DVDのリージョン:
 DVDソフトは、映画配給との絡みでリージョン(地域)コードというのが設定されています。このリージョンコードは再生前にチェックされ、海外ソフトが国内のプレーヤーでは再生できないよう停止をかける仕組みです。何故か?。アメリカでDVDを発売している頃、日本では映画公開中なのでアメリカからDVDを取り寄せられると映画館側の収益の落ち込みになるという理屈です。要は映画で観てからDVDを買わせるという料金二重取りシステムを維持したいということなんですね。別にDVD自体を違法コピーする訳じゃないんだから、正当な料金を払って観るぶんには別にいいじゃんという感じです。と言うのも、最近の映画館に行くと、必ずモラルの低い観客がいて嫌な思いをするから、ソフトになるまで待って部屋で没頭して観たいつうのがあり、僕自身は映画館に足を運ばなくなってるからです。ただし、これだけではありません。
 
少し前、PS2でリージョンフリーという問題が騒がれたですが、このリージョンを悪用した商売がメーカー側にある事も否めません。日本程DVDソフトが高い国は無いんですね。今回はこの話。


 うちの場合、PowerBook G3はリージョン再設定回数を増やすフリーウェアを使ってるので、実質マルチリージョンだし、持ってるDVDプレーヤーは香港で買ったPanasonicのリージョンフリー版だし(いろんな人種のいる海外ではリージョンフリープレーヤーが当たり前で、プレーヤーメーカーは現地の輸入代理店等を隠れ蓑にして輸出後、リージョンフリーに改造するのに必要な情報を流してます)、PS2は元からそうだし(笑)で、海外のソフトを観るのに大問題なのは自分の英語力のみ(-_-; という状況です。か〜し、日本のDVDソフト(特にジャパニメーション)を海外から取り寄せる場合には日本語音声が入っているのでリージョンコード以外の障害はありません。さて、一つの例です。

 これはバンダイから発売のCowboy Bebop、日本版(右)とUSA版(左)です。パッケージは殆ど変わりませんが中身が全く違うんです。日本版は一つに3話入って全9巻がリリースされていますが、一巻あたりの値段は6800円です。日本では消費税が加算されるだけで、基本的に値引きもありません。

 一方、USA版は一巻に5話が入って全6巻予定(2000年5月時点では1巻しか出てません)で、インターネットショップ値引き後の値段は$21です。
 
全巻揃えた場合の価格は、$1=110円換算で47,340円になります。「なんと!今回は同じものを更に2セットお届け!」ってTVショッピングじゃ無いですが、それ程の差があるわけです。リージョンコードを悪用して、いかにソフトメーカーが国内で甘い汁を吸っているかというのがわかる事例です。

 さて、問題はアメリカからの輸入料金ですが、注文から4日位で届く一番速い航空料金で4000円位です。これがDVDディスクなら3〜4本入る箱で来るので、2本も注文すれば、一本あたりは日本で買うよりも安く手に入る事になります。


 もう一つリージョンコードの困る点は、日本の作品でありながら、アメリカでしかDVDで発売されていない物を観ることができないという所です。

 左は2000年5月にUSA発売が始まった「ルパン三世カリオストロの城」です。日本では再販する程の需要が無いと思われているのかも知りませんが、DVDでは未発売です。ちなみにUSAでは2000年6月予定で「もののけ姫」もDVDで発売されます。同時期、日本じゃこの英語版を更に映画館で公開する横暴ぶり。ジブリがディズニーと手を組んだ時点で目に見えていた事ですけどね。

 その隣は日本未公開だけど話を聞いて観てみたいという動機で買った映画、「アイアン・ジャイアント」。ポケモン映画公開と時期が重なって米国内で映画興行成績がふるわなかったものの、口コミでじわじわビデオ売り上げを伸ばしたという映画。すごく良い映画です。これは当然日本語は入ってません。いずれも$18〜$21で米国内では手に入ります。たぶん日本に来ると5800円はするディスクになってる事でしょう(その後の発表では3,400円でDVD版が出ました。割と良心的価格。でも米国では1,900円しない)


 DVDの映像そのものをコピーできるスクランブル解除法がヨーロッパのサイトで公開された時は大問題になりました。僕自身も作った人間の苦労を無視するような行いは断固反対なので、これは大いに問題と思うんですが(ビデオへのダビング含めてね)、ことリージョンコードに関してはその使い方に関してこういう海外との格差事例が尽きないので、賛成の反対!なのだ。


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