ものづくり 番外編 ホットボンドでアートする
ホットボンドとは
ご存じの方も多いと思いますが,ホットボンドとはグルース・ティックを高温で熱して,ドロドロに溶けたスティックを接着材として使用するボンドのことです。接着剤は,水やシンナーなどの溶剤が乾燥することによって硬化するものが多いのですが,ホットボンドは温度が下がることによって接着剤が硬化するわけです。したがって,瞬間接着剤ほどとはいかないものの,溶剤が蒸発したり,化学変化によって硬化するようなタイプ(シリコン接着剤など)の接着剤に比べればはるかに硬化時間は速く,頑丈に接着することができます。そして,ボンドを再び暖めれば,部品をはがすことも可能です。この辺は楽器の接着に使う膠(ニカワ)と似た性質です。今回は,このホットボンドを使ってアートしてみました。
何故,こんなことを始めたのか
ジョイフル本田というホームセンターをのぞいたときに,グルーアートの本と一緒に,カラーのグルー・スティックが売られているのが目にとまりました。本のページをめくっていると,自分にもできそうかなと思い,カラーのスティックを購入しました。ちなみに,グルーアートという呼び名は登録商標であり,詳しくはテクノスというメーカーのホームページを参照してください。ただし,絵心が無いので近くに売っていたタイルを利用して模様を作ろうと考えました。このタイルはタイルでトイレや風呂場の床に敷くのではなくて(ちょっと発想が古いか),いろいろな飾りに利用するのに売られているのです。
早速作業に
グルー・ガンには高温用(170度〜210度)と低温用(120度〜130度)があり,一般にグルー・アートに使うのは,低温用のようです。その理由としては,硬化時間が速いとか,火傷の危険性が低いとかいうことが挙げられます。ただ,今回のようにガラス製のものに接着をするときには,低温用だと十分に接着できないこともあるようなので高温用のガンを用いるみたいです。私の買ったガンは高温用で,カラーのスティックは低高両用なので,この点は問題なく作業できました。ただ,低温用のガンと,高温用のスティックの組み合わせでは作業はできませんので,注意が必要です。
作業といっても,タイルをホットボンドで貼って,その周りにカラーのグルー・スティックで模様をつけていくというものですがなかなか簡単にはいきませんでした。本で見るより簡単ではないことが,よく分かりました。
やってみて分かったこと
一番問題だと思ったのは,グルースティックの色替えです。最初の色から次の色へと変える場合かなり前の色が残ります。下手すると次の色の半分はマーブル模様になって色の混ざったものが出てきます。これを完全に防ごうとしたら一般の接着に使う透明のスティックを間に1本はさんで,完全に色を抜くことですが,たくさん着けるものがある人なら良いのですが,1本透明のスティックを無駄にしてしまうというのもバカな話です。でも,トリガー式のグルー・ガンを使えばこの問題は避けては通れません。その色専用にグルー・ガンをしておけばいいのですが,プロでもなければこんな贅沢な使い方はできません。
ところが,太陽電機産業のホームページを見ると指押しタイプのホットボンドというのがあって,スティッククリーナーというところてんを押す棒みたいなものを使えば,簡単に色が替えられるということが分かりました。これからホットボンドを使ってアートしようと思ったら,このガンを購入するのをお勧めします。
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写真1 今回使用した材料です。 |
写真2 グルーガンです。高温タイプのものを使 しました。 |
写真1
手前の袋に入っているのは小さなタイルです。ビンの中に立っているのは,カラーのグルースティックです。
写真2
グルーガンは高温用のトリガータイプを買いました。後で分かったのですが,もっと便利なものがあったのです・・・・。
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写真3 タイルとグルースティックで模様を描き ました。 |
写真4 作品例その3です。 |
写真3
左は100円ショップで買った,コルクのフタ付きのビンです。右はジャムのビンです。
写真4
グルースティックをさした,広口ビンです。水色に赤が少し混じってしまったことが,お分かりいただけるでしょうか。