俺的PhotoShop落書き教室:下書きをしよう

 下書きにも2通りあります。画面に直接アタリを取る方法と、スキャナ等で下絵を取り込む方法です。僕の場合、CGサイズによって使い分けます。小さなサイズのCGは画面上で直接描くんですが、高解像度の印刷用の場合、スキャナで取り込んでしまいます。
 さて、どっちを読む?
直接描いたるわい!
取り込んだるわい!


PC画面上で下書きを直接描く


 いきなり白紙に新規レイヤーを取ってしまいます。左図の
赤丸で囲んだ部分をクリックすると、新規レイヤーが作られます。レイヤーはアニメのセルと同じで白紙の上に透明シートを敷き、それに絵を描く感覚です。レイヤーウィンドウで水色になっている物が実際に描画されるレイヤーになるんで、うっかり間違えないよう、時々確認するクセを付けた方がいいです。レイヤーを切り替えたい場合はそのレイヤをクリックします。
 また、
青丸で囲んだ目のマークは、そのレイヤを表示するかどうかをスイッチする物で、例えば、色違いのバリエーションを別レイヤに作っておき、後でそれぞれのバージョンを別CGとして出力するとかが出来ます。
 さて、マウスなりタブレットなりで絵を描きます。この段階では筆か鉛筆ツールで描き、失敗したら消しゴム
(間違っても下に見える白色をスポイトして塗りつぶしたりしちゃ駄目ですよ)で消します。
 下書きが上がった所。左がタブレット、右がマウスで描いた物です。両方とも筆ツールを使っています。マウスで描く時のコツは、ツールオプションで不透明度を40%位に落とす事です。タブレットが無い場合でも筆圧感知風の処理ができるように、PhotoShopのマウス扱いはやや特殊で、
一度マウスボタンを押してから離すまでの間、同じ箇所を何度なぞっても不透明度以上の色の濃さにならないようにできています。
 だからここを薄目に設定して、線をひいてはマウスボタンを離し、またボタンを押しながら同じ所をなぞり…で、だんだん濃い線を引くことができます。逆に言えば、色塗りの場合も塗りムラが気になる場合、このダイアログで筆圧感知入力をカットし、代わりに不透明度を落とす事で、一定の濃さの色を塗る事もできるという事です。
 
マウスで描く事自体は、タブレットと比べると異常な集中力を要求します。が、手首を使わない、つまり書道の筆のようなマウス運びをする事、親指を机へあてた抵抗でブレーキをかけながら、その指で線を引く感じでやれば、ある程度の絵は描けます。
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スキャナで下書きを取り込む

 巨大な解像度だとPC画面上では大きすぎて、全体を把握できないわ、縮小表示状態で下書きしても精度が取れないわ(入力も数ライン飛ばしになるので実際に描かれる線はガクガクする)で大変です。んな訳で、数百dpiあるCGの下書きはスキャナでやってしまいます。取り込み自体はマニュアル通り、TWAIN対応機器からの入力でやってしまいましょう。
 取り込んですぐは、紙の地色と線を描いた物のインク色が影響して、そのままでは難があるので、取り込み後、コントラストや明るさ調整で線の調整をします。線の濃さは好みで良いですが、無地の部分はスポイトで色を拾ってみて純白
(RGB=255,255,255)になるように調整します。
 左が調整済みの画像です。さて、この画像は白から黒までの色が一体で、このまま色を塗るわけにはいきません。かといって、レイヤーにコピー後、白い部分を削除しようとしても、実際には黒と白の境界には灰色部分があり、残すにしろ取り除くにしろ、一筋縄ではいきません。何とか黒い線だけ、しかも白へ移り変わる灰色部分の線は半透明の黒色として取り出したい訳です。PhotoShop自体にそういう機能は無いのですが、プラグインで素晴らしい物があります。遠藤悦郎氏作の"Eliminate White filter"がそれで、このフィルタはレイヤーに置かれた画像の明るさを、直接、透明度に変換してくれます。完璧とはいかないまでも、これで簡単に白部分を飛ばす事が出来ます。

 上は取り込んだ画像をコピー&ペーストでレイヤーに置き、そこでEliminate Whiteフィルタをかけた所です。レイヤー1の白部分が抜けてるのがわかりますよね。あとは背景側の線を消してしまえば、真っ白い背景+下書き線だけの透明レイヤーという、手書きの時と同じ状態になります。
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