ものづくり 模型編  F−1

キットについて
 今まで,飛行機が中心の(そしてこれからも)レポートだったので三菱の支援戦闘機のことかと思った方もいるかもしれませんが,今回はフォーミュラー・ワンの製作記事です。しかし,F−1モデルも多々あるわけで,こんなに十把一絡げのような取り上げ方でいいのかということになりますが,こんな取り上げ方しかできないのが筆者のF−1モデルに関する知識なのです。
 飛行機のキットでは資料とにらめっこしながら,自分の納得のいくように製作していくことが常となってしまいました。苦労しながら作り上げた完成品が出来上がったとき,うれしさはこみ上げてくるのですが,反面,苦しみながら作っている?という現象も生じている今日この頃です。そのため,完成半ばで製作が止まっているキットも多々あり,新たな意欲がわいたところで,そのキットをまた手にするといった具合になっています。
 資料なんか見ないで,とにかく組み立てて,色を塗って,デカールを貼って,この「作る」という作業を楽しむために,わたしはF−1モデルを作っています。そして,形にするって楽しいなーと気分が盛り上がったところで,また飛行機との戦いに臨みます。
 F−1を中心に製作されているモデラーの方は誤解しないでほしいのですが,私はF−1の模型の製作は,資料を見る必要がないなどということを言いたいのではありません。誰にでも好みがあって,いろんな作り方があっていいと思います。もちろん飛行機をストレートに組むことだって同じです。ただ,私にとってはF−1は作っていて面白い模型なのです。
 最後にキットについて触れたいと思います。やはり,コレクションとして集めるのならば,スケールのそろっている方が面白いと思います。そうした意味では私はタミヤ模型の1/20のシリーズをお薦めします。理由は古くからF−1を手がけているメーカーだけに作りやすく,昔のF−1もそろえることが出来るからです。スケール的にも,大き過ぎず,小さ過ぎず,ちょうどよいかと思います。一時の熱狂的なブームの折りには,他のメーカーからもキットが出されましたが,今でもコンスタントにF−1モデルを出し続けているのはタミヤです。そしてこれからも我々の期待に応えてくれると思います。

工作のポイント
 F−1モデルの製作で気を遣うのはやはり塗装です。前回ブルーエンジェルスのタイガーのところでも触れましたが,カーモデルはとにかくピカピカに仕上げなければなりません。シャーシの塗装ではなくて,ボディーの塗装について詳しく触れたいと思います。

1 下地仕上げ
 まず,ボディーのパーツを組んだ後で,一度中性洗剤を使って,剥離剤を洗っておきます。完全に乾いてから下地塗料を塗ります。下地塗料は数社から缶スプレーの形で販売されています。これで十分です。F−1は華やかな色が多いので,白い下地塗料の方が無難です。塗装が終わったら下地に傷がないかを確かめて,傷があれば耐水ペーパーやパテなどを使って修復しておきます。
2 本塗装
 次に本塗装です。本塗装は何回かに分けて重ね塗りをします。スプレーを使うと均一に仕上がります。塗料がたれるほど厚く塗るのはまずいのですが,薄すぎてもつやは出ません。この,さじ加減が難しいので,経験が必要です。
3 デカール貼り
 塗料が完全に乾くのを待ってデカールを貼ります。デカールが曲面に馴染みずらい場合,デカール軟化剤(マークソフターなど)を使用するとフィットします。
4 クリアー塗装
 デカールが十分乾くのを待って,クリアーを少しずつ,重ね塗りしていきます。このとき用いるクリアーはデカールの上から仕上げても大丈夫という表記のあるものを選びましょう。一度に厚く塗らずに,薄く塗って乾いたらまた薄く塗るというようにして,デカールの上にクリアーの塗膜を作っていきます。(焦って1回で仕上げようとクリアを厚く塗ると,デカールにしわが寄ったりしてしまうことがあります)塗膜が完全に固まったら,最後に軽く水研ぎします。その後コンパウンドを使って磨いてやります。私はアクリルサンデーという,反液体状の研磨剤を主に使用しています。

参考資料
 というわけで,参考資料は特にありません。模型雑誌の製作レポートに目は通しても,追加工作はいっさい行わず作っているというのが本当のところです。