展」、また救う会、家族会、拉致議連による「北朝鮮による国際的拉致の実態と解決策」を考える国際会議、守る会主催の「北朝鮮政治犯収容所の解体に向けて」など多彩なイベントが計画、実施された。
初日のさいたま芸術劇場で行われた「映像とシンポジウムで語る北朝鮮」では、1959年から「地上の楽園」の宣伝のもとで組織された北朝鮮への帰還運動で北に渡った人、送り出す側に関わった双方からの経験が生々しく語られた。
それぞれの催事が充実した内容で高い関心が寄せられた。企画はそれぞれ日本の
NGOが主体になって計画されたものであるが、政府、地方自治体、国会議員も参加する行事になった。
又、拉致問題が国際的な広がりをもち、国連機関、アメリカ、韓国、日本、タイ及び関係各国大使が参加するなどあらたな波紋を広げている。
北朝鮮人権侵害啓発週間が、拉致の問題も北朝鮮難民の問題も、北朝鮮の収容所の問題も金正日の独裁政権下の深刻な人権侵害問題で、根は一つであるとの共通認識を確認したことに大きな意義があった。金正日の軍事独裁体制の下で行われている大量虐殺、民族劣化政策、大量殺戮兵器の開発を中止させるには、独裁者の排除が必要だとの認識も、各会場で共通に出された見解である。そして、北朝鮮の人権改善には中国の存在が立ちはだかっているとの認識も示された。
6カ国協議では、北朝鮮の核問題は解決されない、何の成果も期待できないだろうという悲観的な見方で一致している。
冷静に観察すれば、私たちには各国が拉致、収容所、難民、人権侵害について本気で解決しようとしているとは思えない、との指摘もあった。
日本政府の拉致に特化した姿勢、アメリカの核開発阻止に特化した姿勢、中国の平和的な仲介者を装いつつ北朝鮮の経済権益を狙う姿勢、韓国の対北融和政策を北朝鮮は冷静に分析し各国の離間を図りながら、国内体制固めに成功する気配すら感じるからである。
6カ国協議が国家権益の調整の場である限り、中国の態度をかえさせ、北朝鮮の態度を変えさせることはできないだろう。人権を基本にした対北戦略が早急に必要と主張するNGOと政府の合意形成が一刻も早くできることを期待する。
又、政府がこの法案を「努力目標を定めたもの」として終らせることなく、実効あるものにすることが求められる。そのためにはNGOがさらに問題解決のために活躍できる人的、財政的支援の環境を整えることも忘れてはならない。

   北朝鮮人権侵害問題啓発週間に連日シンポを開催  *


12月10日 彩の国さいたま芸術劇場
「映像とシンポジウムで語る北朝鮮」 



12月11日 JICA国際会議場
「北朝鮮人権侵害問題国際シンポジウム」

14カ国・21都市で同時行動
    中国は脱北者の強制送還をやめよ!
      不当逮捕している脱北者、救援活動家を釈放せよ!


 12月2日、アメリカのNorth Korea Freedom Coalitionの呼びかけに答え、世界同時行動として、約40人が東京の中国大使館前で脱北者の強制送還、不当逮捕を直ちに停止し、人道的措置を取ることの要請、抗議活動を行いました。
中国大使館正面玄関前(道路を挟んだ向かい側)での抗議活動は、一回につき5人までと制限された中で行われ、拡声器も使えない状況下で、ポスターや、手書きの横断幕などを掲げ、下記の要請書を読み上げ、そして中国に拘束、強制送還された脱北者の氏名も淡々と読み上げました。
また、カチン女性同盟東京支部の人たちが20名ほど参加し、中国人とビルマの軍事独裁政権の組織的な人身売買の告発をしました。
この行動はロンドン、トロント、ヒューストン、ロス、シカゴ、ソウル、東京など世界14カ国、21都市で同時に行われた。

中華人民共和国 胡錦濤 国家主席閣下への要請書
  脱北者の強制送還、不当逮捕を直ちに停止し、人道的措置を取ることの件

この12月初頭、アメリカ、日本、韓国、欧州において、幾つもの市民団体が連携して貴国大使館前に抗議・要請行動を行います。私達の想いは国境や民族、思想の違いを超えて ただ一つ、北朝鮮から飢餓と抑圧を逃れて貴国に脱出してきた人々の人権と人命を守ろうとする意志によって結びついています。
 90年代から、数万とも数十万ともいわれる脱北者が貴国に逃れていることは当然ご存知のことと思います。しかし、貴国政府は、私たち市民団体や世界の良心の訴えに耳をふさぎ、北朝鮮に送還されれば様々な拷問や強制労働など過酷な運命が待ち受けているにもかかわらず、脱北者を北朝鮮に強制送還し、また救援活動家を不当逮捕し続けています。
 この行為は非人道的のみならず、貴国が批准している難民条約にも違反する不法な行為であり、貴国の国際的な名誉を自ら大きく傷つけるものです。
 中国国内では、脱北女性の強制売春、人身売買など人格を無視した蛮行が横行すると共に、貴国国民と何らかの形で婚姻関係になった脱北女性が子供を出産しても、その女性たちは不幸にも逮捕されれば北朝鮮に送還されています。
 この子供たちは何ら罪がないにもかかわらず、正当な国籍もなく、教育も保護も受けられず、場合によっては孤児として貴国をさ迷う運命が待ち受けています。貴国は最も弱い立場の子供たちから、母親を奪うという無慈悲で残酷な行為を行っているのです。
 私達は、人道・人権の立場から、以下の件を貴国政府に要請します
1、 脱北者の強制送還、逮捕、拘束を直ちに停止し、UNHCR他国際機関の監視下で、彼らを貴国国内で正当に保護し、希望する第三国へ安全に通行、出国を許可されるよう要請します。
2、 現在逮捕、拘束している脱北者、人道支援家を即時釈放するよう強く要請します。
3、 貴国国民と結婚した脱北者、及びその子供に対し、一定の猶予期間の後、貴国国籍を付与し、定住を許可するよう求めます。          2006年12月2日
北朝鮮難民救援基金 事務局長 加藤博
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 代表 山田文明

2003年、煙台ボートピープル事件
釈放された崔永勲氏の妻から感謝の手紙


 今日は!! 崔(チェ)永(ヨン)勲(フン)の家内の金(キム)鳳(ボン)順(スン)です。皆様の心温かい応援とお祈りのお陰で私達家族はいままで頑張って来られたと思います。
 夫が釈放されてから直ぐ感謝のお礼をすべきでしたがいろんなことが重なり、心が落ち着かず遅くなってしまいましたことをお詫びいたします。
 去年11月29日、夫が釈放されたときの喜びもつかの間、夫の変わり果てた姿に私たち家族は再び絶望に落ちいりました。
 泣く力もなくなり、家族みんなが一緒に死んでしまいたいと思うほどいろんな辛いことがあり、いくら頭を抱えて考えても答えは出ませんでした。
 そのうえ、私まで交通事故にあい病院に入院しました。このような状況では私ひとりの力ではどうすることも出来ませんでした。私にとっては皆様の心温かい励ましが、勇気を振り絞って生きて来られた唯一の支えでした。
 精神的な患いと心身とも疲れ果てて帰ってきた夫ですが、私の傍にいることを神様に感謝するようになりました。すべてのことを謙虚に受け入れるようにと日々努力しているうち、今は素直に神様に感謝できるようになりました。
 4年の長い間、私たち家族の為に暖かい愛を注ぎ、希望を失わないように見守ってくださった皆様に心から感謝しています。
 夫は今では少しずつ回復しています。また、心身とも明るくなり、新しく生きる道を考えるようにまでなりました。今まで皆様から受けてきた愛を、これからは私たち家族を必要とする人々に分けて上げることが恩返しの道だと思っています。
 二人の娘達もいまは落ち着いて夫の帰りを心から喜べるようになりました。
 皆様のお陰です。本当に有難うございました。      2007年1月26日
                             (日本語訳:金美熙)



国家人権委員会で崔氏と家族、支援者らが体を捕縄で縛り、抗議デモを行った。

<解説> 仮釈放後の事実経過
崔氏は脱北者の韓国行を助けたことによって「不法越境組織罪」で中国公安に逮捕され、3年11ヶ月間服役。昨年11月29日に仮釈放された。韓国仁川空港で待ち受けていた家族、支援者は彼の異様な精神状態、言動、変わり果てた容姿に驚愕した。
彼は「昨年9月から約3ヶ月間監獄で強制的に薬品注射を打たれ、中国人同房囚人による集団殴打を毎日、昼も夜も受けた」「自国民が監獄で人権蹂躙にあっているのに、駐中韓国担当領事はほとんど面会にもこなかった」と暴露した。
直ちに「中国当局による崔永勲弾圧行為真相究明委員会」が結成され、1月18日に国家人権委員会に陳情書を提出。記者会見後、外交通商部まで抗議街頭行進をした。
真相究明委員会は以下のことをなどを促した。
1、中国当局が崔氏収監中に行われた暴力を放置し、その事実を隠そうとする真意が何か明らかにする事。
2、強制投与した薬品の種類を公開する事。
3、中国監獄内の韓国人の人権蹂躙を傍観する外交通商部の担当者問責と交替要求。
4、中国監獄内の韓国人収監者をはじめ、北朝鮮人権活動家らの身元確認および安全の有無公開。  
(編集部)

脱北者関連条項を主に  
北朝鮮-中国国境協定、’98年改訂が判明  
  基金翻訳グループ

 1月22日、韓国の聯合通信が1998年7月、総10条35項目になる国境地域業務協定が北京で締結された、と報じた。
同協定は北朝鮮からは国家安全保衛部代表として李ハンヨブ中将、中国側は公安部代表として李ジゾウ副部長が署名し、今後20年間の効力を持つことも定めた。
これは1986年8月に中国と北朝鮮の間で締結された協定書の改訂版で、1986年版では、不法越境者のリストと資料を「状況により」相手側に引き渡すようにしていたが、’98年の新しい合意書ではそれを相手国にすぐに渡すことを定めている。現時点で入手しうる協定内容を報告する。

「国境地域に於ける国家安全と社会秩序維持事業の相互協力に関する協議書」
第1条:双方は両国の国境地域での安全を維持し、国家、社会、財産など住民の生命財産を保護する事業で相互に協力する。

7項:双方の警備隊と警察は国境地域で公務を実行する際、国の安全を侵害したり、破壊行為をしようとしている者、その他国境秩序を違反する者が教育に応じず、暴力で抵抗し公務実行中の双方の警備隊と警察の生命に脅威を与えた場合を除き、銃を発射してはならず、軍犬を放してもいけない。

第4条:双方は非法越境を防ぐことについて協力する。

1項:正当な証明書を所持していないか、所持していたとしてもそれに該当する通行地点と検査機関を通じていない証明書を所持して国境を越えたものは非法越境者として見なす。
しかし、あらゆる災害と不可避な実情(精神病者など)から国境を越えたものに関しては非法越境者としては処理しない。

2項:非法越境者の名簿と関係する資料は直ちに相手側に渡すこと。
しかしその中で相手側の地域で罪を犯した場合は、その国の法律に従い処罰することは出来る。その状況については相手側に通報しなければならない。
第5条:双方は犯人たちとの闘争で相互に協力する

1項:武器と爆発物など各種危険品を所持して相手側の地域内に逃亡した可能性がある犯人に対しては、その人の写真、印象特徴、彼が所持した武器と爆発物、危険品、罪の内容など詳しい資料を時間と地点に関係なく直ちに相手側に通報する。
通報を受けた側は、彼らの犯罪行為を阻止し、逮捕に至るまでの必要な協力対策を立てなければならない。
一方は相手側で罪を犯して逃亡してきた犯人を逮捕した場合は、直ちに相手側に引き渡さなければならない。
一方が相手側に逃亡してきた犯人を逮捕するために相手側の地域内に入って捜査活動を行うことが出来るが、相手側に捜査、逮捕の依頼を提出しなければならない。依頼を受けた側は、早期に犯人を逮捕して関係資料と一緒に引き渡さなければならない。

第9条:双方の各級国境安全、公安代表たちの相互連絡、協議のやり方は次のとおりである。

2項:双方は犯人、非法越境者、資料、所持品、財産の引渡しは、その時毎に協議して便利な任意な地点で行う。

新しい課題―脱北女性と中国籍男性との間に生まれた  
幼い子供たちの教育、身分問題は?  
  久間 学


 北朝鮮当局の厳しい統制、中国公安による摘発、北朝鮮への強制送還、中国以外の第3国或は韓国への亡命など、90年代の中期から10年にもわたって、脱北者問題が国際社会で話題になっていた。
2007年に入った今は、中国国内の脱北者数が減っているのか、或は増えているのか、どれ位の数がいるのか、中国政府の公式な統計がない限り誰もが判断しにくい。
時の流れにより、強制送還された人、韓国、東南アジア、日本、米国など自由な国へ亡命した人、北朝鮮から逃げてきた脱北者たちはさまざまな形で自分が生きてゆく新しい人生を選択して来た。
又、その中、中国に定着して生活している脱北者の数も少なくない。
定着して生活している脱北者はほとんど女性が多い。生活方法としては、中国の朝鮮族や漢族の男性と結婚するものが多い。結婚といっても、そのほとんどは人身売買で売られて結婚するケースが多い。
携帯電話で組織内部から連絡を取りながら、売春商品探しに必死になっている中国国境の町・延辺の人身売買ブローカーたちは、脱北女性を捕まえて中国の農民、或は売春場所に売り飛ばす。
最初は中国東北地域の農村部が主な売買場所になっていたが、今は山東省、雲南省など南のほうにも広まっているのだ。
これはもう完全に組織的な犯罪集団になっている。北朝鮮からの脱北女性は彼らにとっては金稼ぎの商品である。
たった1、2年前の話だが、延吉では北朝鮮の脱北女性が処女の場合は年齢、容貌、健康状態によって6,000元〜16,000元の値段が付いていたそうだ。
又、脱北女性が命を懸けて売春しながら集めたお金を「お前を韓国へ安全に送ってあげる」などと、中国朝鮮族ブローカーの巧みな嘘によって騙しとられるケースも多い。つまり2重被害にあう女性もいるのだ。
運がよく友人なり、親戚からの紹介で中国人男性と結婚する女性もいる。
しかし、彼らの結婚は非合法で中国の政府は今も認めない。従って、彼らの子供も法律上では認められないし、住民登録も出来ない状況なのだ。幼稚園はもちろん学校にも行くことが出来ないのも現実のことだ。
しかし例外的に農村の場合は学校に行ける余地は残っている。
中国人男性と結婚して北朝鮮脱北女性はどのように暮らしているのか? 幸せな生活を送っていたのか? 又、中国人の夫の生活能力はどうなっているのか?
非公式に調べた結果、中国人の夫のほとんどは知的障害者、身体障害者であることが多い。そうでなかったとしてもほとんどが農村部の男性が多く、経済的にも一番最低限のレベルの人が多かった。
今、中国で潜伏生活をしている脱北者の新しい問題は、中国公安の摘発によりお母さんがいなくなったり、中国人の夫があまりにも貧しくて他の所に移って幼い子供だけが残ってしまったり、又無能な中国人のお父さんにも捨てられて孤児になってしまう子供たちが増えていることだ。
これらの子供たちの年齢層から見ると、大体3〜8歳くらいの子供が多い。
今年一月、筆者は現地の協力者の紹介で北朝鮮の女性が生んだ5人の子供と会ってみた。5人の中3人はお母さんがいなかった。そのお母さん3人ともが中国公安により強制送還された後は行方不明になっている。お父さんはみんな中国の朝鮮族で農業
を営んでいるが、正常に働ける人は一人もいなかった。みんな知的障害者もしくは身体障害者だった。
今中国で実施している「新農村づくり運動」で、農村の学校では教育費はほとんど掛からないようになっている。しかしほんの少しの雑費(月10元、約170円)もなくて学校に行かせていないのが現実である。
現地の協力者の証言によると、自分が住んでいる中朝国境の××村は20棟ぐらいの住民が住んでいる小さな村でありながら、子供を生んだ後でいなくなった北朝鮮の女性が残した子供は11人ぐらいいるという。
この数値から見ると、中国全土に散らばっている北朝鮮女性が産んだ子供の数は誰も想像できないだろう。中国において、このような子供たちに対する教育問題、身分問題、将来の就職問題など、さまざまな新しい問題が生まれて来るに違いない。

日本人妻からの手紙  
27〜28人いた人も今は3人だけ  
        咸鏡北道  静子


正直さん
お元気でお暮らしのことと想います。
一度会ってみたい気持ちで一ぱいです。
私の住む郡には、私のような女性(日本人妻)が27,8人居りましたが、今は3人しか残って居りません。色々な苦労を超えて80才になります。
 今一度会っておさない頃の話しートヨお母さん、千代姉さん、洋一兄さんと色々おさない頃の話をして見たいですが、それもすぎさった一つの昔話の様です。
私の近くに住んでいた友達・○○春子さん60才を少しすぎた人が東京に住んで居りますが、私の友達です。○○さんより電話が来ると思ひます。私と共に30年位すぎた人ですからよろしくね。
私たちのお母さんは何の病気で亡くなりましたか。
おなかがいたかった様ですが、イデンなのか私の家の子長男が54才ですが、胃ガンだと言う病名をもらひましたが今の所は食事は出来、人達はガンではないと言ひます。おなかのゴリゴリの玉をちらす様に話します。
今、私の生活はくすりは買へないので山に行って草または木の皮、木の根をほってかわかしたり、粉にしたり色々と昔しの人の話しを聞いてやってみますが、なかなかききめがありません。
長男の息子二人は、兵隊に出て居るのは病人、よめ、私と三人ですが、生活はよめが一人働いての生活でヤットコさで、病人のくすり又食事が大変です。
正直さんには此の様な話はしないつもりですが、しかたなく書いて居ります。どうぞ、よろしくお願い居たします。
春子さんも60才のおばあさんですが、ひるもよるも働いて居られます。
生活のために正直さんの家も大変な事と思ひますが、今一度だけ、二度此の様なお願いひはいたしませんから一枚でも送ってください。お願ひします。正直さんお願ひ致します。
此の子の父親もおなかが良くありませんでした。亡くなるときはシンゾウマヒで急に亡くなりました。今此の子はまだ50代です。なんとか薬を使って此の坂道を乗り越えてと思ひますからどうぞお願いします。
此の先はどのようなことが有っても此の様なお願ひ申しあげます。
御一家の皆様の御幸福を願ひます。
正直さん、お元気でね。この手紙の幸福な、答えをまって居ります。春子さん経由で送ってください。   十一月一日
正直さんへ         静子
(編集部注:原文のまま掲載しています)

ワン・ワールド・フェスティバルに出展参加!  
  百瀬 六華

     
 2月3日〜4日、大阪国際交流センターにて開催された「2006年度ワン・ワールド・フェスティバル」に、北朝鮮難民救援基金のブースを出展しました。人権抑圧や民族紛争、難民問題、在日外国人支援などに取り組むNGO・NPOが一同にそろい、活動内容をアピールするフェスティバルです。今年で14回目とあって知名度の高いイベントであり、両日とも多数の来場者でにぎわっていました。基金からの参加者は私を含んで7人です。
 基金のブースでは、北朝鮮で使用されている教科書、元収容所警備員・安明哲氏が描いた収容所の絵のパネル、脱北者が履いていた靴を展示した他、書籍、脱北者が編んだニット、延吉で仕入れたとうもろこし麺などを販売。「国境を越えた子どもたち」「コッチェビの光と影―餓死した両親を埋めて」のビデオ、ドキュメンタリー映画「ソウル・トレイン」の随時上映も行いました。
 ブースの前は多いときで20人ほどの人だかりができていて、特に人々の関心を集めたのは、教科書です。通り過ぎようとしていた人も、「北朝鮮で子どもたちが使っている教科書です」と呼びかけると、立ち止まって興味深そうに中を開きます。あまりの紙質の悪さ、印刷技術の低さに「これは今、使われているものなんですか?」と何人もの人に聞かれたのが印象的でした。
 一度説明を始めると熱心に聞いてくれる方が多い反面、北朝鮮擁護で知られる団体関係者を名乗る人物など、たまにおかしな来場者も現れました。また、他のブースは現地の人々との交流風景を映したカラフルな写真やパネルで飾られており、あちこちを見学して帰ってくると、基金のブースが地味なものに感じられました。
 このことはそのまま、常に危険がつきまとう北朝鮮難民問題の性質を表していると思います。来場者からも、「北朝鮮に関わる活動は厳しいですねえ」という声がありました。
 そうしたなかで、「500円でお米10kgが買える」という説明にうなずきながらTシャツを買ってくれた方や、二日連続でブースに立ち寄り、「ソウル・トレイン」のDVDを買ってくれた方、「会員になりたい」と言ってくれた方がいたのは、うれしかったです。また、北朝鮮に帰った親族と連絡が取れず哀しんでいるという在日韓国人の方に、日本のNGOがこのような活動をしていることを喜ばれ、握手を求められたことも、やる気の出る出来事でした。細々とであっても、一人でも多くの人に確実に問題を伝えていくことが大切だと思います。
 地球上には第三世界を中心に、さまざまな問題が発生しており、苦しんでいる人々を支援する幾多ものNGOが存在します。活動紹介のコーナーに並んだNGO・NPOは80団体ほどで、どちらも熱気が感じられ、一生懸命ビラを配ったり、活動内容を説明する姿に、自分たちも負けないように頑張ろうと意欲がかき立てられました。それぞれに大切な問題であり、話を聞きたくなるところも少なくありませんが、実際に活動への参加となると、積極的に関わりたいものは限られます。自分にとってはなぜ、北朝鮮難民問題だったのだろうと、基金に関わり始めてからの2年を振り返り、原点に立ち戻る思いがしました。
 関西は基金のイベントが少なく、以前から何かやりたいと考えていたのですが、皆の協力で具体的な形となり、充実した二日間を過ごすことができました。個人的にはとても楽しい体験で、来年も必ず参加したいと意気込んでいます。日ごろ会えない会員の方との交流も深まり、手伝ってくれた皆さんにとっても貴重な機会となったのではないでしょうか。今後もこのような機会を生かして基金の活動をアピールし、北朝鮮難民問題の存在を世間に知らせていきたいです。

お知らせ

 ■“ Are They Telling Us the Truth ? ”タイ語版発行協力のお願い
  この本は脱北者200人以上からの聞き取り調査の中から、北朝鮮の深刻な人権侵害の実態の具体的事例を選んで集めた証言集「彼らは真実を語っているか?」です。このほどこの英語版をタイ語訳にして、タイ国民に北朝鮮の人権状況を知ってもらおうという活動が始まった。
このプロジェクトを推進しているのはタイのチェンマイの大学で日本語を教えている海老原智治さん。海老原さんは「北朝鮮に拉致された人々を救援する会チエンマイ」の代表で、北朝鮮の人権侵害の実態をタイ国民に知ってもらいたいとタイ人の拉致被害者の「アノーチェ」さんや他のケースを取り上げ、タイ政府とも協力している。
「彼らは真実を語っているか?」のタイ語版2,000部の発行に20万円がかかります。6月までに募金を集め印刷にこぎつけたいとしています。
当基金としても2,000円以上の寄付をしていただいた方に英語版1冊を進呈しその収益金を寄付します。皆さんの協力をお願いします。

日本語⇔韓国語の翻訳ボランティア募集
 北朝鮮難民の子どもたちに、厳しい生活の合間には、絵本などを読んで健やかな、文化的な環境を少しでも整えてあげようとして始めるプロジェクトです。
 日本語の絵本に韓国語の訳をつける仕事です。希望者を募ります。