伯耆大山 山域 大山
2000/10/8(日)
メンバー:SOLO
天候 曇り時々小雨
注意:この記録についておきたトラブルについては、
全く責任を負えませんのでご了解下さい!!
特にその後余震がおきてますので状況は全く変わっているかもしれません。

仕事で広島県への出張があり、帰りに登ろうと計画。6日より広島にいたが、例の鳥取西部地震があり、わざわざ震源地に向かうようなものだ。余震も続いているとの報道。バス会社に確認したところ、広島→米子の高速バスも大山寺行きのバスも通常通り運行しているようなので、ダメモトで、前夜米子のホテルに入った。

元谷からの大山北壁

行者コースのブナ

大山山頂から縦走路を望む

撤退したピナクル

ダイセンキャラボクの赤い実

六合目避難小屋からの北壁

夏山登山道沿いのブナ1
明け方何回か余震があったが、震度3程度で、たいしたことは無い。朝一番のバスで大山寺に向かう。着いたらそこは観光地で(当たり前か?)、お土産屋さんや旅館が並んでいる。急な参道を登り、大山寺の山門を左に回り込み、大神山神社にむかう、本殿を右にまわったところに、元谷.行者コースの登山口があった。地震の為登山禁止云々の看板があったが、余震も少なくなってきているので、進んでみる。特に大きな崩れも無く、元谷に着いた。元谷は大きな土木作業現場と言った雰囲気で、重機が何台もあったが、人はひとりもいない。大山北壁が目の前に広がり、時々落石の音がする。今日は風が強い。行者コースを登って行くと、気持ちの良いぶな林に入っていった。夏山登山道に合流し、山中で初めて人に会う。と言っても、この後、いやというほど会い、地震の直後でこの人数だと、最盛期は空恐ろしい登山者数になりそうだ。小屋が見えて、ダイセンキャラボクの中の木道を上がって行くと、下山してくる人に、「医療関係の人ですか?」と聞かれる。事情を聞くと、直ぐ上で男性が倒れているとの事。意識が無く、呼吸もあまりしてないようで、10人くらいのグループが、人口呼吸等をしながら携帯と無線で救援要請をしているところだった。その後、タンカで小屋に運び込みヘリコプターを待った。グループは同じパーティーの人かと思ったら、連れはひとりだけで、偶然居合わせた人ばかりで助けているのがわかった。救援ヘリに載せるのに、私もタンカを担いで少しばかりお手伝いさせて頂いた。間近に見るヘリ救助はものすごい迫力で、自分も当事者にならないようにと肝に命じた。小雨も降ってきて、風もずっと強いので、皆下山して行ったが、行けるところまで行ってみようと、ラクダの背の縦走路に入る。直ぐの三角点は地割れで北壁側にズレ落ちている。ガラガラ石の円頂を越え、剣が峰への登りのピナクルの手前まで来たが、強風でまともに立ってられないので、綱渡りのように細く、両側が切れているところを通過出来ずここであきらめる。下山しはじめると雨も止んできたので、ゆっくり下る。5合目くらいからはじまるブナ林は黄葉しはじめていて、落ち着いた良い色を出していた。気になったのは、夏山登山道添いのゴミの多さで、せっかくのブナ林がぁ〜。ゴミ拾いをしながらの下りになってしまった。朝霧山荘で、下山祝いと大山蕎麦をいただいた。米子に戻って、皆生温泉のOUランド(入浴料¥310は安い!!)で汗を流し、その晩は境港に泊り、翌日帰宅した。
元谷小屋

行者コースのナナカマド

山頂小屋を離れる救助ヘリ

ガスにまかれるラクダの背

夏山登山道の黄葉

三鈷峰

夏山登山道沿いのブナ2
コースタイム:米子駅出発6:45−バス(¥800)→8:05大山寺バス停→8:55元谷9:05→10:20弥山(大山山頂)11:15→ピナクル手前(撤退)→11:50大山山頂→12:50四合目13:00→13:40登山口



<コメント>
鳥取西部地震といい、ヘリ救援といい、盛りだくさんの山旅だった。伯耆大山は、古い火山で地質がもろく、ざれや崩れが進んでいて、いやらしい個所が多そうだ。大きな蟻地獄みたいだ。また、何といっても西日本最大のブナ林は、評判以上でよかったが、ゴミの多さには少しガッカリした。たぶん、観光客の登山が多いからだろうと思うが、チョット考えものだ。次回、機会が出来たら、剣が峰側から、大山南東方面のコースも行ってみたい。