ものづくり 模型編 陸上自衛隊 74式戦車
お詫び
たぶん,多くの方は次号予告など気にも留めていないでしょうから,今月の予定がTA−4Jスカイホークだったと分かっている人はいないかもしれません。実はこのスカイホーク,いつも,どこで入手するのかも分からない資料を参考文献に挙げたりするので,インターネットから資料を取り出して,それをもとに模型を完成してみようという,野心的な試みだったのですが,あえなく頓挫しました。(今回の参考文献などまさにその極み)その理由は夏休みにバイクを買って,そちらに気を奪われていたからです。どうもすみませんでした。
キットについて
74式戦車のキットといえば,1/35ではタミヤのキットが唯一にして決定版ということでしょう。おそらく,陸上自衛隊の戦車を日本以外のメーカーが出すとはまず考えられません。実車はサスペンションの油圧を調節することで車高を下げたり上げたり,前のめりになったりと複雑な姿勢を取ることができます。タミヤのキットはストレートに組めばノーマル状態の車高となりますが,サスペンションの部品の裏についているガイドを切り取ることで,いろんな姿勢にすることが可能です。(最も一番かっこいいのは標準の車高だと思いますが)
工作のポイント
タミヤの戦車のキットは基本的に出来がよく,手を加える箇所がそう多くはありません。ただ,プラスチックの成型の関係上,手すりやアンテナ基部のガードなど細部が省略されていることは多く見かけます。今回の作例のように単色仕上げの場合,塗装で目を引くということも難しく,細部の工作に手を加えざるを得ません。左の細部のアップ写真を見ていただければ分かるように,例えば,赤外線/白色光投器のコードなどを追加することで,実感を盛り上げています。これらのコード類は,糸ハンダや釣りの糸おもりなどを利用することにより簡単に再現することができます。また,手すり類は,比較的柔らかく加工の容易な真鍮線を用いることがほとんどです。真鍮線はピアノ線ほど固くなく加工が容易で,銅線ほど柔らかくなく型くずれしないということで,模型の素材としてはうってつけです。
参考資料
・ TAMIYA NEWS資料写真集−7陸上自衛隊74式戦車
タミヤの総合カタログと同じサイズの資料集の1冊。細部写真についてはこれ1冊あればかなりカバーできます。
・ 戦車マガジン 1978年5月号
特集として74式戦車を取り上げています。1/35の折り込み図面もついています。