きたかぜぇ こぞうの かんたろうぉぅ〜!!
ピンポ〜ん。アパートのドアを開けると、そこに立っていたのは、「さぶ〜いっ!!」とガタガタ震えているK君だった。ほんとうにサブイ。昨晩から強風になり、今年一番の冷え込みとのこと。車に乗り込み、天城高原を目指す。ここまで寒ければ、百名山の方々もおられないでしょう。といった予測は大きくはずれ、駐車場には団体バスも停まっている。霜柱の高くたっている道を進み、四辻から石をボッカして万二郎岳へ登って行く。風が強い代わりに、展望は良く、駿河湾〜富士山〜伊豆の山々〜伊豆高原〜伊東の海を眺めながら上がって行く。あっと言う間に万二郎岳に着く。強風の為、体感温度が大きく下がっている。鞍部に下って行くと、展望の開けている岩場があり、下田方面の海が金色に映えている。アセビのトンネルを抜けて行くと、石楠立付近から、ぶなの木が目立ちはじめて、ブナの大木→の看板んっ??があらわれる。10メートルほど右に入ると、巨木が突然あらわれた。老人の手の瘤にも似た老練な姿だ。どれだけ前から、ここに立っていたのだろう。左手を見ると、同じような巨木が3本ほど続いている。ブナの巨木は東北や信越かと思っていたら、伊豆のこんなところに存在しているとは。万三郎岳の山頂で、カップラーメンの為お湯を沸かすが、寒すぎて、なかなか沸騰しない。やっとこさ、沸いて作っても、寒くて箸が使えない。さっきまで、山頂にいた人達も、すっかりいなくなった。K君は、鼻水がジャケットで瞬間に凍ってしまった。手の感覚が無くなってきた。鼻水も流れっぱなしだ。
さびぃ〜っ!!
もうだめだっ!!降りろ降りろ!!急坂を下る、手の先の感覚が戻ってきて、ジンジン痛い。ふと横の木を見ると、樹液が凍ってツララになっている。ここって、伊豆だよなぁと思いながら、涸沢側に下って行くと、ようやく風も弱くなった。山すそをトラバースして、駐車場まで戻った。 |

鞍部からの万三郎岳

鞍部から下田方面の海

ブナの巨木とK君
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