先週末から東京での『傍(かたわら)』劇場上映が下高井戸シネマで始まった。

お彼岸から始めたい…と、劇場にワガママを言って組んでもらったプログラムだ。

いつものように、「誰も来なかったらどうしよう」という不安におびえながら足を運ぶ…

思った以上に多くの方が観に来てくれた。

それ以上に嬉しかったのは、観た方々の反応だ。

その一部をアンケートから紹介しよう。


 「とても心に響く映画でした。まだ一度しか拝見しておりませんが、また観たいと思います。」(40代・女性)

 「震災ドキュメントは本当に沢山つくられている中で本当にしっかりときちんと(映像でも)対話できている作品だと思いました。亡くなった人のことを描くのは映像では普通あり得ないけど、名前を読みあげる、その人の人生に思いをはせることが形に残っているのは素晴らしいと思いました。(蝶々もよかった)」(40代・女性)

 「原発の是非という政治的・イデオロギー的な方がメインになってしまって個人の喪失や悲しみに目がいかなくなっているのではないかと強く思っていました(そんな中で声高に原発を語らない切り口はとても良かったです)。その一方で苫米地さん父娘の会話から醸し出される巧まざるユーモアとほのぼの感にはほっとさせられてよかったです。日本のドキュメンタリーでこのテイストはあまりない気がするので貴重だと思いました。」(40代・女性)

 「『傍』というタイトルにひかれてきました。人間みなちがう、と私も思っています。」(40代・男性)

 「被災した人々を支援するのが国の責務なのに、オスプレイを配備したり、 原発0を閣議決定しなかったりと、人々のことは考えていませんね(傍に居ません)。すぐ忘れてしまう、いや報道しなくなってしまうのが日本だなと思うので、このドキュメンタリー映画が各地で上映されたらと思います。」(40代・男性)

 「墓前の男の方の“人間だけでなく鳥も動物も皆命があるので供え物はこのまま置いて行く”のお話には自分も大変ななか他の生き物にまで 気持ちを向けられているのには、こちらの方が生きる力、他人を思いやる気持ちをいただきました。」

 「暮らしを淡々とえがくことで、それだけで伝わるものがありました。飯舘村の女性のことば“人間は取り替えしのつかないことをしてしまったことがはっきりわかった”が心に残りました。美しい自然の中だったので。」(40代・男性)

 「本日は友人を誘って来ました(私達2人共福島出身です。)。まだまだ続くテーマです。どうぞこの続きを限りなく撮り続けて下さい。

 泣けて泣けての内容でしたが、飾らず、今一生懸命に生き続ける被災者にレンズを通して応援し続ける伊勢さんに感謝します。」(70代・女性)

 「“負けへんで!”大阪弁の力、私には近しい。」(70代・女性)

 「すぐに感想がまとまりませんが、見られてよかったです。ありがとうございました。もっとたくさんの人に見てもらいたいです。」(40代・女性)

 「ここのところ、映像化されている3・11とは別のものののような感じがしました。相手に対するものの見方が違う気がするのです。それこそ“よりそっている”という感じで。」(40代・女性)

 「“生きている人がやれることをやる”というサトロさんの奥さんの言葉が心に残りました。」(40代・男性)

 「過酷な現実を、イデオロギーや、個人の好みのフィルターを通さず、そのままの姿で提示する。それ故、この現実は豊かなイメージを通じてこころの底まで届く。多くの人々の証言、その悲しみと苦悩、絶望のどん底にあっても失われない未来への希望が人間に対する信頼をとり戻させる。この映画をひとりでも多くの人に観てもらいたいと思う。そしてあの災害を風化させることなく、常に思い起こして人間を信じてもらいたい。ただ一つ、全体的にもう少しカットして、時間を短くしたらと思う。そうすればもっとダイレクトにメッセージが伝わるのではないかと思います。」(80代・男性)

 「被災された方1人1人が他の人を思いやった言葉、そして、ラジオからの温かい発信者、2012年の元旦の花火を見てるみなさんの目、元旦の海岸での皆さんの言葉は私の心にやきつき、これからの人生の励みになりました。3・11を忘れないし、自分応援歌の映画でした。ありがとうございます。」(60代・女性)

 「お彼岸上映ってしぶいですね。後に残る映画になります、きっと。」(40代・男性)

 「雨の中でしたが観に来たかいがありました。映画の中で元旦に海に向かって夢は?と聞かれた2人組の若い女性の一人が、“人に優しく接しられる心を持ちたい”と語っていたことが忘れられません。」(50代・男性)

 「こみあげる悲しさに向き合い、そこから立ち上がる強さ、やさしさが1シーン1シーンからあふれてきました。変わらぬ姿を見せる海や花、月のシーンが重なり、人が生きるほうを見ることの美しさを改めて知りました。」(30代・女性)

 「今朝、突然娘に映画に誘われ、ドキュメンタリーと聞き悲しい映像を見れるかなと思いつつ会場に着きました。とても自然体で、また押しつけもなく、素直に向き合えた映画でした。監督の伊勢さんの生の声も聞け、お人柄も伺えてとても良かったと思いました。」(60代・女性)



『傍(かたわら)』は今週末まで下高井戸シネマで上映したあと、

9/29(土)からは横浜のシネマ・ジャック&ベティにバトンタッチして上映、

来週の水曜日、10月3日には日比谷図書文化館で14時30分からと18時30分から

上映が決定している。

(14時30分からの上映後は細谷亮太医師と私とのトークもあります。)

全国各地での『傍(かたわら)』の自主上映にも積極的に取り組みたい。

応援よろしくお願いします。


 

『傍(かたわら)』を観た人の声(2012.秋)

伊勢 真一