Monologue24 (2000.6.19〜2000.6.26)

 「2000.6.26(月)」・オタクの生きる道

 わたくしモテナイ独身青年の部屋はキタナイ。
この部屋に住み始めた当初は良かった。
でも、現在モノが増えすぎ、この部屋に収納できる限界を越え、もう飽和状態になっている。
掃除する気持ちを削ぐように、ちょっと動くと、いろんなところからモノがくずれ落ちたりする。

 CD、本はさておいて、特にビデオの量が近年増えてきた。
人は処分すればいい、という。
しかしどれも愛着のあるものばかりで、なかなか捨てる気にならない。
 かつての国民的美少女藤谷美紀嬢がデビュー当時出演していたNHKの10年位前の教養番組「更科日記」なんて番組を録画していたりして、ほとんど見ないビデオなのに、あるだけで安心したりする。3倍モードだけど。
美紀嬢カワイカッタナア・・・なんてしばし感慨にふける・・・(もちろん今でも美しいけれど)。

 これがオタクってやつなんだなあ・・・と我ながら妙に自己納得する。
 これがモテナイ、結婚できない理由かもしれんなあ・・・などと我ながら妙に自己納得する。
 そういえば、小さい頃から、切手・動物怪獣の人形の類い等、どうも収集癖があったなあ・・・などと我ながら妙に自己納得する。

 モノは収集するが、銭はたまらんな。
 無意味なガラクタを集めて巣にもってくる野鳥のようなもんですな。

 その他例えばダウンタウン・ウンナンが出ていた「夢で逢えたら」という番組のとある回や、とんねるずの「みなさんのおかげです」のいくつかの回などもあり、NBAはシカゴブルズの最初の3連覇のファイナルあたりから、毎年ファイナルはかかさず録画保存している。

 これらは、いつまた見るのかな?とも思う。
老後にでもゆっくり見れたらイイケド。でも今のペースで録画を続けたりしてたら、一生かかっても見れないものも出てきそうである。

 でも、まあいいや。
これがオタクの生きる道なのさ、きっと。

 「2000.6.24(土)」・バランス

 会社等で、前方から知合いが歩いてきて、急に「じゃ、よろしくお願いします」などというので、こちらは訳がわからぬまま、とりあえず「あ、はい、わかりました」なんて言ってしまう時があります。
こんな時大抵、私のすぐ後ろに別な人がいて、実はその人が「お願い」された本人だった、なんてえこと良くがあります。

 こっぱずかしいですな。全く。
「はい、わかりました」だなんて、テメエ何がわかってたんだよ!、ってなもんでさあ。

 知合いじゃ無くて赤の他人から声をかけられるのだったら、お願いしますと急に言われたって、「えっ?なんでオレに?」と、一瞬オカシイと思うので、すぐ気づくのだけれど、なまじ知合いの人からだとつい、前述のようなケースがあるんですな。
人間いかにうわべだけのコミュニケーションをしているか、わかりますな。

 ところが、このうわべだけのコミュニケーションも結構役に立ったりする時があるので世の中わかりません。

 隣の部署に電話がかかってきているのだけれど、誰もいないので仕方なく電話に出てやったりすると、当然こちらの見知らぬ相手からかかってきている。
 こちらは作業を邪魔されてちょっとイライラ気味。
 その電話の相手には面識もなければ当然普段世話になったこともないし、「誰?あんた?この忙しいのに電話かけてくんじゃねえよ!」くらいに内心は思ってしまっている。
 しかし、実際自分の口は「あっ!、どうも!、いつも大変お世話になっております!」なんて風に結構滑らかに動いている。
我ながら、さすがと思わざるを得ない。

 このうわべだけのコミュニケーションで、随分と無駄な争いをせずに、助かってはいる。
うわべだが、これは矛盾だらけの生活のバランスを必死にとろうとしている、悲しくも必然の反応なのだと感ずる。

 「2000.6.21(水)」・脱帽

 フジテレビの、ネプチューン、TIMなどが、出演している、「力の限りゴーゴゴー」の1コーナー、「ビューティー・スチューデント」楽しみました。
 これはネプチューンのホリケン(堀内健)がある高校へ行って、眼鏡をかけたちょっとドンクサイ女子高生を探して、眼鏡をとらせ姿格好もメイクアップして、生まれ変わらせるという企画。これが、いつも結構カワイイ子に変身するので、ビックリ脱帽もんであります。いいですな、若いって。

 話は変わりますが、今年のNBAのチャンピオンは、古豪ロサンゼルス・レイカーズが12年ぶりに返り咲きました。レイカーズは近年いいとこまで行くけど、なかなか勝てませんでしたが、今年から名将フィル・ジャクソンがヘッドコーチになり、なんと就任1年目にして、チャンピオンになったわけです。
 フィルはNBAにまだ2人しかいない、違う2チームのヘッドコーチとしての優勝です(前回はあのマイケル・ジョーダン率いたシカゴ・ブルズ)。
 苦節8年ようやくチャンピオンになれた、シャック(シャキール・オニール)や、若武者コービー・ブライアントの活躍などもありましたが、なんといっても、フィル・ジャクソンのこのチーム掌握の魔術には、脱帽であります。

 フィル・ジャクソンは、かつて、神様ジョーダンや、他のチームではもてあまし気味の悪童デニス・ロッドマンなど、才能溢れる個性的な人間の集まるシカゴ・ブルズというチームを、うまくまとめて優勝を重ねてきましたが、今何かとモメテ話題になっている日本の水泳関連の某団体も、和を乱す人間はいらないなどと言わず、この人事掌握術を見習ってほしいな、などとチョッピリ思いました。

 「2000.6.20(火)」・これぞ詩

 NHKBS2の昨日の深夜番組(今日も放映)「風待ミーティング 作詞家松本隆トリビュートライブ」にキリンジが出演してました。
 もちろん松本隆作詞作品を演奏しましたが、曲は原田真二の名曲「てぃーんずぶるーす」と、大瀧詠一のこれまた名曲「雨のウエンズデイ」。
 キリンジは今私のフェイヴァリットなバンドでありますが、やはりキリンジも、あの伝説の名バンド「はっぴいえんど」ラインに関っていたんですな。

 ところで松本隆氏の作品には私も無意識のうちに、いろいろお世話になっていまして、今考えてみれば、もしかしたら青春期にもっとも影響のあった作詞家かもしれません。
 ちょっと考えてみても、大瀧詠一作品、松田聖子作品、寺尾聡作品、南佳孝作品と・・・好きな歌に松本氏が詩を書いている作品は、枚挙に暇がありません。

 南佳孝の「デジャヴ」など、大好きな詩がありますが、今日は、私の女性ショートカット好きを助長するような良い詩があって、ちょっとサビあたりの一節をご紹介してしまいます(著作権大丈夫かな?)。

・・・
髪を切りすぎたね、まるで男の子だよ
外は乱れ髪のような雨
ごらん君の髪がふる
ごらん君の髪がふる
・・・
(「乱れ髪」より  作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一」)

ポエムですな・・・
これだけのフレーズだけでも、なんか情景がパーッっと浮かんでくる上に、更に切なくなる。
これぞ詩って感じです。

 「2000.6.19(月)」・本物じゃないのに

 音楽でもそうだが、カヴァーよりもやはりオリジナルを愛す人は多い。
オリジナルに触れて「こうだったのかあ!」などと感動する。

 ところが、である。
贋物の方が良い!、贋物に会いたい!と思うものがある。

 昨今ちょっとしたブームらしい、ブルースリー。

 ちょっと思い出話しで恐縮だが、僕が小学生の頃、「燃えよドラゴン」が封切られた。
最初そのポスターを見たとき、なんか、妙な暗い顔付きのイケスカネエ野郎だと、正直ブルースリーを見て思ってしまった。
ところが友人に誘われるまま、地元の映画館に見に行ったのであるが、もう映画館を出たら、自分はすっかりブルース・リーになっていた。

 当時はブルー・スリーだと思っていたが、ブルース・リーだった。
仲間内では、ブルース・リーはテレビ番組キーハンターの千葉慎一にとって変わるヒーローになった。

 その後は雪崩のように、日本で公開される作品を全部見に行った。

 日本では、最初が「燃えよドラゴン」で、溯っていくように昔のブルース・リー作品が上映されていった。

 最近いろいろ見てわかったのであるが、僕らがカッコイイと信じて見ていた「燃えよドラゴン」以外の香港での作品は、実は日本のオリジナルの音楽が挿入されたり、セリフも独自に英語に吹き替えられた、言ってみれば「ドラゴンのマガイもん」のようなものであったらしい。

 近年ビデオやテレビで、オリジナル版が放映・販売されたので入手したが、実のところ今一つ、当時のカッコヨサが実感できない。
「ドラゴン危機一髪」くらいだと、まあそれ程落胆は無いが、「ドラゴンへの道」は結構落胆が多い。セリフはオリジナルで構わないが、音楽は英語版が良い。
やっぱり僕にとって「ドラゴンへの道」のラストシーンには、ブルースリーが去っていくバックに英語の歌が流れていないといけない。
英語で「・・・ザ、ウエイオブ、ラーイフ!」というフレーズで終わってほしい。

 「ドラゴン怒りの鉄拳」のセリフも、英語で覚えたりしていた部分が結構印象に残っていたりする。
なぜだか贋物が、僕らのような一部の人間には、オリジナル然として堂々とまかりとおっているのである。
それにしても、偽物がいいなんて、なんてことだ。
それ程あの英語版の歌は当時の僕ら少年達にとって、何よりカッコヨカッタのだろう

 今とっても贋物に会いたい。でもどうも結構これが、いろいろな事情で困難らしい。

 でもきっと世界は愛に満たされている。
きっと愛の力が、ブルースリーの偽物英語版の映像を、僕らの前に再び現してくれると信じている(?、愛の乱用ですな、こりゃ)。
 

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