虫が哭いている。
その哭き声に、とても静かな気分になれたり、哀しい気持ちになったり、
「え〜ぃ、やかましい!」と腹を立てたり、情緒不安定そのものの秋です。
ここのところ、山形ドキュメンタリー映画祭落選、文化庁シナリオコンペ落選と、
冷たい仕打ちが続き、「オマエのドキュメンタリー映画は何ともならない…」と言われ続けているようで意気消沈の日々である。
後輩たちには「世の中の評価なんぞ気にするな。基準はあくまでも自分自身だ」などと
大人ぶった言い方をして励ますけど、自分のことになると、ちょっとしたことでヘコム弱虫だ。
文化庁のシナリオコンペは、自主製作・自主上映で売れない映画を創り続けている私のような
個人の制作者にとっては、入選すると資金援助をしてもらえる日本では貴重な制度なので、
これまでもお世話になったことがある。
でも、今回は振られてしまった…。悔しい。
途方に暮れながら、「何とかしなくちゃ」
「何とかして創りたいと思った企画をカタチにしなければ」と、空をあおぐ。
いつも呑気な顔して「何とかなるさ…」とやって来たけど、「何ともならないこと」の繰り返しをしのいで来た映画創りだ。「映画の神様」は、どうしてこんなに意地悪なんだ。
もう少し気合いを入れて、やり直せということか…。
「つぶやき」というよりも「ボヤキ」のような「グチ」のような
「イイワケ」のようなことばかり書いてきた我がホームページの駄文を中心にして、
仲間たちが本を創ってくれた。「いせ日記 カントクのつぶやき2」というタイトルだ。
在庫の山となっている数年前の著作「カントクのつぶやき」を、新刊本を突破口に読んでもらい、
在庫一掃しようという作戦だけど、どうなることやら。
(いせ日記 巻頭言より)
目を瞑り、耳を塞いで、駆け抜けて
来たような気がする。
目を凝らし、耳を澄ます、
ドキュメンタリー映画の「ナリワイ」を生きながら。
もう十年以上前に
「自主製作・自主上映で映画を創っているなら、
ホームページくらい無きゃ駄目だよ」
と言われ、毎月一回は、何かしら書くことにして、
健気にやって来た。
かなりいい加減な人間だけど、ヤル時はヤルんだ。
「ヒューマンドキュメンタリー映画館 日比谷」は今月末の上映、
“つくり続けること ―伊勢真一新作特集ー”で、一周年を迎える。
よう頑張った。
一度でいいから、会場の日比谷図書文化館・地下ホールを満席にしたいと思ってます。
人助けだと思って、足を運んで下さい。新刊本を買って下さい。
※ ヒューマンドキュメンタリー映画館 日比谷 情報
9/29(日)11時〜「小屋番 涸沢ヒュッテの四季」
13時30分〜「シバ 縄文犬のゆめ」(照井光夫さん×伊勢真一監督によるトークあり)
※ 新刊本情報
伊勢真一監督のエッセイ第2弾!
「いせ日記 カントクのつぶやき2」 価格1,500円(税込)
★新刊本発売記念特典★
新作「いせ日記 カントクのつぶやき2」と、前作「カントクのつぶやき」を
ご一緒にご注文いただいた方は、【送料無料】にてお送りさせていただきます。
ぜひこの機会にお買い求めください!
ご注文・お問い合わせは、いせフィルムまで。
〈いせフィルム〉
TEL:03-3406-9455 FAX:03-3406-9460 メール:ise-film@rio.odn.ne.jp