Arts News Digest from USA

2003年6月5日〜6月18日(vol. 4)

 

Date: 2003年6月5日(木)
Media: The New York Times
URL: http://www.nytimes.com/2003/06/05/arts/05SCHO.html?8hpib
Headline: Battling the Chaos in the Public Schools' Arts Classes
----------
Digest: 学校のアート教育の質は、学校によって、また学区・校長・教師・親、
そして外部団体との関係によって、大きく異なっている。ある学校では
アート教育を必要であるとし、カリキュラムの中に文化プログラムを組み込
んでいる。例えば、アッパーマンハッタンにあるHeritage高校はほとんどの
生徒が低所得層の家庭の子供であるが、大学のアート教育者の協力に
よってアートが一般教育の中心に置かれている。 Washington Heightsに
ある別の学校では、アートのクラスは週に一回だけで、用具も基本的なもの
しかなく、他の勉強とはほとんど、もしくは全く関連性を持たせていない。
アート教育のための予算は1970年代の予算危機の時代に縮小され、その後
20年以上、きちんとシステム化されたアート教育というのは無い状態が続い
た。文化的なプログラムは外部の非営利団体や一部の教育者によって行わ
れていたのだ。1997年にニューヨーク市の教育委員会が教育活動を補完
するためのProject Artsサポートを受けるようになった。97年には2500万
ドル、2000年から2001年が最高額の7500万ドルであったが、2002年から
2003年にかけては5200万ドルに減少した。しかし、多くの教育者たちは、
このような予算は非常に不適切であり、実際には過去30年間、アート教育に
対する資金不足を補ってきたのは、文化関連団体であるとしている。現在で
は約400の団体がさまざまなプログラムを提供している。

----------
Date: 2003年6月5日(木)
Media: Washington Post
URL:
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A18103-003Jun5.html?nav=hptoc_tn
Headline: Net Radio Debate Simmers Despite Deals
----------
Digest:米国レコード工業会(RIAA)はインターネット・ラジオの著作権使用料を
めぐる長期にわたる闘争に近々決着をつけたい模様だが、多くのオンライン
の“ウェブキャスター“たちは、RIAAの案は彼らを市場から締め出すものだと
主張している。そのRIAAの提案とは、大学、非営利及び宗教関係の放送局
に関しては年間500ドルの使用料を支払うことで、音楽のオンライン放送の
許可を与えるというものである。これは今年初めに商業目的のインターネット・
ラジオ局とRIAAの間で結ばれた著作権利用料に関する合意に続いて起こっ
た議論である。一部の放送局は使用料は安いといっているが、多くの非営利
の広告宣伝を行わない放送局はそれでも高いと主張している。商業目的の
中小のインターネット・ラジオ局はこれ以上に苦戦している。非営利の組織と
異なり、このような局は、1曲につきいくらというのではなく、全収入のうちの
決められた割合をRIAAに支払うという契約になってしまっているためだ。U.S.
Copyright OfficeはRIAAの著作権使用料が妥当か否か検討を行っており、
場合によっては調停に乗り出すとしている。

----------
Date: 2003年6月5日(木)
Media: New York Times
URL: http://www.nytimes.com/2003/06/05/business/media/05RULE.html
Headline: Senators Move to Restore F.C.C. Limits on the Media
----------
Digest:米上院商取引委員会では、民主・共和両党を含む大多数の委員は
先日のメディア規制緩和に反対しており、この決定を覆す意思があることを
示唆した。委員長のJohn McCain上院議員は、米連邦通信委員会(FCC)が
行った法律の改正に関して直接異議を唱えることはなかったが、当商取引
委員会は新たな法案に関する最終調整を今月中にも始めると発表した。
下院では比較的FCC支持者が多いものの、全米からの今回の法改正に対す
る非難の高まりに押され、一部の改正に関して元の規制に戻す方向に動く
可能性がでている。

----------
Date: 2003年6月6日(金)
Media: Washington Post
URL:
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A21198-003Jun5.html?nav=hptoc_tn
Headline: Verizon Identifies Download Suspects
----------
Digest:裁判所の命令により、通信会社のVerizon Communications Inc.は
米国レコード工業会(RIAA)に対して、音楽の違法ダウンロードをしたとみな
される4名の顧客の名前を提出した。しかしVerizonはRIAAにこれらの顧客
情報を追跡させることを認めたデジタル・ミレニアム著作権法について、この
法律が非常に広範に適用可能で、プライバシーの侵害にもつながりかねない
として反論を続けている。RIAAは今回この顧客情報を手に入れたが、これら
の違法行為者に対していかなる手段に訴えるかはまだ明らかにしていない。
この法律の下では違法コピーをされた原告は容疑者のインターネット・プロト
コル・アドレスを追いかけることにより個人を特定することが認められている。
そして、裁判官の検査なしに、裁判所事務官が召喚状を発行することが可能
である。

---------
Date: 2003年6月8日(日)
Media: The New York Times
URL: http://www.nytimes.com/2003/06/08/weekinreview/08BALL.html
Headline: How the Arts Transformed an Urban Landscape
----------
Digest: 先週発表されたニューヨークフィルハーモニーがリンカーンセンターを
離れ、その本拠地をカーネギーホールに戻すという話題が、予てからあった
リンカーンセンターのデザインに対する批判を再燃させている。リンカーンセン
ターはパフォーミングアートの施設を一箇所に集中させているために、その
影響は制限されて一定の地域以上に広がらない、むしろ、それらの施設を
別々の近隣の都市に拡散させた方が、都市開発が進んだのではないか、と
いうのが通常の議論である。それゆえに、リンカーンセンターがニューヨーク
に与えたインパクトも軽視されがちである。また、アートは一般的な政府の活
動範囲の外側に位置していると考えられているためで、パフォーミングアート
の必要性や重要性というのは都市の問題としては理解されず、都市を変革さ
せる可能性のあるものとしては考えられにくい。しかし、実際にはリンカーン
センターをパフォーミングアートの中心としたことによって、その周辺の地域は
大きく変わった。多くの観客が歩行者を増加させ、近隣の店やレストランに客
をもたらしたのだ。

---------
Date: 2003年6月8日(日)
Media: The New York Times
URL: http://www.nytimes.com/2003/06/08/opinion/08SUN3.html
Headline: Driving Down the Highway, Mourning the Death of American Radio
---------
Digest:議会が1996年にラジオ放送局に関して、一つの企業が保有できる
放送局の数の上限を設けたが、現在では3つの企業が米国のラジオ聴取者
の約半数をコントロールしている。このような集中した所有形態は、ラジオだ
けに限らずテレビについても、単なるニュースやセンサーシップ(検閲)という
問題だけでなく、ポピュラーカルチャーそれ自体にも危険な影響を及ぼしかね
ない。国中で聞かれる標準化された音楽や声は、地方独自の音楽文化を次
第に消し去っていく恐れがある。

----------
Date: 2003年6月12日(木)
Media: Washington Post
URL: http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A47254-2003Jun11.html
Headline: Read No Evil: A Textbook Case of Censorship
----------
Digest: (Diane Ravitch著The Language Police ? How Pressure Groups
Restrict What Students Learn-に関してのレビュー)Ravitchさんは、1998
年に当時のクリントン大統領に、学力テストの可能性と問題点を調べる委員
会の委員に任命された。この著書の中で、Ravitchさんはアメリカ人の小・中・
高校生が読む教科書と学力テストの問題点、つまり最極右と最極左のいわ
ゆる協定によって崩壊してしまっていると述べている。教科書の出版社は、
子供たちの教育よりも、むしろ彼らのテストがカリフォルニアやテキサス、その
他影響力の大きい州で採用された場合に得られる利益に絶大な興味を持っ
ているのである。つまり、右派にはトピックスやコンテントのコントロールを
与え、例えば決して中絶、進化論、離婚、犯罪には触れず、左派には言語の
コントロールを与え、つまり政治的な正当性を回避するような言葉を使うという
のだ。このレビューの著書は、しかし、この本が、実際に大きな影響力を持つ
かどうかは疑問だとしている。

----------
Date: 2003年6月15日(日)
Media: Washington Post
URL: http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A60034-2003Jun14.html
Headline: Today's Lesson, Sponsored by. . .
----------
Digest: 近年、小・中・高校での芸術教育に民間企業のスポンサーを持つ
ケースが増加している。例えばフレデリック郡にある開校2年目のオーク
デール小学校では、昨年、オスカーメイヤーのよく知られたウィンナーの歌を
最もよく理解し演奏したとして1万ドルを獲得した。今年もオスカーメイヤーの
ボローニャソーセージの歌と他2曲の合唱コンクールで1万ドルを獲得した。
オークデールでは、獲得した賞金で音楽室のエレクトリックキーボードを
30台、生徒のプロジェクトに使うためのデジタルカメラを20台購入した他、
パーカッションやミュージックビデオを作る機械なども購入している。企業側
としては、学校内での製品のマーケティングと、親たちへの販売促進を狙い
とした新たな営業努力のひとつなのである。他にも、ネッスル、エンジェルソフ
ト(トイレットペーパーなどの会社)などがこういった活動を行っている。

----------
Date: 2003年6月15日(日)
Media: The New York Times
URL: http://www.nytimes.com/2003/06/15/arts/design/15LIBB.html
Headline: Can Old Malls Be Taught New Tricks?
----------
Digest: カリフォルニア州North HollywoodにあるValley Plazaモールは1947
年に建設され、かつてはこの地区最初のショッピングセンターであった。しか
し近年では125店舗スペースのうち、30が空き店舗となっている。リニューア
ルにはオーナーが一つでない、といった問題があり、経営は困難な状態が続
いている。このほど、the Los Angeles Forum for Architecture and Urban
Design主催でthe Dead Malls Competitionというコンペが行われた。実際の
リニューアルは7000万ドルをかけロスのthe J.H. Snyder development
companyという会社が受注しているが、先のコンペの入賞作品と実際のリ
ニューアルのデザインでは、コンセプトがかなり異なっている。コンペの入賞
作品5つの共通点は、典型的な「ダンベル」モールと呼ばれる、4つ以上の
大型テナンが小さな小売店でつながれているようなタイプのモールは、廃れ
ていくという点である。

----------
Date: 2003年6月15日(日)
Media: The New York Times
URL: http://www.nytimes.com/2003/06/15/arts/music/15MIDG.html
Headline: Adventures in Downloading Haydn
----------
Digest: クラシック音楽をインターネット上からダウンロードするウェブサイト、
Musicmaker.comと、アップルのiTuneの比較から、サーチファンクションのプ
ログラミングの難しさについて述べている。これは、通常サーチエンジンでは
キーワード入力をするわけだが、クラシック音楽の場合では、例えば一人の
作曲家の名前にしてもいくつものチョイスがあるし、チャイコフスキーと検索す
れば250曲以上にヒットしてしまう。あるいは、「アーティスト」の欄にソリストの
名前を入れるのか、それとも指揮者の名前を入れるのか、と言った疑問もあ
るのである。

----------
Date: 2003年6月15日(日)
Media: Washington Post
URL: http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A57406-2003Jun13.html
Headline: We're Still Missing the Looting Picture
----------
Digest:この1週間でバクダットのイラク美術館(Iraq Museum)の略奪品に関
して驚くほど多くの報道がなされてきた。そして、当初17万に及ぶ美術品が
失われたとされていたものが、現在では無くなったり、被害を受けたりしたと
報告される美術品は激減した。この喜ぶべきニュースを聞いても、多くの人々
は本能的に、予測できたはずの悲劇を防げなかったアメリカの文化に対する
無神経さに対して怒りを感じている。前回の湾岸戦争時には、美術館スタッ
フは全ての金のオブジェクトを中央銀行の金庫に移送した。今回の戦争の数
週間前は、スタッフはほとんどすべての公共の美術館にある美術品を秘密の
金庫に移していた。開戦の時点で美術館に残されていた作品は大きすぎて
動かせないものか、動かすと破損する恐れのあるもの、もしくは展示室に固
定されたものだけであった。戦争後、なぜ17万の美術品が奪われたと発表し
たのか、真相は未だに明らかにされていない。しかしながら、何も残っていな
い美術館の映像は2つの特筆すべき有益な効果を生んだ。第一に、このメ
ディア報道により、略奪者にイラク美術館には盗むものはもう何も無いのだと
いうメッセージを伝えることができた。そして第二に、全世界に対して、美術館
の危機が伝えられたことにより、アメリカに対してこの遺産を守るようプレッ
シャーが掛けられたことがあげられる。この美術館の件とは対照的に、イラク
南部にある考古学上重要な遺跡は甚大な被害をこうむることになった。

By John Malcolm Russell is professor of art history at Massachusetts
College of Art in Boston. He recently was a member of a UNESCO
cultural mission to Iraq.

----------
Date: 2003年6月16日(月)
Media: Washington Post
URL: http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A2389-2003Jun16.html
Headline: Rep. Bono Forms Caucus on Music Piracy and Copyright
----------
Digest:音楽の著作権侵害に関する新たな民主党委員会を結成しようとして
いるMary Bono 下院議員は、彼女が音楽業界のロビー活動を行う組織で
ある米国レコード工業会(RIAA)の代表の座に落ち着こうとしているのでは
という疑惑に関して否定した。Bono議員はRIAAの代表は彼女にとって理想
的なポジションであることは認めながら、現在は次期再選を狙っていると主張
した。ワシントンの政治に関して監視しているグループは、このようなロビー
団体の次期トップを噂される議員自身が、そのロビー活動を支持するような当
委員会を結成することに対して、疑問を呈している。アメリカの主なレコード
会社を代表するIRAAはインターネット上でのファイル・シェアリングを利用した
違法な無料音楽ダウンロード行為に対して積極的に闘いを挑んできた。1998
年から代表を務めてきたHilary Rosen月末にもその地位を去ることになってい
る。Bono議員の2002年選挙における資金援助のトップはハリウッドの映画
業界と音楽業界によって占められている。

--------------------

 

Top of this page