ものづくり 木材編 ラティスのついたラック
工作のおもしろさ
近頃のガーデニングブームで,ラティス(トレリスとも聞きますが,言葉の遣い分けはよく分かりません。)は無くてはならないアイティムの一つとなりました。以前から庭にラティスのフェンスを付けてみたいと思っていましたので,この作品はその習作です。ただ,がんばって作ったラティスが,本を入れると全く見えなくなってしまうというのが間抜けなところです。
工作のポイント
今回はラティスの作り方に焦点を当てたいと思います。基本的には幅広の角材を90度に交差していけばよいわけです。交差した部分はガンタッカー(ホッチキスの親分のような工具)で留めています。写真では分かりづらいかもしれませんが,裏側から見た写真で,交差している部分にすじのようなものがついているのが,その針の跡です。
まず,ラックの材料ですが,桧の2cm厚の板を用いました。ラティスを組む材料も,この板の端材を用いて作りました。丸鋸昇降盤という機械で6mm厚くらいの板を切りだしていきました。2mの材料を用いましたので,5本も作れば事足りてしまいます。ただ,この機械はどの家庭にもあって日曜大工で使えるというたぐいのものではありません。材料費は高くつきますが,ホームセンターなどであらかじめ出来上がっている角材を購入して使った方が無難です。
ラティスを等間隔に組むためには,治具を作るのが一番簡単だと思います。治具といってもたいしたものではなく,コンパネなどの大きな板の上下にラティスの間隔にあわせ,釘を等間隔に打っていけばよいのです。後は釘にあわせて板を45度に傾けて列べます。そして,交差した部分をガンタッカーで固定します。この方法ですと端の方は板が釘と釘とに渡りませんから,板をガンタッカーで固定したら,釘にあたる板の位置を左右にずらして板を固定していきます。最後にのこぎりで上下左右をカットして,一枚の板のように仕上げます。この,のこぎりでのカットですが,どんな場所でも切ればいいというわけではなくて,板と板の交差した部分の近くで切るのが強度的にも見栄えの面でもよいと思います。実は,このラックの大きさも,最初にラティスを組んでからその大きさに合わせて作った経緯があります。
最後に,小さなラティスを作って感じたことを述べさせてもらいます。フェンスぐらいの大きさのラティスを自分で作るには,材料を集めるのが大変だということです。おそらく,ホームセンターなどで売られているラティスは2×4材の製材などで出る端材をうまく利用して作っているのだと思います。そのため,値段もそんなに高くは感じません。これを自分で作るとなると,ある程度の施設が無いと,難しいと思います。大物ではなくて,ちょっと変わったデザインの小作品を作ってみたいと思う向きには,ラティスを利用してみると,外で使う小物などにはマッチするかもしれません。