視覚障害者がパソコンを使えるために!

更新 1998/10/20
村上 真雄

目の見えない人がどうやってパソコンを使っているのか
考えたことがありますか?

コンピューターは、便利な道具です。インターネットにアクセスして、
このWebページにたどりつけたあなたなら、そう実感していることでしょう。

まして、
目が見えないために情報へのアクセスやコミュニケーションに
不自由をしいられてきた視覚障害者にとって、パソコンが使える、
ということが大きな意味をもつものだということは想像できますね。

でも、
あなたはモニタ画面のスイッチをOFFにしてパソコンを使えますか?
視覚障害者がパソコンを使うというのは、そういうことです。

でもだいじょうぶ。
画面の内容を音声で読み上げるソフトウェアがあります。
点字ディスプレイを使っている人もいます。

しかし残念なことに、
これでどんなパソコンソフトでも使えるというには、まだまだ遠いのです。
いえ、一昔前に主流だったMS-DOS用のソフトならば
画面に表示される内容は単純な文字データばかりだったので、
音声読み上げソフトをシステムに組み込めば使えたのに、
今の主流のWindows用ソフトの多くは、とても問題があります。

新しい製品は「だれにでも簡単に使える」とアピールされます。
しかしその「だれにでも」の中に、視覚障害者は入っているでしょうか?
「目の見えない人がパソコンを使うなんて、考えたこともなかった」
というのが多くの製品開発に関わる人たちの実状ではないでしょうか?

これを書いている晴眼者(目が見える人)である私(村上)は、
じつはソフトウェア開発者のはしくれなのですが、
視覚障害者がパソコンを使うということを意識するようになったのは、
昔、MS-DOSソフトが全盛のころ、たまたまフリーソフトとして作ったものが
視覚障害者の間でも使われるようになって、そのようなユーザーと
パソコン通信などでメッセージを交わすようになってからです。

パソコンユーザーには視覚障害者もいる(ほかのあらゆる障害をもつ人も)。
こんなあたりまえのことをみんなが理解するようになれば、
ほんとに「だれにでも使える」という理想に近づくのです。
そのための、ささやかな一助になればと思ってこのページを作りました。


 1995年ごろだったかまだ17才の盲学校の生徒と知り合いました。関戸直明くんです。拙作のフリーソフトXTRについて問い合わせてきたのでした。
 私は彼の話を聞いて、盲学校でのパソコン教育などはどうなっているのか、ということに興味を持ちました。また、そのころはWindowsの音声化ソフトというのはまだなくて、世の中では古いMS-DOSソフトが過去のものとなりつつあるのに、視覚障害者はそれしか使えないという問題が浮かびあがってきた時期です。
 そこで関戸くんにインタビューをして、次の記事を書きました。(1996年2月)

視覚障害者のコンピュータ利用と学校教育

 その後、関戸くんは国立身体障害者リハビリテーションセンター、国立職業リハビリテーションセンターOAシステム科、と進んで、98年1月から点字出版関係の仕事についています。
 その間、視覚障害者のパソコン利用の状況も変わってきました。特に、Windowsを音声読み上げで使えるようになってきたことです。
 そこで関戸くんに就職までのことと視覚障害者のWindowsの利用について書いてもらいました。(1997年12月)

就職までの経過とWindowsの利用/関戸直明

 ※Windows音声化ソフトに関する新しいニュースを追加しています。(1998年10月)

 関戸くんが卒業した千葉盲学校の石井明美先生から寄稿をいただきました。(1998年1月)

盲学校教育の中でのパソコン利用/石井明美(千葉盲学校)


 ちょっとしたことで、パソコンは視覚障害者にも便利になります。

●パソコンソフトを開発する人へ

 パソコンソフトを開発する側は、そのソフトを障害者も使うということを考慮に入れるべきです。目の見えないユーザーは、マウスでボタンをクリックすることができません。マウスの代わりにキーボードでアクセスできるということが必須です。音声読み上げソフトは、メニューやダイアログボックスの文字の部分を読むことができますが、グラフィカルなボタンでは読めません。
 そしてマニュアルにキーボードでの操作方法も書くべきです。そうすれば、身近な晴眼者にマニュアルを読んでもらったりして使うことができます。視覚障害以外のマウスが使えないユーザーにとっても有益です。
 デザインに凝った独創的なユーザーインターフェイスを採用するならば、それによって使えなくなるユーザーがいないか考えてみるべきです。

●Webページを作る人へ

 インターネット上のWebページも音声読み上げソフトで読むことができます。でも画像は読めません。見出しなどに文字の代わりに画像を使うときは、<IMG ...>タグの中に必ずテキストでの代替表記 ALT="テキスト" を入れてください。
 例:<IMG SRC="barrierfree.gif" ALT="バリアフリー">

 これだけのことで、だいぶ状況は改善されます。
 よりちゃんとするためには、「バリアフリーの扉」(IBM) 「音で聞きやすいホームページ作成方法」や、「すべての人にアクセス可能なHTML文書」の日本語訳(東京女大/小田氏)など参考にしてください。


視覚障害者本人のページへのリンク集

 おすすめのホームページばかりです。ぜひひととおりご覧ください。

その他、関連ページへのリンク集

 95Reader、PC-Talker、VDM100など視覚障害者用ソフトの情報/関連ニュース/バリアフリー&ユニバーサルデザイン/視覚障害者の読書支援/パソコンボランティア/弱視について/盲ろう者について/学校教育/その他


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(1998/01/01〜)