ものづくり ウクレレ編 パイナップルウクレレの材料を集める
どんな木材を使用するか考える
ウクレレの材料といえばハワイアン・コア,あるいはマホガニーというのが一般的です。とりあえずウクレレ1本分のハワイアン・コアはネットオークションで手に入れたのですが,今回は実験的な意味合いもあるので,いきなり高価なコア材を使って失敗でもしたら目も当てられません。コア材の代用として,まず考えたのはメープルです。メープルを用いたウクレレは,本場ハワイのビルダーの間でも見られます。近くのホームセンターでイタヤカエデの手頃な板を購入しました。厚さは18mmほどあります。帯のこぎりがないので,薄い板を作るのが大変そうでした。
次に目を付けたのがモンキーポッドです。ネットオークションで手頃な板を購入しました。値段もメープルやマホガニー材に比べても安価です。モンキーポッド製のウクレレも紹介されています。今回は,モンキーポッドでウクレレを作ってみることにしました。
モンキーポッドとは
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ハワイアン・コア | モンキーポッド | 購入したモンキーポッド 右はネック用として購入 |
上の写真は手持ちの木材をスキャナーで撮ったものです。これを見ていただくと分かるように木理はコア材と似ています。決定的に違うのは放射組織(横縞)が見られないということです。そして,材の堅さはコア材の方が上です。切削性はマホガニーに似ています。カンナで削ると交錯木理であることがよく分かります。交錯木理とはカンナがきれいに削れる方向(順目)と,きれいに削れない方向(逆目)とが,交互に表れる木理のことです。このため,カンナの裏金をきちんと合わせないと,逆目ぼれをおこす部分ができてしまいます。それから,もう一つの特徴は辺材が白く,心材との色の差が大きいということです。私が購入した材は,心材が中心でしたので目立ちませんが,一番右の写真を見るとその差がよく分かると思います。
いよいよ製材
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電動丸鋸用のテーブル | ベルトサンダー | 製材の終わったボディー材料 |
今回材料を切断するために丸鋸用のテーブルを買いました。このテーブルはジグソーやルーターのテーブルにもなる優れものです。ただ,付属の縦送りや横送りの定規の精度はいただけません。あまりにひどいのでアルミ製のL字材を縦送り定規の代わりにバイスで固定して使いました。
ウクレレの表板と裏板用の材料は,厚さ10mmの材料を手鋸を使って厚さ約4mmの板2枚にしました。この作業はちょっとつらかったです。帯のこぎりの導入が待たれるところです。カンナで材料の厚さを整えた後で,ベルトサンダーで薄くしていきました。ベルトサンダーで均一に薄くするのはなかなか難しいものがありました。最後は,オービルサンダーーで仕上げています。ライニング材やブレーシング材なども余ったモンキーポッドから取りました。オール・モンキーポッド製のウクレレです。
さらに秘密兵器が・・・・・
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次回に活躍するウクレレの型です。2×6材で作りました。それから右側にあるのはヘアアイロンです。これを使って曲げた木が中央のものです。30分くらい水につけた後でヘアアイロンを使うと3mmくらいの厚さのモンキーポッドも曲がってしましました。 |