夏は嫌いじゃない。
野球少年だった時代から、
汗だくになって走り回りグッタリ疲れてグッスリ眠る季節だった。
瞬きしてる間に歳月が流れ、汗だくになって仕事するようになってからも、
やっぱり夏は嫌いじゃない。
グッタリする疲労感が、“心身ともに”という感じになるのが、
ガキの頃とはチト違うけど。
夏の始めに、新作『妻の病—レビー小体型認知症—』が完成した。
ホッと一息つきたいところだが、
『妻の病』のプロモーション準備に取り組みながら、
次なる作品の編集OK出し(粗編集)を始めた。
連戦連投、いつまでたっても高校球児の癖が抜けない。
決して「勤勉実直」という性格ではないけど、
根が怠け者だから一旦休むと止めどなくダラダラしてしまうとわかっているのだ。
死んでしまえば、ずっと休んでいられるのだから、
生きてるうちは、マウンドを降りるつもりはない。
夏の終わりは、大阪で恒例の「ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》」を主催する。
今年でもう12年目だ。
春先にやっている横浜での「大倉山ドキュメンタリー映画祭」が7年、
岩手の「はなまき映像祭」は15年、
一昨年から東京・日比谷で始めた「ヒューマンドキュメンタリー映画館 日比谷」が、
この秋で16回目…よくやってる。エライ。
でも、どの映画祭も「この指止まれ!」のかけ声はかけてるけど、
それぞれの仲間やスタッフが夢中になってやってくれているから続いているのだ。
「ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》」。
12年前の第1回目は、「伊勢真一作品特集」と称して、
3日間に渡って連日自作を上映することから始めたので、
その後も、私の作品は毎年上映するという、ちょっと我が儘なプログラムを組ませてもらってきた。
“ヒューマンドキュメンタリー”という言葉は、昔からあったと思うけど、
私達が阿倍野の映画祭を「ヒューマンドキュメンタリー映画祭」と名付けたことで、
より多くの人にドキュメンタリーに親しみを持ってもらえたのでは、と自負している。
“ヒューマン”とは、原語では“カオス(混沌)”というような意味合いがあるということを、
映画祭にゲストで招いた鷲田清一さん(哲学者)に教わった。
「ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》」は、
毎年カオスそのものの様々な人間模様を描いた作品に触れることが出来る貴重なヒトトキだ。
今年も全部で10本の「ヒューマンドキュメンタリー」と、
アマチュアコンテストの入選作4本を阿倍野で上映する。
どの作品も、それぞれの監督が、たっぷり汗をかいて創った力作だ。
一人でも多くの人に阿倍野に足を運んで頂き、たっぷり心の汗をかいてもらえたら嬉しい。
8月22日(金)から24日(日)までの3日間、会場は阿倍野区民センター。
オープニング作品は、映画『小屋番 涸沢ヒュッテの四季』、
クロージング作品は、映画『妻の病—レビー小体型認知症—』と、
我が儘に自作でくくらせてもらった。
【問合せ】ヒューマンDFプロジェクト
大阪事務局:080-6180-1542(浦方)/info@hdff.jp
東京事務局:03-3406-9455/ise-film@rio.odn.ne.jp(いせフィルム)