やっと秋になった…と思ったら木枯しが吹いて来た。

もう初冬でしょうか?


この秋も、よう働いた。自分で自分を誉めてあげよう。

世の中的に言えば、私の年頃はもう定年で悠々自適の日々なのでしょうが、

こちらは相変らず戦々恐々の毎日です。

まわりのみんなが、とても立派に思える。

「友がみな我より偉く見ゆる日よ…」という気分也。


つい最近、愛知・一宮の中学校で「傍(かたわら)〜3月11日からの旅〜」

福島・南相馬の高校で「風のかたちー小児がんと仲間たちの10年ー」の上映があった。

若い人達に自作を観てもらいたい、と言いつのって来ただけにとても嬉しかった。


一宮の中学校では、全校生徒を体育館に集めての上映。

校長先生は「何人か問題児もいるので、ちゃんと最後まで観てくれるかどうか…?」と

心配されていましたが、二時間に及ぶ「傍(かたわら)」をみんな真剣に見入ってくれた。


〜映画「傍(かたわら)」を鑑賞して感じたこと(アンケート)より〜

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悲しかったり、くやしかったり、つらかったりして、

うまく今の気持ちは表せません。

いろんな事を感じました。

命を大切にして生きていきたいと思いました。

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ふだん私は、弱音をはいてしまう時があります。

でも、この映画を見て弱音をはかず前向きになって生きたいと思いました。

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「満月」の歌の中の歌詞、

♪君は泣いていただろうか 僕は泣けるようになったよ♪の所で、

悲しさを感情表現出来ない程の悲しさを抱きながら生きる人達の姿を想像して、

真顔で数滴涙をこぼしました。

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私が一番心に残っている場面は、

お母さんが電話で「やれることはやらなくちゃだめだよ」と

どなるようにして言っていた場面です。

この場面から、被災地の方がどれだけ苦しんでいるのかがよく分かりました。

いつも通りの生活をしたいという気持ちが、胸が痛むほど伝わりました。

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今生きていることは奇跡だと思いました。

亡くなった方の分まで命を大切にして、

この東日本大震災をずっと忘れず、

人が自然に対してもっと真剣にならないといけないと感じました。

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もともと涙もろい私をホロリとさせる内容もあって、「あぁ創ってよかった」と思わせてくれた。

我が「傍(かたわら)」は、盛んに自主上映の声がかかるという作品ではありません。

どの作品も自作は可愛いのですが、声がかからない作品は、殊更にいとほしく思うものです。

遊んでもらえない子供のような気がして…


福島・南相馬の高校での「風のかたち」上映も、とてもいい上映会だった。

小児がんと斗う同世代の仲間達に寄せる、高校生達の特別な思いが伝わるような雰囲気だった。

「東日本大震災」の体験から、自分のこととして映画を観てくれたにちがいない。


「いのち」のことをヒリヒリと感じ取る、素朴で素直な若い人達の反応は、とても健全だと思う。

映画を観てくれる、ひとりひとりの存在が、クヨクヨしがちな私をとことん勇気づけてくれる。


ありがとう。

 

戦々恐々

伊勢 真一