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クロックアップって何ですか?
パソコンの心臓部であるCPUは、決められた周波数の信号(ベースクロック)と同期して動作します。人間で言えばみたいなものですか。
当然、これが速くなれば、処理速度も速くなりますが、CPUだけ速くするわけにはいかず、周辺機器と同期がとられていないといけません。

そんなわけで、現在世に出ているパソコンは、その基準周波数を100MHzとしています。
※えーっと、66MHzとか、今は133MHzやら、その上やらあるんですが、ここでは私の環境である100MHz基準で説明。

基本的にCPUのメーカー(うちの場合はIntelですな)は、その100MHzを動作保証範囲として出荷していますが、当然100MHzぎりぎりの製品ではちょっとしたことで故障してしまう。つまりマージンがあるわけです。
国内じゃ法的に100km/hまでしか出せないのに、最高時速100km/hの車は無いのと一緒っつーか、ちょっと違うか。

で、その100MHzを上げていくんですが、前に触れた通りに周辺機器とも同期しなくちゃいけない。
例えば、メモリの場合、PC100メモリというのは100MHzまでしか同期保証されておらず、クロックアップをするにはPC133メモリ(文字通り133MHzまで動作する)等を入手する必要があります。
次にPCIスロットの拡張カード。サウンドカードとか、LANカードとかですか。これらは1/3のクロック、つまり33MHzで動作することを前提にしており、これを越えた場合は、カードの発熱による熱暴走等が発生します。
そしてAGPスロット。基本的にグラフィックカード用のスロットですが、これは2/3のクロック、66MHzで動作することが前提になっています。一部、100MHzでの動作を想定したグラフィックカードもありますが。
さらに大事なのがHDDで、PCI同様の1/3(33MHz)が基準になっており、それを越えた時に動作不良やデータ破壊の可能性があります。

もちろん、PCI拡張カードのメーカーや、グラフィックカード、HDDのメーカーだって、多少のクロック上下は想定しているでしょう。(特にグラフィックカードは放熱さえなんとかすれば高クロックに耐えられるケースが多い)
とはいえ、上限はあるわけで。

それを緩和させるのが、マザーボードの役目。例えば、ベースクロック100MHzではPCIクロックは1/3ですが、ベースクロック133MHzならば1/4にすれば良いわけです。
これ(↑)は、うちのAOpen AX-6BC typeRでも可能ですが、今やベースクロックだけを上昇させて、PCI、AGPを定格のまま固定させるような装置もあるようで。それも個人が作成してたりするからびっくりですな…

それから電圧についても説明しておきましょう。
簡単に言ってしまえば、血圧と思ってOKです。周波数(鼓動)が速くなることで電圧(血圧)も上げないと辛いよ、と。
もっとも、電圧については最終手段として考え、通常は電圧だけはそのまま周波数が上がる限界までトライするのが良いでしょう。電圧上昇でCPU破壊、という話はよく聞きますが、周波数上昇で破壊というのは比較的少ないようです。

それから、温度
これも体温と置き換えてもらってOKで、周波数(鼓動)、電圧(血圧)が上がることで、CPUの温度(体温)が上昇してしまうと。
これには定格動作を前提とした純正CPUヒートシンク(でっかいフィン付きの金属にファンが付いたもの)の代わりに、社外品のヒートシンクに交換するとか、更に上を目指す方は水冷や、冷蔵庫や、ガス液体窒素とかで冷やしたりする必要があるわけです。
先ほど「体温」と言ったものの、ちょっと違うのはCPUは冷やしただけ能率が上がるってことです。冷やすほど金属の抵抗が低くなり、電気の流れっぷりが良くなるのは、一時期マスコミでも騒いだ(か?)超伝導とか見てご存じかと。

これらを踏まえた上で、私の初めてのクロックアップトライとなるわけです。(…全然踏まえてなかったかも…)
早速、クロックアップをしてみようではないか
そんなわけで、たまたま通販で購入したCPUのロットが「SL37C」というクロックアップに強い石であることが判明。どうやら、ベースクロック133MHzで600MHz動作をしているケースもあるらしい。

こりゃ試さないとバチが当たるってもんで。(本当か?)


では、早速、ベースクロック133MHzで。って、いきなりかよっ!
133×4.5 = 598.5MHz
 ええと、BIOSの画面にすらならなくて、完全に駄目なようで…
 普通は徐々に上げていくのに、先走りすぎです。

ええと、では、気を取り直して、下から上げて行きましょう。
103×4.5 = 463.5MH
 もちろん問題無し、ってか、誤差範囲か。
 マザーボードによっては平気で1MHz程度の誤差あったりするらしいし。
では、もうちょっと上げてみますか。
117×4.5 = 526.5MHz
 どうもWindowsが起動したりしなかったり。
 メモリのCLを2→3にすればOKそう。
 ※CLっつーのはメモリアクセスの待ち時間みないなものと思って貰えれば。
  当然、メモリのアクセス速度は落ちるが…
よっしゃ、いけるかっ!
124×4.5 = 558MHz
 どうも使用時間で安定度が変っているので、熱問題と思われる。
 起動直後なら問題無いが、しばらく使用して再起動するとWindows起動失敗とか。
 やはり純正ファンでは限界かなぁ。

 なんて言ってた、この時に、まさか
大事件が発生していたとは…
無理と知りつついちおう試しに…
129×4.5 = 580.5MHz
 BIOS起動不可。
 この辺りになると、PC100のメモリも影響してくるのだろう。
 それ以前に熱をどうにかせねばなるまいが…
大事件発生
クロックアップする時には、重要なデータのバックアップをする…もちろん当たり前のことですね。
私の環境の場合、データは別のHDDに保存させており、クロックアップ検証時には、そのHDDを切断させておくことで、データの保護をさせた…つもりでした…

先ほどの、558MHzにて発生した大事件。ブートドライブのProgram Filesフォルダの喪失でして。
最初、それが発覚した時は「ああ、どうせデータは別HDDに保存されてるし…」とか考えていたものの、実は家計簿ソフトのデータが実行ファイルと同じ位置の、Program Files下にあることが判明。
2年近くの家計簿データが吹っ飛びました。

ええと、アプリケーションをインストールする時は、データファイルの位置を変更するか、それができないなら待避用のパーティションにアプリケーションをインストールするようにしましょうね…
CPUクーラーの交換
さて、懲りずにさらに高みを目指すため、CPUクーラーを社外品に変更です。
獲物はこちら。
斜め上から 下から
馬鹿でかいフィンの上に2個のファンが装着され、それが吸気することで下方向から風を抜いて冷却させる代物で、逆に排気にすることもできるものの(回転逆にすりゃいいだけだから)その場合は若干冷却効率が落ちるらしいです。

そんなわけで、結果は…
124×4.5 = 558MHz
Program Filesフォルダを破壊してくれた因縁の周波数にて、安定動作です。つーか、これ以上は多分、PC100のメモリが駄目ではないかと思うわけで。

実際の温度も、以前が外気温とヒートシンクの温度差10度だったのが、7度になっていることから、効果はあるらしい…


っていうか、純正はこれなんで、効果が無いわけないんだけども。



とりあえず夏場で使用できているので問題無しとして、558MHzにて使用。今後の課題は熱すぎるビデオカードのチップとか、ケースの排気、吸気周りかな、と。
ソフトで熱対策
おまけ、というか私の環境の場合、あまり恩恵に与れなかったんだけども、CpuIdolなるソフトを導入してみました。

WindowsNT系だと、処理負荷が軽い時はCPUの動作を停止させて、発熱が押さえられるんだけども、それをWindows98系で実現しようというソフト。
もっとも、これを導入することで動作できるようなクロックにしたとして、ゲーム等で高負荷を維持された場合は、問答無用で熱暴走するんで、気休めかな、と思うんだけども。

うちの場合は、瞬間的に使うことが多いんだけども、サーバーとか放置しておくマシンには良いかもしれない。
って、サーバならNTとか使うだろって話しもあるけども。