ものづくり 模型編  NABOO FIGHTER

キットについて
・ スターウォーズ・エピソードⅠに出てくる小型宇宙戦闘機の模型です。昨年の夏に映画を子どもと観た後で購入したのですが,ようやく完成いたしました。メーカーのAMTではSNAPFASTと呼んでいる,接着剤不要のはめ込み式のキットです。スケールは1/48で,以前に出された,Xウィングファイターなどと並べて飾ることができます。キットの成型色は黄色で,船体の下半分はメッキが施されており,着色をしなくても,それなりの作品には仕上がります。しかし,映画のイメージを作品に求めるならば,きちんと塗装をした上で,汚し塗装にまでチャレンジすることをお勧めします。

工作のポイント
・ 接着剤不要のキットとはいえ,着色ということを考えれば,接着剤を使った方がよいと思われます。このような場合に使う接着剤としては,流し込み式のものが有効でしょう。
・ キットを組むと,パーツの合わせ目に隙間も目立つので,パテを用いて埋めます。乾いたパテを削るときにメッキの部分も削れてしまうので,結局メッキを全部はがして,銀の部分は塗装し直しました。この時,どうせ塗装するのだからとメッキの部分をいい加減に削ってその上から塗装をすると,メッキが下からはがれて,塗装した面にひびが入ったような状態となります。塗装する覚悟を決めたら,メッキは完全に落としましょう。
・塗装はまず,白で下塗りを行います。黄色のような隠ぺい力の弱いカラーを塗る場合は,必ず白で下塗りを行います。次に黄色,マスキングをして銀という順で塗装します。銀を最後に塗る理由としては,メタリックのカラーは塗膜が弱いので,マスキングテープをはがすときに塗装がはがれてしまうことがあるからです。よって,メタリック系のカラーは最後に塗装し,マスキングテープを上から貼らないのが無難だと思います。塗装がすんだらデカールを貼り,汚し塗装に移ります。
・ スターウォーズのメカには適度の汚し塗装が施されており,実感を増しています。各モールドにはスミ入れを行い,ダークブラウンのパステルの粉を用いて汚しを行っています。汚しはエンジンの排気口と,一対のレーザー砲の部分を中心に行い,汚くなりすぎないように注意します。最後にセミグロスのクリアーを上からスプレーしてパステルの粉を定着させます。
・ 悲しいことに,私の購入したキットのキャノピーは完全な透明ではなく,透明なプラスチックの中に黒いにごりのようなものが混ざっていました。パックされて中の開けられないキットの悲しいところです。ここは,アナキン・スカイウォーカーを乗せるのはあきらめて,キャノピー内側を黒で塗装し,卓上モデル風に仕上げることと割り切りました。
・ 卓上モデル風にするためにはキット付属のスタンドでは少し高級感が足りません。木材と直径6mmの真鍮の棒を使ってスタンドを作りました。

参考資料
・ STAR WARS EPISODE Ⅰ INSIDER’S GUIDE(CD−ROM)
 今回,参考にした資料は本ではなくてCD−ROMです。撮影に用いられた模型などの写真も多く,参考になりました。見ているだけでも楽しくなる資料です。ただ,注意しなくてはならないのは,映画などの資料の場合,映画公開前後には大量に出回るものの,その後潮が引くように,一般の書店では見なくなってしまうということです。買い時を逃がすと後悔すると思います。ただ,このようなジャンルの模型の場合,あまり資料にこだわらずに,自分のイメージに合ったように作ることが,大切ではないでしょうか。