第1部:資本の生産過程

第4篇:相対的剰余価値の生産

第13章:機械設備と大工業

第10節
大工業と農業



大工業が、農業およびその生産当事者たちの社会的関係に引き起こす革命は、もっとあとになってはじめて述べることができる。[527]

『資本論』第1部の目次によれば、第23章「資本主義的蓄積の一般的法則」、第5節「資本主義的蓄積の一般的法則の例証」、e「大ブリテンの農業プロレタリアート」、という項目がある。また、第24章「いわゆる本源的蓄積」、第2節「農村民からの土地の収奪」、また同章第4節「資本主義的借地農場経営者の創生期」、第5節「工業への農業革命の反作用。産業資本のための国内市場の形成」、などの項目がある。

この節では、「簡単な示唆」と称しながら、かなり多岐にわたる興味深い指摘が行なわれている。

マルクスは、「農民」階級を旧社会の「堡塁」と呼んだ。封建制の経済的社会的基盤であった農村において、その村落共同体を形成している集団。こういうと語弊があるだろうか。

農業分野における機械化は、労働者の過剰化をいっそうあからさまに促進する。同時に農村人口の減少と都市人口への人口集中をはげしくする。

農業の部面において、大工業は、それが古い社会の堡塁である「農民」を破滅させ、彼らを賃労働者と置き換える限りにおいて、もっとも革命的に作用する。こうして、農村の社会的変革要求および社会的諸対立は、都市におけるそれらと均等化される。[528]

この「革命的作用」のさまざまな現われを、マルクスは列挙している。[528-9]

資本主義的生産は、すべての富の源泉すなわち土地および労働者を同時に破壊することによってのみ社会的生産過程の技術および結合を発展させる。[530]



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