大宮「リスの家」訪問レポート

この訪問レポートは、リス飼育施設の紹介のために作成したものです。筆者が実際に訪問して見てきたことと、飼育スタッフの方に突撃取材をして教えてもらったことを、記載しました。写真も近々載せたいと思っています。「リスの家」に行かれたことのある方にも、今まで知らなかった「リスの家」の秘密が明かされるかも!?

このコーナーに書かれている情報以外に、こんなこと知ってるよ!っていうことや、それ違うんじゃないっていうことがありましたら、こちらまでぜひぜひ教えてください!このコーナーに反映させていただきたいと思います。

大宮市市民の森「リスの家(うち)」

訪問日:
1998年10月18日
所在地:
〒330-0023 埼玉県大宮市見沼2丁目94番地
大宮市見沼グリーンセンター内
TEL:  048-664-5915
最寄り駅:
JR宇都宮線 土呂駅より徒歩10分
入場料:
無料
開園時間:
午前10時から午後4時まで
休園日:
毎週月曜日(ただし、月曜日が休日に当たるときは、その翌日)
年末年始(12月29日から1月3日)

∬大宮市市民の森は、芝生広場と木々が広がった、市民の憩いの場です。その一角に、「リスの家」をはじめとするリス飼育施設が建てられています。大宮市のマスコットは、「子リスのトトちゃん」。

「リスの家」は、市民の森の一部を網で囲って造られたシマリス飼育施設で、その中で、人間の管理下において、シマリスが野外のような環境で自由に暮らしており、それを見学することができます。

「リス繁殖棟」では、ニホンリスとエゾリスが飼育されています。∬

「リスの家」(シマリス):
面積 2,062.4平方メートル
構造 鉄骨造 主柱20メートル 金網張り
   地中擁壁1.8メートル

この施設は、「(大宮市のマスコットである)リスを大切にしようと、リスが元気で過ごせるような場所を作りたいと思い」「緑豊かになり動物を大切にする心が育ってほしいと願って」建てられたとのことです。

ここに放し飼いされているシマリスは、投与される餌の他に、施設内に生えている木の実や草の実を食べることができます。ナラの木やキイチゴ・ブルーベリーの木などが植えられていました。巣箱が随所に設置されています。シマリスの掘った巣穴には番号札が付けられて管理されています。踏んだりしないようにするためであるとのことです。施設内のシマリスは、12月から2月・3月くらいまで、自由に冬眠しています。繁殖も自由にしており、3月後半には子リスの姿が見られたとのことです。施設内では、自由に走り回るシマリスや餌場で餌を食べるシマリス、草の実を食べるシマリスなどを見ることができました。この日の「リスの家」内のシマリスの頭数は、約150匹。台風直後だったせいか、姿を見かけることができたのは数匹でした。


「どんぐりポスト」:

市民の森には、ドングリがたくさんなっていて、拾ったドングリを入れてもらうように「どんぐりポスト」が設置されています。飼育されているリスの食事は管理されていて、訪問者が直接リスに餌を与えることはできません。施設の人に餌の差し入れをすることはできます。


「管理棟」:
面積 68.75平方メートル
構造 鉄骨造 平屋建

「リスの家」に併設されています。一般に公開はされていません。中には約60個のケージ(市販されているタイプのもの)があり、ほとんどのケージには1匹ずつシマリスが入れられています。ここでは、「リスの家」で放し飼いするシマリスの頭数を調整するために、繁殖・ストック用のシマリスが飼育されており、また、ケガ・病気のシマリスや不正咬合のシマリスも飼育されています。ダイエット中で食事制限をされているシマリスもいました。不正咬合のシマリスのケージには、「ヒマワリ残量注意」の貼り紙がありました。残量が多い時は、歯が伸びているということなので歯を切るとのことです。


「リスの飼育舎」(シマリス・エゾリス):
面積 37.43平方メートル

この施設は、「リスが暮らせるような自然環境を作り、リスと市民が遊べる公園を願い」建てられたとのことです。

大きな檻の中に、それぞれシマリス数匹とエゾリス数匹が飼育されているのを、見学することができます。檻の中には、自由に走り回ることのできる木が入れられています。ここのシマリスは、人に馴れている子が多いとのことです。エゾリスは、姿を見ることができませんでした。


「リス繁殖棟」(ニホンリス・エゾリス):
面積 101.73平方メートル

この施設は、「市民がリスと触れ合える『リスと遊ぶ公園』を作る時のため、人に慣れやすいリスの子供を増やすことを目的に」建てられたとのことです。

繁殖棟は、2階建で12部屋に分けられており、ニホンリス5匹、エゾリス10匹が、それぞれ1部屋に1〜2匹ずつ飼育されています。この施設も、一般に公開はされていません。

ニホンリス・エゾリスの飼育目的は、人に慣れたリスを増やすために繁殖することであるとのことです。ニホンリスは、今までのところ、繁殖には成功していないとのことです。出産がうまくいかなかったとのことです。

6年前に飼育開始、5年前に繁殖棟を設置。(「リスの家」が建てられたのは、昨年7月。)現時点では、ニホンリス・エゾリスを見学できる施設に移す予定はまだ無いとのことです。

与えられている餌は、リンゴ、ミカン、キュウリ、ブドウ、イチゴ、枝豆、トウモロコシなど、野菜・果物が中心で、なるべく旬のものを与えているとのこと。その他、ミルワーム、麻の実、ヒマワリなど。食べる食べないにかかわらず色々なものを与えているとのこと。(シマリスとほぼ同じ餌であるとのこと。)

この日、ニホンリスは1匹だけ見ることができました。人に馴れているようで、ケージの柵まで寄ってきました。グレーの背中と白いお腹の境目の毛は赤茶色でした。

エゾリスも数匹姿を見せており、馴れているようでした。ケージ内で土に穴を掘って貯食したり巣材を巣箱に運んだりしていました。

追記(2007年8月18日):

現在では「リス繁殖棟」は使用されておらず、ニホンリスは飼育されていません。エゾリスは「リスの飼育舎」でのみ2匹が飼育されています。


訪問しての感想:

「リスの家」のシマリスたちの生活環境はすごいです。家で飼っているシマリスにもこんな環境を与えてあげたい、と思いましたが、そうすると、もう私のことを頼ってくれなくなって親密な関係は無くなってしまうかな。

ニホンリスの繁殖が成功して、たくさん増えてくれるといいですね。


「りすの家」は今:

「りすの家」勝手に応援団

「りすの家」を応援し見守っていくブログが立ち上がりました。(2007年8月8日)

「りすの家」は、上記ご紹介の通り、網で囲われた野外施設の中で、シマリスたちがのびのびと自由に野生のような暮らしをしています。そこはリス飼いさんなら誰もが憧れるような、そしてリス好きならずとも楽しくお散歩できる、ステキな空間です。

ところが、数年前から、ちょっと悲しい状況になってしまいました。草木が伸び、クモの巣が張り、元気なリスの姿があまり多くは見られなくなってきました。そして驚くべきことに、施設外に脱走したリスが見られるという情報もあります。

以前のような素晴らしい環境に戻ってほしい、元気いっぱい走り回るリスたちをまたたくさん見たい、そして、リスが脱走することによってシマリスが外来生物に指定されるなどということがないようにしたい、そう願って、数人の有志にて、このブログを立ち上げました。

「りすの家」を管理するさいたま市に、リスの飼育環境についての要望書を提出したところ、回答を頂き、園内環境はずいぶん改善されました。

これらのことをご報告し情報発信することで、なるべく多くの方に知っていただきたいのと同時に、皆様からも「りすの家」についての情報を頂きたい、という趣旨で立ち上げられたブログです。


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